専業主婦で家事育児のみだった10年間はブランクか?
今まであたりまえだった「働く」という社会とのつながりを断ち切ったのが12年前。
めまいや腰痛に悩まされていた上の家事育児で精一杯だった私。
社会の中でパートデビューがどれだけハードルの高いことだったか、お分かりでしょうか?
育休で一年休んだだけでも、仕事の世界に戻るのは大変です。しかも休んでる間はどうしたって家事育児の負担は、ママ側が背負う比重が高いです。
それが10年なんです。
10年も引き篭もって、とにかく具合がわるくて横になるか、掃除をするか料理するか、子供たちのペースにあわせて何かをしてきたのです。
関東にいて子供もまだいなかった元気な自分の頃のような働き方はもうできない。
この10年以上のブランクをどうやって埋めたらいいのか。
そう思っていたのですが、ある時ふと考えたんです。「本当にブランクか?」と。
今まで生きてきて、こんなに必死に放っておくと死んでしまう存在を24時間世話し続け、わからないと向き合い必死に勉強したことがあっただろうか?と。
自分の栄養バランスが母乳に影響したり、離乳食のためにメニューを必死に調べたり考えたり。
「予防接種」なんてインフルエンザしか知らないくらいの知識から、産まれてから受けなきゃいけない予防接種の数とスケジュールに困惑して。
溢れすぎるネット情報。「うちはこうしてる」「うちはこうだった」なママ達情報、いろんな本を読んでも解読できない個性あるそれぞれの子供たち。
どんなに試行錯誤しても、おいしいと言ってもらえない。食べてもらえないかもしれない子供2人➕大人2人のご飯のメニューを365日考えては作って
子供に合わせて仮眠をとり、好きな時間に好きなものを見たり、聞いたり、お風呂に入ったりができなくなり、
自分中心から子供中心で、病院を含め幼稚園や小学校という新しい枠に飛びこみ、分からないながらも周りの人に助けられ、1つ1つ解決し積み上げてきたこの10年が、本当にブランクかと?
こんなにも24時間体制で働いたり、
こんなにも人に対して腹が立ったり激しく泣いたり、我慢強く相手の話を毎日毎日聴いたり、
そんなことが仕事でもあったか?と。
…そう思ったら、この10年は挑戦の毎日だったなと。30年生きてきて知らなかった世界に飛びこみ、今までの常識を覆され、ある意味自分の中のチャンネルが何チャンネルも増えた…のではないでしょうか。
もちろん、働くことで空き時間は減ります。
それでも、頭に家事や子供の事でいっぱいだったのが、目の前の仕事のことだけに集中できる時間が持てる。
これは、育児家事で疲れてる人には特にありがたい時間だったりします。
そして、働いてみた今、色々と大変なことも辛いこともありますが、時間がくれば終了。
そして、「これよりも子供と向き合ってるほうがパワー使うな」とか「あれに比べれば…」みたいに思うことがよくあります。
この10年は、私の心を鍛えてくれたように思えます。
同じように、専業主婦でパートをはじめたいと思ってる方。専業主婦で家事育児は決してブランクではないと私は思いました。
培った経験が、耕されて何かやることと繋がって、すぐマイナスになりがちな私の自己肯定感を下から支えてくれてる。
そんな感じがするのです。