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【ボウケンジャー】第36話~第38話
Task.36「鬼の金棒」
ボウケン36話、「おっ暴太郎じゃん」と軽い気持ちで見始めたら太郎は太郎で十分かつそれ以上だったし、なんならちょっと泣いてしまった…… 高丘じいさんと明石ばあさんの子育て奮闘記、自分の世界に他者を受け入れられるようになった映士が、己の幼少期と重ねつつも太郎自身を肯定していてよき。
— 望戸 (@seamoon15) July 23, 2022
おじいさんとおばあさんがももをわってみると、なかからでてきたのはげんきなおとこのこだったのです。
というわけで、桃から生まれた太郎が鬼退治をする回。どこかの騒々しい赤い奴(該当者2名)とは異なり、じんわりと切なくも温かいお話である。
明石はとりあえず食べ物を与えれば満点みたいな発想で、ミルクからはじまりナポリタンに焼き芋に夜食のおにぎりまで手広く提供(でも急な生キュウリはお腹を壊すからNG)。明石なりの「子どもの時されて嬉しかったこと」を再現しているようで興味深い。兄貴分とか保護者でなくあくまでも親の立ち位置。
— 望戸 (@seamoon15) July 23, 2022
初めての子育てに明石も映士も振り回されっぱなしである。さしもの「不滅の牙」「高丘流跡取り」といえど、子どもの面倒を付きっきりで見た経験は無かった様子。最初は戸惑いながらも次第に愛情が芽生え、最終的には溺愛モードである。
明石ばあさんはあたかも田舎の祖母のごとく、太郎にとにかく食べさせようとする。レストランに連れて行き、焼き芋を買い食い。おにぎりは手ずから握ったものだ。それを太郎への愛情の赴くままにやっているのだから、明石の成育環境が垣間見えるようである。
対する映士じいさんはどちらかというとスパルタに太郎に接するが、それも彼なりの愛なのである。高丘流の跡取り息子として育てられ、父の形見である錫杖を大事に持っていた映士だ。自分が父親にしてもらったことを彼は正しく愛情であると理解し、同じように太郎にも愛情を与えようとしているのだ。
明石ばあさんの夜なべの針仕事で完成した陣羽織と鉢巻きのクオリティよ。というか一人で羽織り仕立てたの!? 鉢巻きが人数分用意されている辺り、映士が巻き込まなくても他のメンツを動員しようとしていたきらいがある。犬と雉(鳥)は過去に実績もあるし。きび団子はもうちょっと何とかアレだけども
— 望戸 (@seamoon15) July 23, 2022
鉢巻きの縫い目の粗さが明石の思いの深さ。菜月あたりに頼めばきっと綺麗に作ってくれただろうに、あえて自分の手でひと針ひと針縫いあげた渾身の作である。きび団子については何も言うまい。
山砕きの金棒を取り戻すために山から送り出された子ども、太郎。絵本のももたろうは最後幸せに暮らすことになっているが、太郎は山へ帰らねばならぬ。夜中に一人で読んでいた絵本が切ない。/山に帰る太郎は振り返らないし、明石と映士も引き止めない。金棒は再び祠に戻る。すべては元の通りである。
— 望戸 (@seamoon15) July 23, 2022
ももたろうは鬼から財宝を奪い返すが、その財宝は元はと言えば大勢の民衆から略奪されたものであり、どちらかというと山賊の家に強盗に行ったみたいな風情がある。きび団子を元手にハイリスクハイリターン、おじいさんとおばあさんは思わぬ財産を手に入れることになり、そりゃあ左うちわの恵比須顔であろう。大事な跡取り息子も無事帰還してめでたしめでたしだ。
太郎の目的は金棒を取り戻すことだ。ももたろうのようにゼロをプラスにするのではなく、マイナスをゼロに戻すのが彼の役目である。無事に金棒を取り返したら、太郎はこれ以上人間界にいる必要はないのだ。
無理やり引き留めてずっと一緒にいることも、サージェスの力を使えば可能であろう。だが、明石も映士もそれは選ばない。山砕きの金棒を携えて、いま太郎は初めて一人で旅立つ。おじいさんとおばあさんは、その背中を見送るのが昔話のセオリーだ。
Task.37「憧れの芸能界」
ボウケン37話見た マネージャー見習いからアイドルレポーターまで芸能界を駆け上がるさくら、アイドルのお手本(きゃぴきゃぴ笑顔)としてイメージするのが菜月なのがなんだかよい 身近なところの方が連想しやすいしな~ ダジャレマニュアル1054通りを3時間もかけずに完璧暗記するのは流石の一言
— 望戸 (@seamoon15) July 30, 2022
さくら、大御所に接近の巻。消去法で選ばれたような人選の割に、案外適材適所である。サージェスが誇る変装技術を使えばだれでも顔かたちは変えられるが、マニュアルを短時間で完全にマスターするとなると、候補者はさくらか蒼太くらいに絞られるだろう。というか女装してアイドルレポーターする蒼太、前職を活かしてめちゃめちゃソツなくこなしそうだ……。
パンパシ駅伝のデンベエくん、本当に何かの番宣だったのかと気になって調べてしまった 石田彰ボイスがよきですね! 邪悪竜デンベエは本物のデンベエそっくりに生み出されたとのことだが、製造過程でそんなに精密に外見を操作できるのか そこまでできるなら靴も履かせてやれば完璧だったのに!
— 望戸 (@seamoon15) July 30, 2022
リュウオーン様はともかく、一般ジャアクリュウにはあまり靴を履く習慣がないのかもしれない。デンベエ君のいかにもなデザインと着ぐるみの感じ、あまりに本格的ですっかりコラボ回か何かかと思い込んでしまった……。
繁栄の石が危険なプレシャスであることを持ち主に知られないため、ミッションは極秘裏に。爆発を防ぐ特殊な液体につっこんだのも「着ぐるみに食べられた指輪を洗浄するため」で乗り切る力業で何とかクリア。しかし石の力は百年に一度という短期スパンで溜まってしまうので、次回までにいい手を考えねば
— 望戸 (@seamoon15) July 30, 2022
デンベエ君のファインプレーによりなんとか言い訳もたち、無事ミッションコンプリート。大御所はあの指輪を生きているうちに手放すとは思えないので、サージェスの監視も長丁場になりそう。
Task.38「虹の反物」
ボウケン38話見た 冒険者、猫を飼う/纏ったものは姿を変え、更にその姿の最高の能力を手に入れるという「虹の反物」。蒼太の理想の女の子になりたいと願ったみゆがJK姿になったのは、彼女にとってそれ人間の女の子の中で最高の存在であったということか。クレープやプリクラにも憧れていたようだし
— 望戸 (@seamoon15) July 30, 2022
というかプリクラ(あの出来上がったシールの感じになつかしさが崩壊しそう)に対する蒼太さんの手慣れ方が完全に解釈一致で最高 街中でのクレープ(ひとつだけ)と公園の自販機でペットボトルのジュース買うところ(ふたつ)もよい やろうと思えばどこまでも気取れるのにTPOで使い分ける感……!
— 望戸 (@seamoon15) July 30, 2022
猫の目には女子高生が人間の雌の中で最も魅力的に映るらしい。蒼太の理想が女子高生である可能性もあるが、さすがにそんな好みまでは「虹の反物」も把握しきれないだろう。……把握しきれないよな?
ときに、この回を見る少し前に『ニンニンジャー』38話を見た。八雲とエレナ少女のデート回である。デート中、八雲も蒼太のように飲み物を買うのだが、蒼太がみゆの喜ぶタイミングで・すぐに戻ってこれる近場の自動販売機で購入しているのに対し、八雲は話の繋ぎとして・その割に時間のかかりそうなテイクアウトのオシャレカフェで購入している。八雲の見栄っ張り(エレナに自販機のジュースを飲ませるなんてとんでもない!)に対する、蒼太の自然な気遣い。デートに対する経験値の差が如実に表れており、大変興味深かった。
閑話休題。ほんの切れ端だけでも絶大な威力を発揮する「虹の反物」は、かなり強力なプレシャスだ。もちろんネガティブシンジゲートに渡すわけにはいかないが、手に入れたのがシズカだったのは不幸中の幸いかもしれない。元来変身願望のあるリュウオーン辺りがゲットしていたら、もっとえげつなくその力を使いこなしていたことだろう。