2022年度生物分類技能検定の振り返り (1級/2級/3級/4級)
自然環境研究センターより2022年度生物分類技能検定の試験結果 (合格者数・合格率など) が発表されました。私は2級動物部門と3級を受験し、なんとか合格することができました。試験結果を見ながら私の受験した区分を振り返えろうと思いますが、折角なので未受験の区分も一緒に見ていきます。
参考:2022年度の概要・1級・2/3/4級
生物分類技能検定3級・4級
合格者数:
・3級:629名 (前年606名)
・4級:648名 (前年611名)
合格率:
・3級:51.6% (前年52.2%)
・4級:66.5% (前年62.8%)
合格者の平均年齢:
・3級:25.3歳
・4級:21.8歳
3級/4級とも単年での受験者数・合格者数が過去最高になっています。私も某公園で生物分類技能検定のポスターを見かけたことがあり、生き物好きの方に少しずつ認知されつつあるのかな、と思います。合格者数・合格率ともに例年並みでした。3級/4級とも子どもからご年配まで合格者がいらっしゃいます。私が受験したのは3級で、例年どおり過去問からの出題も見られました。実感として、2022年度3級の難易度は例年並みでした。
3級合格報告動画がVTuberの壱膳まいさんより上がっています。続報を予定しているそうなので、受験予定の方はチェックしてはいかがでしょうか。
4月中旬には『生物分類技能検定3級・4級解説集』の改訂2版が発売されるそうです。3級/4級を受けられる方は改訂版で勉強したほうがベターです。
生物分類技能検定2級
合格者数:
・動物部門:24名 (前年65名)
・植物部門:23名 (前年8名)
・水圏生物部門:6名 (前年26名)
合格率:
・動物部門:5.0% (前年16.1%)
・植物部門:11.2% (前年4.8%)
・水圏生物部門:3.7% (前年19.8%)
合格者の平均年齢:
・動物部門:31.5歳
・植物部門:39.7歳
・水圏生物部門:27.0歳
動物部門・水圏生物部門では、力のある受験生が2021年度に合格したと思われ (私は2021年度不合格)、2022年度は大きく合格率・合格者数が低下しています。水圏生物部門の合格者はわずか6名です。植物部門は昨年の反動からか、合格率・合格者数ともに大きく上昇しています。合格年齢としては23歳〜29歳が多く、職業としては自然環境調査系・生物調査系が53%ですので、関連する業務経験を積んでから合格していると思われます。学生の合格者も数名いました。
私が受験したのは動物部門ですが、素人目線の実感としては、低くなった合格率とは裏腹に、2022年度2級動物部門の難易度は例年並みでした (例年通りの難しさ)。観察問題の出題傾向に変化がありましたので、今後は過去問の出題に限らず、対策が必要になります。以前の実物問題では、受験者全員に昆虫の抜け殻の実物を配布していました。そのため、事実上、出題対象が調達が可能なものに限られていました。現在はPCモニター越しの出題ですので、理論上あらゆる種の出題を想定できてしまいます。観察問題対策をするならば、セミ・ヤゴの抜け殻、鳥の羽根に限定せず、もう少し広い範囲で対策を考えたほうが良さそうです。ヘビの抜け殻、フィールドサイン、昆虫の幼虫、猛禽の飛んでいる姿、追星のある淡水魚、などなど。どこまで手を出すかは難しいところです。
生物分類技能検定1級
合格者数:
・哺乳・爬虫・両生類専門分野:5名 (前年1名)
・鳥類専門分野:7名 (前年1名)
・魚類専門分野:2名 (前年1名)
・昆虫類専門分野:4名 (前年5名)
・植物専門分野:2名 (前年1名)
・浮遊生物専門分野:1名 (前年受験者なし)
・遊泳生物専門分野:受験者なし (前年受験者なし)
・底生生物専門分野:1名 (前年3名)
合格率:
・哺乳・爬虫・両生類専門分野:55.6% (前年20.0%)
・鳥類専門分野:77.8% (前年33.3%)
・魚類専門分野:15.4% (前年14.3%)
・昆虫類専門分野:44.4% (前年71.4%)
・植物専門分野:18.2% (前年5.6%)
・浮遊生物専門分野:100% (前年受験者なし)
・遊泳生物専門分野:受験者なし (前年受験者なし)
・底生生物専門分野:100% (前年42.9%)
合格者の平均年齢:40.5歳
1級は受験者数自体が少ないため、数値の大小比較を何ともし難いのですが、過去統計を見る限り、毎回魚類専門分野のみ合格率が低めです。プロの世界は厳しい、としか言いようがない数値です。今回75歳の合格者がいらっしゃったようです (すごい)。
1級鳥類合格動画がなるみん大自然ちゃんねる (1次合格) (2次合格) より、1級昆虫合格動画がリード生物部ラジオより上がっています。受験される方には貴重な情報源になりうると思います。
その他の記事もご参考ください。