見出し画像

歴史能力検定日本史2級 合格体験記

セアカ(@seakasan)といいます。2024年11月に歴史能力検定日本史2級にチャレンジして合格することができました。わりと短期間で合格することができ、今後チャレンジする方の参考になるかと思い、合格体験記を書きたいと思います。

受験の動機と私のスペック

私は先祖調査が好きで、先祖調査に関連して系譜学・古文書・歴史などを学んでいます。特に歴史については、近世・近代史や地域史を読んだり調べたりすることが多いです。しかしながら、中学生以降、歴史を体系的に学んだ記憶がない状況でした。中学生の時に世界史を習った記憶があるのですが、日本史を習った記憶がありません。また、先祖調査業務は歴史的経緯により行政書士が行っていることが多く、歴史能力を強化、証明することが今後の役に立つと考えました。そこで、まずは歴史能力検定日本史2級にチャレンジすることにしました。

受験決意前のスペックは以下のとおりです。基本的に歴史は好きですが、まとまった知識は持っていませんでした。

  • 小学生のときに日本史を勉強してから、中学生以降に日本史を勉強した記憶はない。

  • 理工系志望だったので、高校生のときは地理を勉強していた。日本史はやっていない。

  • 暗記は得意なほう。

  • マンガ 日本の歴史は1度だけ1~15巻まで読んだことがある。

  • 歴史の本は多数もっているが、読んだり調べたりするだけで暗記しようと思ったことはなく、頭には入っていない。

  • 同様に古典・哲学系・宗教系(特に仏教)の本も多数もっているが、読んだり調べたりするだけ。

  • 古文書解読検定2級を保有していて、近世や近代の文章を読むことにそれなりに慣れている。

使った教材

勉強前の状況

受験を決意したのが10/19。外出の帰り道、たまたま歴史能力検定のWebページを見たら

https://www.rekiken.gr.jp/ より引用

とあり、1年に1度しかない受験のチャンスが目の前にありました。その足でターミナル駅の本屋に行ったら日本史の教科書が売っていました。衝動で教科書を買ってしまい、帰宅してその日のうちに受験申込みをしました。なんとなく1級は難しそうだと思い、2級を申し込みました。

しかし、11/9に古文書解読検定準1級が控えていたので、そっちが終わるまではあまり歴史の教科書を読む暇もとれませんでした。10/20・10/26に教科書を読み、10/31には問題集を入手しましたが、本格的に試験対策を始めたのは11/10以降でした。

勉強中の状況(勉強法)

11/9に古文書解読検定準1級が終わり、11/10にまず全級問題集の日本史準3級の古代を解いたのですが、準3級の時点であまりに難しく『申し込む級を間違えた』と感じました。正答率は3割程度でしたので、鉛筆を転がした程度の正答率でした。この時点でようやく、日本史2級に対してはほぼゼロベースのスタートであることに気付きました。

とはいえ申し込んでしまったし、1年に1回しか受けられないので『一生懸命勉強すればなんとかなる』と自分に言い聞かせながら勉強を進めていきました。

教科書1周目

短期集中での試験対策ですので、インプット中心で勉強をすすめました。注・図・資料なども含め、教科書の記載内容をすべて丁寧に読んでいきました。固有名詞や用語、重要箇所に線を引きつつ、『今何を読んでるんだっけ?』のように迷子にならないように、空きスペースにパラグラフのテーマを追記しながら読み進めました。また、章や見出しごとに3歩すすんで2歩さがりながら、記憶のチェックを兼ねて繰り返し反復しながら読み進めました。3歩すすんで2歩さがることで、教科書1周が3周分になります。

古代を終えた時点で、試しに準3級・3級・2級の古代の問題を解いたところ、この勉強法で2級まで手ごたえのある(2級の問題に6~7割程度正解する)レベルに達していることを確認し、とりあえずこの勉強法で中世の学習も進めていきました。中世の学習が終わったのが、11/15か11/16頃だったかと思います。正直このペースで受験までに仕上がるか怪しい状態でしたので、急ピッチで読み込んでいきました。近世・近代・現代まで終わったのは試験2,3日前の11/21か11/22頃だったかと思います。

また、古代・中世・近世・近代・現代をマイルストーンにして準3級・3級の問題を解いて理解度を確かめました。

教科書2周目以降

2周目以降は以下に取り組みました。

  • 1周目に線を引いた固有名詞、用語、重要箇所の斜め読みと、覚えきれていない部分の熟読

  • 事件や争いなどにピンクのマーカーを引き、政策などに緑のマーカーを引きつつ、出来事の前後関係や時系列を把握

  • 明らかに問われそうな人名などを書き取り

3周目以降は2周目までに線を引いた部分の斜め読みが中心です。試験前日の11/23に2級の問題を解いたところ(古代以外は初見の状態)、全体としては6~7割正答するレベルになっていました。文化史については暗記するところが多く、あまり覚えられませんでした。

試験から自己採点まで

試験日は早朝に起きて、試験直前まで教科書を通読していました。

試験がはじまり問題を解き進めていくと、意外に時間がなくて焦りました。とくに資料を丁寧に読む時間はあまりなくなってしまって、適当に答えざるをえない問題がありました。また、記述問題でも焦りました。2級では記述問題が5問出題されます。解答が公開されているので、雰囲気つかんで頂けると思うのですが、

  • 記述1問目;コウゴネンジャク、、、コウってどう書くんだっけ?

  • 記述2問目;ショウボウゲンゾウ、、、ゲンゾウってどう書くんだっけ?

  • 記述3問目;マナベアキフサ、、、マナベってどのマナベだっけ?

  • 記述4問目;ゴボウの掲示?ゴジョウ?ゴビョウ?あれなんだっけ?

  • 記述5問目;国民皆兵、、、さすがにこれは漢字が書ける

のように、答えには近づくのに漢字が書けない状況に陥りました。なので不合格を覚悟しました。

解答はその日だったか翌日だったかに公開されたかと思います。結局記述は1問しか正答できませんでしたが、なんとか64点で合格圏内となりました。

その後無事合格通知書をいただけました。

勉強時間

日本史2級対策の総勉強時間は71時間30分でした。仕事をしながら半月程度で対策しなければならず、一日の勉強量が多くなってしまいました。残業があっても勉強しましたし、土日祝は一日中勉強していました。身体的にきつかったし、決しておすすめはできませんが、以下は内訳です。

歴検日本史2級の勉強時間

勉強の効果

合格の効果というよりも歴史学習の効果ですが、、、

  • 高3の娘にある程度日本史を教えられるようになった。
    具体的にわからない箇所について、『教科書のこの章の右上あたりに書いてある』とか『それは注に書いてある』とか、記述箇所までわかることも多いです。
    また、私が線を引いた教科書が読みやすいとのことで、受験が終わるまで貸しています。

  • 古文書解読がはかどる
    例えばですが、村方三役(名主、組頭、百姓代)などは古文書に頻出なのですが、歴史を体系的に理解することで『あれってこういうことだったのか』と理解を深めることができました。
    本来は日本史を通史で学ぶ必要性はないですけどね。。。)

  • 1級を受けたくなった
    単に歴史が好きなので。早速日本史用語集一問一答を追加購入しました。

勉強に際して役立った関連知識

  • 地理や地名
    当然重要ですね。

  • マンガ日本の歴史や近世・近代史や地域史を読んだ経験や、博物館や資料館・お城へ行った経験
    歴史のおおまかなストーリーを知っていると、細かい歴史や前後の歴史にも納得感があり、頭に入りやすいですね。

  • 古典・哲学・宗教(仏教など)の知識
    これらの分野は日本史(とくに文化史)に関係していて、前提知識があるのは有利でした。

  • 古典や古文書の解読能力
    教科書の歴史的資料を読むのに、特に苦労しませんでした。古文書の写真の文字(くずし字)も読めました。

おまけ

使わなかった教材

娘が高3で『金谷の日本史シリーズ』を持っており、少し見せてもらったのですが、2級対策としては過不足ありそうでしたので、教科書のみで勉強をすすめました。

日本史2級の難易度

日本史2級のレベル感としては、共通テストや、標準〜準難関レベルの私大の日本史に近いと思いました。娘から過去問を見せてもらったり、娘からの質問を受けている中で、そのように感じました。

後続の方のご参考になれば幸いです。