風薫る
5/22
家に新しいソファが届いた!
オレンジ味のある茶色の革張りで、座り心地は硬め。畳とそう遠くない硬さなんじゃないかと思う。母の好みである。
5/23
歯医者から学校まで90分くらいで歩いて行けるらしい。
今日は授業には出ずに帰ってしまいたいなぁ、という憂鬱な気持ちの日だった。少し悩んでから、セロトニンに期待をして、すこし長めのお散歩をすることにした。
じりじりと紫外線を感じるような日差しだけれど、日傘を差してしまえば爽やかな風が心地良い気温である。木々がざわざわと揺れるのに合わせて、影もゆらゆらと揺れている。風薫る五月、という言葉を思い出した。
日比谷を歩く人々は、何か制約でも受けているのか、一様に生身でコンクリートジャングルを往く。こんなに日差しが強いのに、傘を差さないで歩くなんて辛くないのかな、というのがわたしの価値観である。
歩く道の至る所に警察官がいて、警戒態勢が敷かれているようだった。アメリカ大使館付近になるとそれが顕著になっていって、道路で検問がされているのを思わず凝視してしまった。警察官の制服や帽子やブーツは少しだけ暑そうで、やはり体力仕事なのだろうなぁと考えていた。
30分ほど歩いたところで、改めて今日は教室に行きたくないなと思ったので、最寄りの駅から家に帰ることにした。
5/24
ゼミで渋谷区立松濤美術館へ行った。今開催中なのは「SHIBUYAで仏教美術」展、奈良国立博物館の収蔵品を東京で公開するという展覧会である。
あまり大きな美術館では無いということを逆手にとって、凝縮された仏教美術史を概観することができる構成になっていた。
国宝の《辟邪絵》が目玉で、もとは一続きの巻物を切り取って作成された5枚の掛け軸が、今回全て松濤美術館に貸し出されているのだという。後期は「鍾馗」と「神虫」の展示がされていた。めっちゃ怖い鬼と化け物が小さな鬼たちを蹂躙している図は、正直なところホラーを感じた。
仏教美術には明るくなかったのだけど、地蔵菩薩立像のふくふくとして穏やかな顔立ちや、像が背負っている輪と足元の雲の繊細な彫刻がよかったなぁと思った。
初めて1人でコメダ珈琲に行った!
サンド系のメニューも食べてみたい気持ちもあったけれど、噂のボリューミーなやつらを食べ切るのに心配があったので辞めた。クロネージュとミルクコーヒーを頼む。
最近、ブラックも飲めるようになったのだけど、わたしは元々甘いカフェオレを好んで飲む。頼んだミルクコーヒーは予想以上にミルクが強めで、これもまたよし、という感じだった。
クロネージュは温かいバームクウヘンにソフトクリームが載せられていた。シロップをかけて美味しく頂いた。
懺悔。バイト後にの深夜に、ついコンビニへ寄って和風パスタを買ってしまった…しかも大盛りである。
人間、「魔が差した」という表現に責任転嫁をしても仕方がないけれど、たしかに、後から考えると正気でなかったに違いないので、魔が差したと言うしかない。
23時に『バスターキートンの探偵学入門』という白黒のサイレント映画を観ながら食べた。罪の味、おいしいなーー。
5/25
昨晩の大罪について計算すると、今日分の摂取カロリーの3分の2近くを既に胃に入れてしまっていたのだった。体には良くないけれど、朝はコーヒーだけ、お昼はサラダチキンを食す。
原田ひ香の『ランチ酒』を読んだ。この本の魅力は、主人公の「見守り屋」という職業と、それをめぐる人間模様にもあるのだろうけれど、わたしはなんといっても食べ物と酒の描写が素敵だと思った。美味しそうなことはもちろん、「ランチ酒」をする主人公の心情を浮かび上がらせる重要な因子にもなっていた。お腹が空く。
夜はマレーシアに留学中の敬愛する友人とZoomをした。1ヶ月ぶりである。彼女はなんだか気が滅入っている様子で、いつも美味しいものと勉強のことを溌剌と話す彼女にしては珍しかった。詰め込みすぎて疲れているのか、わたしに愛想が尽きたのか、わからないけれど、帰ったらまたお出かけしようねぇと未来の約束をいくつか取りつけておいた。
5/26
今日も文句を言いながら一限の授業へ向かう。
紫外線とキリスト教と唱歌教育の授業を受けて帰る。
帰ってからまたオンデマンドの授業を受ける。中世のキリスト教徒たちはエルサレムに行くことが困難だったので、地図に聖地を書き込むことで心の巡礼をしていたらしい。人間はどうしても神様との繋がりを体感したいのだろうなぁ。
5/27
朝から雨が降っていた。雨かぁ、と思いながら一限の歌舞伎の授業を受けていたら、「ダブルポイントです」と、先生が出席点を2倍にしてくれた。
バイト中に突然気分が悪くなってしまい、話せなくなってしまった。下しているので胃腸系の不調であることは間違いなく、吐き気を紛らわせるように感染性でなければいいなぁとか宙に浮いたことを考えていた。中断したクラスの生徒には申し訳なかった。ボスが寝室を貸してくれたり、白湯を出してくれたり、なんと家まで送ってくれたりした。バイト先に恵まれている。生まれて初めて白湯が美味しいと思った。
5/28
体調は戻っていたが、今日のバイトは休むことにした。出先でまたああなったらどうしよう、という不安でいっぱいだった。テスト前の中学生たちよ、すまない。
バイト先は小規模な私塾なので、数学を教えているのはわたしだけなのである。だから代わりはいないし、クラスをお休みにしたら振り替える必要があった。そうならないようずっと気を張ってきたのだけれど、3年目にしてとうとう休んでしまった。
こうなったら心ゆくまで眠る!
5/29
暑すぎて無理!
お昼ごはんは揖保乃糸の冷麦で、夜ごはんはサーモンのお刺身だった! さっぱりしていて、とてもよい。
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