回想 メランコリー
5/15
18時。日曜日の18時に家を出る。今日は1コマだけバイトがある。
今日初めて見た空には墨に浸された雲がどんよりどんみりと敷き詰められていて、今にも雨が降り出しそうな様子。「どんより」という言葉は何に由来するのだろうと思って調べたけれど、まだインターネットの記事にはされていないようだった。曇寄り? うーん。
街中はまだ明るくて夏の近づきを感じる。涼しい。歩いても汗をかかない気温が一番好きだし、よく眠れるのだ。
10日ぶりに日記を書いている。この10日は日記の代わりに、いわゆるダイエットアプリに食事の記録をしていた。
ゴールデンウィークが明けてからというものすっかり五月病で、日々がだるく、気分も落ち込み、文章を書けば呪いの言葉を生んでしまいそうなのだった。今日は多少気分が晴れたので、思い出と思うことを書き散らしていく。
段々鬱になっていくので、嫌な人は読まないでほしい。
5/6
授業、のちバイト
お昼兼夜ご飯を健康志向の和食屋さんで頂く。平日で時間帯のせいなのか、おばあさま方しかおらん。鰹の漬け丼も美味しかったけど、デザートのアーモンドミルクプリンきなこアイスのせがとっても美味だった! あれを食べるためだけにもう一度か二度か三度行きたい。
夜、少し湿った空気に夏みかんの花の甘い香りが満ちていた。夏だ。
5/7
母と駅のモールへ出掛ける。
淡いブルーグレーのブラウスに一目惚れして、また服を買ってしまった。袖にはフリルが付いていて、色も生地も軽くてシンプルなのがとても可愛い。正直、自分が着たいというよりも、飾って愛でたい服の分類に入る。あとはこの可愛さに似合う人間になりたいなぁ、と。
夜ご飯は地下のお惣菜屋さんで買った。贅沢です。真鯛と帆立カルパッチョ、アボガドとバジルのサラダ、そして冷凍庫にあった甘エビの押し寿司に日本酒を開けた。銘柄とか記録しておけばよかったな。甘口で飲みやすかった。
5/8
七月隆文の『100万回生きたきみ』を読む。
特に考えることもなく、昨日本屋さんで手に取ったものだった。けど、今考えると、ラブストーリーも生まれ変わりも神話もわたしの好きなものではないですか。
別方向から見たら狂気にもなりうるような、ひたすらに一途な愛を長い時間貫き通すというところに、あたたかさと苦しさを感じて心臓がぎゅっとなる。
『文句の付けようがないラブコメ』も好きだし、ヨルシカが好きなのもそのせいなのかもしれない。
生まれ変わりってものすごく宗教的な題材だから、神様の存在が必要だよねって思っている。これは主観。
5/9
美術史の授業はヴィンケルマンについて。
「神々や英雄たちの表象は可能な限りすべての在り方で造形されていたから、新たなものを考え出すのはもはや不可能であり、残されているのは、ただ模倣の道だけであった」
1764年とかの本だけど、わたし、それと似たのを聞いたことあるな、と思っていた。
「客観的な事実だけなら、現代の音楽作品は一つ残らず全てが盗作だ。…メロディーのパターンもコード進行も、とうの昔に出尽くしている。」
わたしの思考はつくづくヨルシカに引っ張られる。というか、それをきっかけに物事を考えたことが純粋な数としてたくさんあるから、シナプスが繋がりやすいのかなと思う。芸術の授業を受けていると、ピンとくる言葉を何度も耳にする。
5/10
5時に起きて、ストレッチと筋トレをして、お弁当作って、朝ごはん食べて、着る洋服決めて、メイクして髪巻いてピアスとネックレスつけて、靴磨いて家を出発するわたし、えらすぎ
というのはこの日のツイートです。
何回見ても偉い。
だけど同時に、これくらいのことは普通で、周りはもっとレベルの高いところで生きているのだと考えていつも落ち込む。
学校に行くだけの普通のことを「偉い」とわざわざ口にしているのは、本当はそうではないと捉えてしまっていることの裏返しだとわかっている。
空を見たら飛行機雲が長く尾を引いていた。雨になるかな。
明日が期限のレポートをまだ書くことが出来ないでいた。隕石が落ちてこないかな、とかしょうもない願望を抱いて寝る。
5/11
授業をさぼる。気分が落ち込んでいる。
勉強をしたくて大学に入ったのにどういうつもりなんだ、に対して、自分の存在に自信が持てないので勉強どころではないというような言い訳ばかり考えている。
でもレポートの提出期限はやって来るので、仕方なく借りてきた本を開いて、本文を書き始める。2400文字書いても、内容の薄さたるや。
レポートを提出してから、来週のプレゼンテーション用の本も読む。本当に準備が遅い。
5/12
1限の日である。
授業は面白いけど、早く帰りたい。
死ぬ前にオランダのマウリッツハイス美術館に行きたいと思った。
帰ってからもオンデマンドの授業を視聴した。ものすごく眠りたいのに内容が面白い。悔しい。本の続きを読む。やることがずっとあるので心臓もずっとひやりとしている。
5/13
1限の日である。履修の組み方が下手だなぁ。
映画の授業で、サイレント映画のスラップ・スティック・コメディを見た。バスター・キートンの映像の疾走感と現実ではないような展開がとても軽快で気味好い。
先生によると命懸けで撮影していたらしい。そうですよね、自転車のハンドルに乗りながら走るトラックの上を渡ったりするの、さすがに命懸けの規模ですよね!
バイトも金曜日も終わったので、羽目を外してストロングゼロを飲んだ。
5/14
そしたら頭が痛い。二日酔いです。
なんだか今日もバイト! テスト前の子が自習に来ていて、色々と質問している。偉いねぇ!
1日何も考えずに眠れたらいいのに、そうすれば回復するのに。次にお昼寝が出来そうな日はまだ遠い。
客観的に見て何も苦しくなる要素なんて無くて、特別忙しい訳でもないのに、1人で息切れしている。
全部5月のせいになるかな。
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