4/17~19 胡蝶の
4/17
幼い頃に悪夢を見るというのはよくあることらしいが、20歳になってもなおよく変な夢を見るなぁという自意識がある。
起承転結をはっきりと記憶している時もあるほどで、わたしの人生において夢の存在はかなり大きなウエイトを占めている。それこそ夢の中の世界は別の人生であり、現実は向こう側から見たら夢の世界なのではないかと考えたこともある。わたしの夢はへんてこで、時にサスペンスのようであり、時に真綿のように優しいのだ。
夢の中でなら、わたしは空を飛んだことがあるし、無重力を経験したことがあるし、刃物で刺されたことがあるし、溶岩に押し潰されたこともある。憧れのアーティストに会うこともあるし、AIに命を脅かされそうになることも、コンサートなのに暗譜と練習が間に合っていないことも、今は会えない人と抱擁することだってある。夢という別の世界での経験は、現実では出来ないものばかり。書き残すことでこの体験を保存できないかと思っているのかもしれない。
もしくは、現実世界には必要のない経験や誰とも共有できない記憶を大事に心にしまっておくことで、変な人間を気取っているだけなのかも。
4/18
2日ぶりに外へ出て、川辺の桜がもう全て緑の葉に覆われていたことに驚いた。青臭い匂いがして、草刈りされていることがわかった。緑は5月の色。季節が巡るのがはやい。
サークルと学科が一緒でとってもフレンドリーな友達がいるんだけど、他の子と一緒にいる事が多くていつも声をかけにくいな、と思う。思いつつ声を掛けると喜んで抱きついてくれるので、ほんとうに人たらし!
お昼はピスタチオとホワイトチョコのベーグルを少し喉に詰まらせながら食べた。BAGLE & BAGLEは種類がたくさんあって買う度に心が踊るのに、結局いつも同じものを選んでしまっている気がする。悔しい。
帰りが思ったより寒いし、また雨がぱらつき始めている。「ぱらつく」という言葉以上に、雨の降り始めの傘を差すか差さないか悩みながら、大きめの雨粒がひとつ額に当たるという様子を表せる言葉があったら教えてほしい。なんだかチープな響きのくせにお前以上の適任がいない!悔しい。
夜は海の向こうの親友とzoomをした。お互いプレゼン前夜だったので1時間と決めて始めたのだけど、想像以上にあっという間だった。近況報告をして、お互いが勉強していることを話した。彼女の話はいつも面白くて、平たく言うと勉強になる。
民俗学とか哲学、芸術といった人間の営みの中で、今更になってやっと言語化された(されようとしている)偏りというものに、わたしたちはとっても興味がある。ジェンダー、オリエンタリズム、プリミティビズム、途上国と先進国。今あげたものだってなぜカタカナばかりなのだ?というところから考える必要がある。
たとえば西洋で提唱されたものを先行研究として取り入れる風習があるのだろうか、などと考えてみるけれど、これはあまりにも浅はかである。そう、わたしは浅慮なので話をすり替えますが、実の所、概念に名前をつけるということの便利さに慣れてしまって、わたしはその中身をちっとも理解していなくて、それはわたしだけではなくて世界の人も同じなのではないかと考えます。ラベリングは多様性を認めることを邪魔しているんじゃないか。例えばLGBTがどんどん長くなっていくように。名前を付ける度、溢れたもののためにまた名前をつけなければいけないし、人は全てを何かに帰属させようとしてしまう。今思ったけどLGBTは円周率なのかもしれない。
彼女は大学で得た知識という眼鏡をかけて世間を見て、自らの言葉と解釈をわたしに伝えてくれる。あたりまえだという人もいるかもしれないけれど、そういうことを実践できる人はすごいと思う。
長いこと書いていたら目が痒くなった。
4/19
1限の日。少しだけ朝に慣れてきて、今日はお弁当を作った。
変体仮名を読む授業で、ノートを意外にも綺麗に作れたことが嬉しい。自分の字が好きになったり好きじゃなくなったりするので、定期的にペン字練習帳の購入を検討しているが、どうせ続かないだろうなと思って買っていない。
今日のプレゼンテーションは、場所が違うこともあってか先週よりも死にそうにならずに済んだ。それよりもその後にゼミの先生と2人きりで研究室まで行った方が心臓に悪かった。なぜでしょう?
リニューアルされたリプトンのロイヤルミルクティーをやっと飲んだ。ロイヤルミルクティー特有の苦味を警戒していたけれど、それはなくてまろやかで美味しかった! 甘いものが欲しい時にぴったりかも。
あまりにも自分が狭量すぎて絶望している。今日思ったことが何かの悪口ばかりで、打ち込んで、消してを繰り返していたら日付を超えてしまった。そんなことを気にしていたので、今日の天気について何も話すことが出来ない。月を探すこともしていない。
今日は何の夢を見るんだろう。
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