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小中学校の「歯磨き指導」講師依頼といっても複雑な手順がある



はじめに


私が住んでいる地域は平成の大合併により7町村が一つになりました。
これは合併の前の話です。
当時人口5000人規模の町で小学校2校・中学校1校でした。(各学年1~3クラス)
歯科衛生士(以下DH)は、学校や教育委員会等から直接依頼がきます。もし、担当の学校歯科医に勤務しているDHが引き受けてくれればよいのですが残念ながら勤務しているDHはいないようでした。歯科に関することですから近隣の町では歯科医自ら講師をしている先生もいらっしゃったようでした。地域の歯科医師会の中に学校保健委員という部署があるようで、どうなっているのか伺いましたが、ただその部署があるだけのようで学校と教育委員会、養護教諭、町の健康保険福祉課の保健師などと繋がってはいないようでした。県の歯科衛生士会にそのことを報告したのですが、進展はありませんでした。学校の歯科保健指導はあまりにも重要視されていなかったのでした。というか「かかりつけ歯科医院に行きましょう」というスタンスでした。

学校ではこんなことが


私に依頼する前に学校では「外部講師を入れたい」などの養護教諭からの提案があり、職員会議からの教育委員会への打診、認められれば報酬等決まりこちらに依頼が来るという手順があるようです。
私はすでに何年も前から町の乳幼児健診の仕事をしていたし学校に子どもが通っていたのでスムーズにいきました。

具体的にどのような指導に


小学校全学年又は単学年、復学年、またそのクラスごとなど、毎年同じ依頼がくるとは限らず、養護教諭が変わると指導内容の希望が変わったりします。
クラスごと、学年ごとでも、歯垢染色する、しないなどと授業時間(45分)の内容も変わります。
毎年全学年クラスごととなると、昨年指導した続きとなり、初めての指導とは異なるので、いつもそれに備えて色々なパターンを考える必要があります。

資料作り・プレゼン準備


保健学習で学年ごとの学習指導要項や、各学年の教科書をチェックし、プラス歯科衛生士による歯科保健指導の資料 楽天ブックス: 新歯科保健指導ハンドブック - ライフコースに沿った歯・口腔の健康づくりの展開にむけて - 公益社団法人 日本歯科衛生士会 - 9784263423295 : 本などをもとに授業内容を考えていきます。
近頃はパワーポイントでプレゼンの形をとるケースが多く、パワーポイントの資料の作り方から勉強しなければならなくなりました。しかし一度作れば後からの修正が容易にできるのでよい方法だと思います。

打合せ


また、保護者参観で保護者が交じるケースもあります。
どんな場合にも備えるために、前もって指導の内容(案)を学校に提出し、先生と事前に授業内容の打ち合わせをします。学校側で用意してもらうもの、児童に用意してもらうものなどが確認できます。先生はお手紙で児童に当日用意してもらうものを渡します。(でも、必ずといっていいほど忘れる子がいます)
染出しを行う場合は水場がある教室に移動してもらいます。(調理室・図工室など)

報酬は教育委員会が決める


私の場合、報酬は毎年同じ、交通費は出ません。パワーポイントで資料を作る時間や手間や事前の打ち合わせに関してはもちろん報酬が出ません。
報酬額は書きませんが本当に微々たるものと言っていいかと思いますので期待してはダメです。交渉してもいいと思います。

ノートパソコンを持参


パソコンとプロジェクターの相性の悪いものもあるので自分のパソコンで無事に映せるのかチェックが必要です。前はプレゼンの資料CDやUSBを持っていき学校のパソコンを使わせてもらいましたが、ウイルス感染の危険性から近年では自分のパソコンを持参しています。あと電子黒板というものを使う学校がありますが小さいプロジェクターのようなものなので後ろの席で目が悪い児童・生徒は見えない可能性があります。
小学生はまだ習っていない漢字や知らない言葉がたくさんありますので、プレゼンの資料作りや説明する言葉も選ばなくてはいけません。

教科書にはない注意事項(これ意外に大事)


あと、ご両親揃っていない児童の配慮も必要です。例えば「おうちでもお母さんに仕上げ磨きをやってもらいましょう」などはダメで「おうちの人に」が正解です。

さあ、授業開始!


45分授業といっても、教室移動をして、礼をして、講師紹介すると5分は過ぎてしまうので、常に時計を見ながら進めていきます。
6月ともなると次の授業がプールだったりするので子どもはウキウキで最後の方は集中力に欠けることもありますが、毎年の反省でもあります。後片付けは超スピードでやってくれるか、養護の先生と私が残ってやる場合もあります。自分も残ってやったほうが養護の先生と色々なお話ができますし、校長室でお茶をご馳走になることもないです。

次年度に向けて

次年度、先生が転任し、引継ぎの時にDHの講師を毎年頼んでいるのが伝わっているようで、もう25年目となりました。転任先でまた一緒になった先生が定年退職となる年には挨拶にきてくださったり、お手紙を頂いたりすることも。

コロナで一変してしまい、外部の人が学校に入れなくなった年もあり、実習ができない、マスクが外せない異常事態となりました。

最後に

次回からは学校とのやりとりである各学年指導内容案や終わってからの指導報告書、具体的なプレゼンなどを掲載したいと思います。

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