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「いい歯」の投資(投歯)始めよう



歯科衛生士になった私


来年還暦と同時に歯科衛生士40年となる私の「いい歯のために」何をしてきたのかのお話です。
今、ご自分の歯は何本ありますか?お子さんの乳歯、永久歯の数すぐわかりますか?そもそも乳歯、永久歯って全部で何本?これって小学校1年生の保健の教科書に出てきます。
               
高校2年まで幼稚園の先生になると決めていた私が歯科衛生士の道へ。
理由はバブル真っ最中、父が経営していた外車販売業のお客様に歯科医が多く「歯科医は儲かるらしいから歯科関係の仕事に就いたらいいんじゃないか。」と安易な考えからだった。
                
理系が得意だった私は2年間の専門学校の成績はよかった。しかし、実習先では歯科医院でバイトをしている友達とは雲泥の差だった。
卒後は大きな病院の口腔外科で無報酬で1年間勉強させていただいた。その後歯科医院へ就職が決まった。そこでは芸能人も来院する歯磨き指導を担当する今でいう予防歯科。なので担当している患者様がテレビに映ると口元がどうしても気になる。いつも歯ブラシ、デンタルフロスは箱買いのPさん。
自分のスキルがどこまで通用するのか後になって歯科衛生士の業務の一つである「歯科保健指導」(予防歯科、ブラッシング指導)専門の道へのステップとなった。
                

ジェネレーションギャップ


結婚と同時に県内No1の高齢化率の田舎に引っ越した。36年前の義母や義父は歯磨きに興味がないらしく、歯医者は痛くなったら行けばいいとの考えで歯磨きもお出かけする時だけ磨く、歯ブラシ交換はお正月のみ、歯ブラシは夫婦兼用と言っていたのが衝撃的だった。というかひっくり返りそうになった。(今では90代になったが歯科医院へ定期的に行っているし歯磨きも上手になった)
                 

フリーランスの歯科衛生士となる


30年前の子どもの3歳児健診時に衝撃的な出来事が。他のお子さんを見るとみんなむし歯だらけ、おまけに待っているときに甘いお菓子を食べたり飲んだりしている。たぶんこんな光景は都会ではありえない。勤めていた時の小学校の歯科検診ではむし歯がある子は珍しいぐらいのレベルだったからだ。
そこから一気に歯科衛生士魂に火がついてしまった。いち保護者でありながらそこにいた保健師さんをつかまえて「なぜ健診時に歯科衛生士がいないのか」と余計な事を言ってしまった。保健師さんも歯科衛生士の必要性を感じておられたようで、私も3人の子どもの健診で保健師さんとも顔なじみになったある日「隣町で健診時の歯磨き指導をしてくださる歯科衛生士さんを探していたのでどうですか?」とお誘いがきた。

そこから隣町だけでなく、自分の町でも乳幼児健診、母親教室、とフリーランスの歯科衛生士として出向くようになった。保護者の方は皆さん熱心で私にたくさんの質問をしてきます。今の仕上げ磨きは間違ってないか、歯並びの話までたくさんの不安があります。
その後自分の子どもの成長と共に保育園・幼稚園・小中学校まで指導の授業をすることになります。
                 

保育園の3歳では

自分では上の歯をうまく磨くことができません。歯ブラシの持ち方動かし方から練習します。あと歯磨きが大好きになってくれるように私が作詞作曲した「はみがきれんしゅうのうた」はみがきのうた(幼稚園・保育園)でみんなで楽しく歯磨きしたり、エプロンシアターというエプロンを絵本に見立てたお話をして、楽しくむし歯予防に向けての第一歩が始まります。

手作りのエプロンシアター
歯磨きしないで夜寝ると・・・
むしばいきんがたくさん!!!
幼稚園での指導

「はみがきれんしゅうのうた」はのちにYouTubeにもアップし先生方の予習用に観ていただいておりましたが現在5万回視聴されております。
昔私がなりたかった幼稚園の先生(講師ですが)になれたことは夢が叶った嬉しい瞬間でした。
                 

小学校では

授業参観形式なので保護者も参加、授業が終われば質問攻めにあいます。
小学校の6年間では乳歯から永久歯に生えかわる大事な時期なので永久歯をむし歯にしないという大事な使命感に燃えておりました。高学年になるとクラスで何人かは上手に磨けている児童がいるのですが、あとの児童はまだまだ・・・自宅から小学校まで徒歩2分のこともあり、コロナ前までは給食後の歯磨きをのぞきに行っては歯磨きアドバイスをしていました。
ある日、保護者参観で声をかけてくれたお母さんがなんとご自分が小学生の時に私の授業を受けた方で「大人になってもむし歯なくきています。子どももしっかり磨けるようになってほしい。」と。
仕上げ磨きっていつまでやるの?の質問には「子どもが自分一人で完璧に磨けるようになるまでやってください。または見守ってください。」
歯科医院で定期的に診てもらうのが一番かと思います。
                

中学校での最初の問いかけ

「みなさんは毎日何の為に歯を磨くのですか?この授業の最後に同じ事を聞きますので答えを出しておいてくださいね」と言って授業が始まります。答えの多くは「むし歯や歯周病にならない為に歯を磨く」との答えですが間違ってはいません。でもそれプラス「未来の健康のための貯金」なのです。
中学校での授業終わりに玄関でお見送りにいらしたある先生が「私は歯に自信があって、生まれて一度も歯医者に行ったことがないんです。子どもたちもです。」と自慢げにお話しされていたので、一緒に授業を聴いてほしかったなと心の中で叫びました。私ぐらいの年齢層はそういう教育を受けていなかったということになります。
                

20代~の歯磨き


特に女性の方は結婚前に歯科医院で歯の健康診断を。結婚したり妊娠子育て中は歯科医院へ行く機会がどうしても減ってしまいます。そこで、しっかりブラッシング、デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助道具の使い方をしっかり学びましょう。歯科医院へGOです。
                                                          

老人クラブに招かれて

「いい歯でいきいき人生を」というタイトルでお話ししたことがありました。70~80代の方々。講演後のアンケートでは予想よりはるかに入れ歯の方が多かったが「自分の歯で食べるのが一番いい」「入れ歯が合わない」などの感想が大多数。歯周病の話をしてもピンとこないわけで、「私が幼稚園や小学校でこんな話をしている」の方がおじいさんおばあさん目線でよく聴いてもらえたような。
                

おばあちゃんになった私

ここまで読んでいただけば日本人の死因に多い誤嚥性肺炎にならない為にも、どうしたらよいか方向性が見えてくると思います。
私もおばあちゃんになり、今はお嫁さんの質問責めにあっています。お嫁さんに対して決してでしゃばらず、質問に答えるようにしながらもちょこちょこ嫌がられない程度に一言アドバイスをしております。でも今のお母さんってすごく知識が豊富。私も勉強になりますが、色々な情報が入りすぎて何が本当なんだかわからない時があるそうです。そんな時にはプロフェッショナルな歯科医、歯科衛生士を頼ってはいかがでしょうか?
                
私は歯科衛生士になって本当によかった。
皆さんもっと歯やお口の中に関心を持って健康になりましょう。

#いい歯のために


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