『ちいさな一輪挿し』
ちいさな一輪挿し
花瓶にいけた花たちは毎日をそっと彩ってくれています
そろそろ名残惜しくもさよならかなと思う時
まだまだ元気に咲く花やひとつだけある蕾
このまま残してはあげられないけど、ひとつひとつを小さくとって
もう少しだけ楽しむための一輪挿しのシリーズです
「ちいさな一輪挿し」と題して作っている一輪挿しシリーズ
今までの制作の流れを一度まとめてみようとnoteに書き出してみました
・きっかけ
・はじめのころ
・ちょっとして
・それから
・このあと
と制作過程をふりかえるようにつらつら記していますので
ちょっとだけ制作の後ろ側を覗いてみてもらえたらな、と思います。
それでは!
はじまりはじまり〜〜
-----きっかけ-----
祖父母と一緒に住んでる家には、祖母のお友達が時々畑からお花を持ってきてくれます。もらった花は玄関に置かれた花瓶に祖母がいけてくれるのですが、やはり日が経ってくるとだんだん元気がなくなってしまいます。
花の色がくすんでくるとそろそろ終わりで、花瓶から取り出されるのですが、束で出てくる枝の先にはまだ色褪せてない花や、咲きそうな蕾がときどき見受けられました。でも、ほとんどはもうさよならの状態なので、「もったいないな」と話しながらも花瓶は空っぽになるのです。
枝で残せそうな時はその部分を切り取って、ジャムの空き瓶やちっちゃなガラス瓶にいれたりしていたのですが、一輪だけ残すにはどれも大き過ぎてぴったりのものがありませんでした。
私はそんなに・・というか、ほとんど花に詳しくなくて、世話もろくにできなくって、それなのに捨てられる時だけ「もったいないな」なんて思いはあって。
花のことをろくに知らない私でも、もったいないなと感じるなら
花が好きな人たちも同じように感じてるんじゃないだろうか・・
そんな気持ちから
『一輪のためだけ
ちいさな花のためだけの』
一輪挿しの制作を開始しました。
◎◎はじめのころ◎◎
花のことなんにもわかってなかったけど、主役は「花」なんだから
主役がいきるように、あくまで脇役として・・
そう思って色数はあんまり使わずにシンプルな形のものをどんどん作っていきました。もともと、『ちいさな花のため』と決めていたので、サイズ感も道に咲いてる雑草なんかにぴったりのものを意識していました。
色のムラも、なんだろう・・
\\ザ!陶芸!//
とでもいうような、肌に伝わるつちものの良さというか、雰囲気というか
そんなものが多かった気がします。
でもまだ明確にどんな雰囲気にしたいのか自分でわかっていなくて
ぶれっぶれだったような・・この時のものもすきなんですけどね
◎◎ちょっとして◎◎
そのあとはちょっと色を増やしてみたり、口の直径を意識しはじめたりしていきました。
私の中で一輪挿しのイメージは、絵に描いたように花が中心にまっすぐ挿さっているイメージだったのですが・・・
いざ花を挿してみると、口の直径と茎の直径がしっくりこなかったり、でも細くしすぎると水が出しにくかったり『ちいさな花』をひとつだけ、挿してみてから発見することがいろいろあって、どうしたものか・・と
思いながらもどんどん作っていきました。
どうしていこうかと思いながらも手を動かすと
どんな雰囲気で作っていきたいのかが、ちょっとづつ、自分のなかで整理されていってる気がしたし、なにより窯からでてきたちいさな姿はどれもこれも可愛らしくてすきでした
そして、この頃から「スマートさん」「オシャレさん」と自分のなかで振り分けを始めました。
◎◎それから◎◎
片手で包み込めるほどの一輪挿し、そこにいろんな模様や表情がはいっているのはやっぱり可愛くて、はじめのころは「花」が主役だからとしていたものの、一輪挿しが主役に・・主役とまではいかなくても、その次の次くらいまではなってもいいのかなと思いはじめました。
思い始めたものの、やっぱり主役をいかしたいという思いも強くて
花の鮮やかさを柔らかく支えるような色合いの中、どこかワンポイントがあるようなそんなデザインを頭のすみっこに意識しつつどんどん作っていきました。
それと「スマートさん」「オシャレさん」と振り分けていくと今度はひとつひとつに名前をつけていきたくなって、・・分類分けが好きなんですかね。
窯からでてきた第一印象で名前をつけ始めました。
ひとつひとつ違うんだけど、名前をつけたら、なんていうんだろうか、ひとつひとつが自立する気がするというか、存在がはっきりするというか、うまく言えないけれど直感で名前をつける作業もすきな作業です。
◎◎このあと◎◎
手で包み込めるほどちいさなサイズも、可愛らしくてすきなのでこのあとも
作り続けていきますが、手のひらに乗るくらい、今までよりも少しだけおおぶりなサイズも作ってみると、これまた可愛いものが出来たのでサイズも徐々にバリエーションを増やしていこうかなと思っています。
ざっくり振り返ってみるとはじめのころに比べて、どんどん出したい雰囲気がまとまってきたなぁと思いました。
それと、花に対しても興味の持ち方が変わってきたのを実感します。
花をもらうと素直に嬉しいと感じるようになりました。
歩いて見かける花も名前が気になるようになりました。
これからも、ちょっとだけ生活に彩りを添えてくれる一輪挿しを作っていければと思います。
おしまい!
2020.5 田井昭江
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?