ワーファリンの調整
ワーファリンの調整のアルゴリズムについて調べてみたところ、あまり確立した基準はないようです。そこで様々なブログを参照して、個人的にやりやすい調整法を考えてみました。
基礎知識として、ワーファリンはビタミンKに拮抗することでVK依存性凝固因子であるⅡ,Ⅶ,Ⅸ,Ⅹ("肉納豆"と覚えましょう)を阻害することで抗凝固作用を発揮します。
抗凝固療法の適応となる病態は、心房細胞や塞栓性脳梗塞、静脈血栓などの静脈性ないしうっ滞性血栓です。動脈血栓は抗血小板療法の適応で厳密に区別されるので注意しましょう。
最近はリクシアナなどのDOACという、用量調整不要の抗凝固薬もありますが、腎機能低下の患者では原則禁忌となります。
一方ワーファリンは古典的な薬で、定期的なモニタリングと用量調整が必要になります。今回様々なブログを参考に便利な流れを以下に示してみました。
①初期投与量は成人2mg、高齢者1.5mg、外来導入1mg~開始する。
②調整期は1週間おきにPT-INRをモニタリングする。
③目標値は70歳未満2.0~3.0、70歳以上1.6~2.6、透析患者2.0未満とする。なおそれぞれの病態に推奨値があればそれを優先する。
④目標値より0.5以内のズレは投与量の10%量を増減する。目標値より0.5以上のズレは15%量を増減する。
⑤安定期にはモニタリング間隔を最大1か月まで空けられる。
今回の肝は②と④です。1週間という分かりやすい間隔、また計算しやすい変更量を設定してみました。④に関しては、前者を0.25mg刻み、後者を0.5mg刻みと理解して≒です。基本は0.25mg刻みで調整している方が多いようです。
DOACは便利ですが、腎機能低下している際に使用できず、また薬価が高いようです。
例えばワーファリン3mgであれば概ね30円/日。リクシアナ60mgであれば概ね400円/日。1か月で計算するとその差は10000円超となります。
普段の診療で経済的な事はあまり考えてないですが、無視できない額だなと思いました・・・
以上がワーファリンの用量調整についてでした。個人的見解なので、引用はなしでお願いします。
みなさんのおすすめのアルゴリズムがあれば教えて下さい!では。