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目をひらくと ホクロ一つないなめらかな背部が 飛び込んできた 肩甲骨が綺麗に浮かび上がり 腰にかけて美しい逆三角形が フリーハンドで描かれている 薄暗いバスルームで シャワーを浴びる男性の身体を 生まれて初めて目にしたとき 「ダビデ像だ」 と感嘆の声をもらした日を 唐突に思い出した 毎日のように描き続けたダビデ像は 頭部しか馴染みはなかったけれど いつか全身をデッサンしてみたいと 当時の心が疼きだす たまらずその一番広い部分に左手を当てる 堅い筋肉を覆う一切無駄のな