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「白い嘘」 相手を思いやる 優しい嘘 見えていた現実は 真実のように映る 仮想な真実 *** 仮想世界の中心である 大きな大きな城 その城と城下町を結ぶ 長い長い橋を ただただ ぼんやりのんびり渡っていた ゲームストーリーも中盤に差し掛かったところ お城に住むこの世界の「勇者」に出会うため 玉座に向かう途中だった >> 良かったら 橋の真ん中で、唐突に呼びかけられるチャット >> フレンドになりませんか? 振り向くと 銀色短髪で長剣を肩に背負った 青年
現実の自分を脱ぎ捨てて 仮想の自分に着替える 気軽に外出すら出来ない ”特別な”立場の人にとって 本来の自分に気付かれずに 仮想世界で新しい自分を演じ切ることは どんなに新鮮で楽しいものかしら ***
淡い光の低い日差しに向けて スマホをかざし写真を撮った 画面は優しい光で真っ白にあふれた プロフィール編集から 画像をそれに入れ替える すると この季節の吐息のような 真っ白なアイコンが 出来上がった ***