忘れられた打ち上げ花火:第13話 「あなたの二番目にしてください #5」
想いがすれ違っていたね
声を掛ける勇気がなかったのよ
心から幸せになってほしいって
思える人に簡単に
巡り逢うことはないから
「応援してる」
握っていた手をゆっくり離すと
振り返らずに改札を抜け
新幹線に乗り込んだ
***
会場の外に出ると
ひんやりと涼しい風が
火照った頬をそっと和らげてくれた
新幹線の時間まであと2時間ほど
初ライブの余韻を語り合うと思って
最終列車を予約していた
あなたはさっとスマートフォンを取り出して
何かを急ぎ打ちこみ確認する
「公園