泣けなかった私が泣いた時

弟の死を知ったとき、なぜか泣けなかった。
”あまりに衝撃的で現実を受け入れられないのかも”と自己分析していた私。

元々知的障害を持っていた弟。
近くにいるとお互いを傷つけてしまうから少し距離をとった関係性のせいかなとも思っていました。

それが、忌引き明けで職場に出勤した時に
ポンと私の肩を叩きながら

「大変だったね…。実はさ、私も同じようなことがあってさ、兄弟がさ…」

と言いながら声をかけてくれた職場の先輩。

瞬間、

泣いてました。私。

思わず
「家では母が泣いてて、家では泣けなくて…」

という言葉。
あーだから泣けなかったんだなぁ。。。

その後の涙が止まらず…

あまりに止まらないから…

師長も副師長も同僚もみんな心配して

「今日は大丈夫だから!なんとかするから!!無理せず休んだ方がいい」

と優しい言葉をかけてくれました。
(素敵な職場だと思う)

でも家にいてもなぁという私の状況も理解してくれて
「それもわかるよ」とその日は患者さんと全く接触しない仕事に配置換え。

仕事して、時々仮眠室で泣いて、また仕事して
あーもーだめだ、ってまた仮眠室で泣いてを繰り返した
そんな一日でした。

看護師として、一人分、全く働けなかった日。

私も知らない、自分の一面でした。

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