社内SEの不思議な力・・・”誰かさん”になるには
「社内SE君!教えて!これこれこんなことがあって、こうなっているものを、こんな風にしたいんだけど・・・あ!なんか分かったような気がする!大丈夫!ありがとうー!」
質問に来た人が私の前でバーっと質問内容説明している最中に、勝手に自己解決してバーッと去って行く。私はただ”うんうん”と聞いていただけ。
実はこれ、時々あることなんだけど・・・
この光景を見ていた周囲の人達は、
「ねーねー、あの人、今、社内SE君に色々言ってたけど、勝手に色々話して、勝手に自己解決して行っちゃったね。」
そう、不思議そうに私に尋ねてくる。
「たはは・・・そうですね。自分で解決しちゃったみたいですね。」
と笑いながら答えるのだが・・・
■私は何も教えていない・・・ただ
周りから見たら不思議な光景だろうが、私は何となく質問者の気持ちが分かる。
本当は質問者は、自分で考え続け、もう少しで答えが出そうなところまで来ている。そしてそれを自分自身でも自覚している。でもどうしても最後の最後、自分の考えを整理しきることができない。
じゃ~その最後の1歩をどうするか・・・
そう、手っ取り早いのは、自分が今答えを出そうとしている分野に強い人間のところに行き、ヒントをもらうこと。
ただ、ヒントをもらうには、自分の出したい答えを整理して説明しなきゃいけない。そして、自分ひとりでは整理しきれなかったことを、誰かに説明しようとした過程で、初めて自分で最後まで整理しきることができたということ・・・
周りから見れば、勝手に自己解決したように見えるが、実はそうじゃなくて、最後の1歩の答えを出すには、自分の話しを聞いてくれる”誰かさん”という存在が必要だったのだ。
誰かに話を聞いてもらうというのは、自分の考えをまとめたり整理するのにとても有効なこと。
ではその話しを聞いてくれる”誰かさん”はどんな人間でも構わないのかというと、実はそういうものでもない。
■”誰かさん”になる条件
じゃ~私が考える、そんな”誰かさん”になる条件とは・・・
①質問者がその分野において絶大な信頼を寄せている人
②質問者の話しの腰を折らず最後まで聞ける人
③質問者の話しを決して否定しないで最後まで聞ける人
①質問者がその分野において絶大な信頼を寄せている人
例えば、その質問者が、誰かに話しを聞いてもらいたいからといって、幼稚園児のところに行って話したからって何の意味もない。少なくとも質問者が、この人だったら何とかしてくれそう!・・・そう思える人物に話さないと意味がない。(例えば私はITの分野では社内で総合力NO.1だと思われている)
②質問者の話しの腰を折らない人
質問者が必死に話しをまとめようとしている時に、いちいち話しを止めたり、自分の考えをちょこちょこ間に入れるような相手では、質問者は考えをまとめることができない。
③質問者の話しを決して否定しないで最後まで聞ける人
簡単に言うと、質問者にはなるべく気持ちよく話しをしてもらう必要がある。話している最中に否定的な発言や態度はNG。こんな相手だったら質問しないほうがいいくらい・・・考えをまとめようとする意欲がなくなる。
実はこれ、社内SEだけが、”誰かさん”になれるわけではない。
会社には営業や経理、総務、etc・・・あらゆる分野のスペシャリストがいる。そして質問者を気持ちよくさせることができれば、誰でも、”誰かさん”になることはできるのだ。
■結局はIT企業時代に学んだことだった
実はこの理論、IT企業時代から分かってた。以前の記事で書いたけど、
「分からなくなったら、とりあえず今の状況を誰かに話しな!!」
そう、IT企業時代、当時の先輩に教えてもらった言葉だ。
分からなくなったら誰かに今の状況を話す。そうすると不思議と考えがまとまる。そういう経験を何度もしてきた。
でも、中には誰かに話しても焦りが収まらず、考えがまとまらないことが時々あった。今、思えば、誰かに説明している最中に、話しの腰を折られたり、ため息をつかれたりして、余計に焦ったことがあった。その時は考えが上手くまとまらなかった。
話しを聞いてあげるだけで、質問者が勝手に納得し自己解決させてしまう、周りから見れば不思議な存在の”誰かさん”。
ただそんな”誰かさん”であり続けるためには、今後も色んな努力を積み重ね、成長し続ける必要があるのだ。