風せんを飛ばして
まだ幼かった頃、風船がどこまで飛んでいくかを知りたくて、家を飛び出して、際限のない青空に風船を送り出した。
ぼくは、風船が海の向こうまで飛んでいくんじゃないかと、胸を踊らせた。
あの風船たちは帰ってこなかったけど、たぶん、海の向こう側で知らない言葉を話す子供たちに、夢を与えているに違いないと思った。
この風船は、遠い空からたくさんの困難を越えて、やってきたんだと。
色んな人たちが、自分の想いという空気を込めて、色とりどりの風船を飛ばしている。
そしてぼくも負けじと、最高の愛と感謝を込めて、風船を飛ばしている。
その風船たちは、世界を一周して、この場所に戻ってくるかもしれない。
その時は、祝いの花火を打ち上げて、風船たちに知らせてやるんだ。
ここがそこだと。
たくさんの風船が空を埋め尽くすかもしれない。
でも、それでいい。
風船は、色んな想いを乗せて、宇宙に溶けるだろう。
そして、流れ星という愛が、その想いたちを必要な人のところへ届けてくれる。
愛の循環。
今、風船を膨らませるなら、愛と感謝をいっぱいにつめて、祈りという風をおこし、世界に届ける。
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