最初はみんな天使だった


昔むかし、まだこの世界ができる前、

神様と天使の国があったとさ。

そこでは色んな天使が幸せに暮らしていました。


ある日、一人の天使が神様にこう質問しました。

「神様、僕たちは一体何者なのですか?」


神様はこう答えました。

「お前たちは光だよ。白く眩い光の存在なんだ!」


天使は考えながらこう聞きました。

「う〜ん、光ってなんですか?」


神様は答えました。

「それは難しい質問だね。例えば、わしは神じゃが

”神様とはなんですか?”と聞かれたら、

”それはわしだよ”

としか答えられん。

それと同じで、”光とはなんですか?”と聞かれたら、

それは君たちの事だよとしか答えられぬ。」


天使は困って、少し考えた後、

いい事を思いついたと言わんばかりに言いました。

「それなら、僕たちが光だっていう体験をする事は可能ですか!!?」


神様は答えました。

「光を体験する?ふ〜む。そんな事考えたこともなかったな。」


神様も少し考えた後、天使に諭すようにこう言いました。

「光(自分)を体験する為には、その対極となる者が必要となるだろう。そうすれば、その対極となる者と自分を比べて、自分が光だったという事を体験できるだろう。」


天使は嬉しそうに言いました。

「なるほど!!それなら、自分(光)を体験できそうですね!!

じゃあ、私と対極になる者を見つけなければ!!」


その天使と神様が面白そうな話をしてると、その国に住んでいた

他の天使たちに噂が広まり、国中の天使たちがその二人の会話を聞こうと

二人の周りに集まり始めていました。

その様子を見ていた神様が、集まってきていた天使たちに向かって

こう言いました。

「この中で誰か、光と対極の存在、そうだな.....闇と呼ぼう!この中で誰か、闇になりたい者はおるか!!?」


周りに集まっていた天使たちは静まり返りました。

誰もそんな得体の知れないものになりたいという天使はいませんでした。

神様に質問していた天使が悲しそうな表情をしていると、

一人の天使が手を挙げました。

「僕がやるよ!僕が闇になって、君にひどい事をする。

そうすれば、君は自分が光だって事を体験できるよ!!」


神様に質問をしていた天使が言いました。

「なぜ君はそんなに軽い周波数でこの世界を飛び回っているのに、その周波数を落としてまで、ぼくの願いを叶えてくれるの?」


手を挙げた天使が言いました。

「それは僕が君を愛してるからだよ。そして僕は神様に愛されている。だから、僕が周波数を下げて、どんなにひどい体験をしようと、必ず僕はまた光に戻るから。そしたら僕は君と愛の唄を歌い合えるんだ。その時にはもっと愛を深く知っているだろうからね。」


神様は言いました。

「たとえお前たちが光だろうが闇だろうが、わしはお前たち全てを愛しておる。だから、お前たちが何をしようが全て許す。それがわしの愛だ。存分に楽しみなさい。お前たちは常に守られていて、完全に自由だ。」


二人の天使は抱き合い、そして再会を約束して離れ、

手を挙げた天使は神様の前に行き、神様がその天使を闇に変え、

地上に落としました。

そして、神様に質問していた天使も地上に降りました。



その後の話はぼくたちも知っている通り....




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セイヤ
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