しだのり業界いろめがね:超面白い玩具産業のこれまで
こんにちは。年末アーンド年明けですね。年賀状、出していないのですがこのnote記事に変えて、しだのりは生存していることをお知らせします。年賀状ペインをかれこれ数年回避してしまっていて、今や年賀状はROM状態です。444 readonlyという奇妙なファイルパーミッションだと思っていただければと思います。
今年はサブスクリプション大賞を受賞する、初めてのテレビCMにチャレンジする、第三者割当増資をするなど変化の多い年でした。(チームの皆さんいつもありがとうございます・・!)経営しているトラーナという会社は恐らく日本で唯一の玩具産業内でスタートアップ状態にある会社なのでは・・と思うのですが、玩具産業の歴史から見て、自分たちはどういうユニークさがあるのか?を度々考えていました。そこで玩具産業っていつくらいから今の形になったんだろう?と興味を抱いたので、noteにまとめてみることにしました。第三回までやろうと思います。今回は、①玩具産業のこれまで です。第二回は、②玩具産業の古い歴史 です。最後は、③玩具産業のこれから という予定ですが、あんまり評判なければ今回限りの企画ということで・・
今の玩具産業の形・・・気づいていましたか?
私達は子どもに対しても、自分用途でも、友達用途でも、玩具を買う機会は人生で一回や二回は必ずある・あったと思います。率直な質問、「それキャラクターを買ったのか玩具を買ったのかどちらですか?」この質問に対する答えとして「何いってんの、キャラクターくっついてるのが玩具でしょ」となると思います。バーニー、リカちゃん、トーマス、仮面ライダー、アンパンマン、ナドナド。ミラクルちゅーんずはどうですかね・・なんとも言えない領域かもしれません。いずれにせよ枚挙にいとまがないです。玩具産業とはキャラクター産業とかなり合致している産業といえます。キャラクター産業は、ゲーム、アニメ、雑誌など、コンテンツ&エンターテイメント産業ともかなり合致しています。これはIPライセンスと呼ばれたりする、著作物から派生する産業です。これはそもそもの玩具のルーツに近いものがあり、フラフープやボールのような運動器具から派生した玩具もありますが、多くの玩具は「模したもの」です。人形というのは古代から存在する玩具の形ですが、現代では喋ったり動いたり、操作が出来るエンターテイメントとセットで玩具として生産されるようになりました。私達の多くは、魅力的なコンテンツに惹かれその結果玩具を買っているのだと思います。(自分は最近だと鬼滅の刃の冨岡義勇フィギュアちょっとアレだな、欲しいかもだなと思いました)子どもに対しては自分が魅了されたコンテンツの玩具を買っていると思います。結論、キャラクターコンテンツは強い。人々を魅了するキャラが現れると、周辺領域の玩具産業も潤う。なぜなら私達はキャラに投資している(購買している)からです。これは逆説的に、キャラクターコンテンツが盛り上がらないと玩具産業はどうなるんでしょうか?アナ雪や妖怪ウォッチが一巡し、進撃・鬼滅が大変賑わっていますが、対象年齢がアナ雪や妖怪ウォッチと比較しやや上ですよね。流行したキャラクターが刺さる年齢に合わせて、玩具産業とコンテンツ&エンタメ産業は何を作るのかを考えます。コンテンツに依存する傾向にあるので、玩具会社は「何のブランド権利を持っているか」が大事になってきます。
玩具産業の大きな会社を比較してみるよ
四天王でいくと、バンダイナムコ・レゴ・ハズブロ・マテルの4社ではないでしょうか。日本にはタカラトミーがありますが、バンダイナムコは吸収合併を重ね玩具産業を内包する会社としては世界レベルの会社です。売上だけだとわからないので、ここでEBITで比較するのか、EBITDAで比較するのかというのは何が最適指標なのかわからなかったのでなんとなくEBITで比較してみます。経営者なので時価総額とPERは気になるところです。単位はMillion USDです。Legoは公開会社ではないので、Market cap及びPERは記載ありません。なお色んなところの数値を引っ張っているので最新数値と誤差があったりするのはご了承ください。
数字はしだのり集計です ご了承を・・・
玩具のリーディングカンパニーはどこなの?その根拠は?
どこがリーディングカンパニーなのか、数値だけだとわかりにくいですが、売上規模はバンダイナムコ、時価総額はハズブロ、利益はレゴ、と三者三様です。マテル、僕は大好きなので応援したいのですが数値はこれからといったところです。マテルは絶対伸びると信じてる。しかしこの裏には、先程上記で記載した「どこの会社が何のブランドを持っているのか」が玩具会社の鍵になるというのが明らかになると、どこがリーディングカンパニーなのかわかりそうです。見てみましょう。
レゴにはレゴしかありません。(;´∀`)
簡単に言うとレゴ一つでハズブロが持っているブランド全部より上なのです。四天王は1ブランドで成り立っているのです。当たり前ですがあくまでハズブロやバンダイナムコは、そのブランドでの玩具及びエンターテイメントのビジネスライセンスを持っているまでであり、映画収入やコンテンツ収入はありません。それでも、レゴ一つでこの規模というのは本当にすごいですよね。レゴのスターウォーズなどもあるので、レゴもフランチャイズブランドを利用している部分はありますが、自社ブランドも相当に強いがために他の玩具会社とは違い、
フランチャイズブランド(自社企画でないIPライセンス)が無い
→レゴの製造、企画、IP推進にエース人材を全力投球→レゴの体験をした乳幼児が大きくなってもレゴで遊べるような自社ブランド内ポートフォリオの確立→幅広い世代で受け入れられる最強の玩具ブランドの誕生→以降最強ストーリーを繰り返しより最強に
という図式が出来上がりました。
どこがリーディングカンパニーなのかは、数字では言いにくいですが、玩具業界のリーディングブランドは、間違いなくレゴであると言えるのではないでしょうか?実際には、ハズブロやマテルは、ブランドを買収して大きくなりました。過去は、NERFやフィッシャープライスはもともとは違う会社で、ハズブロとマテルが大きくなる過程で買収され、ポートフォリオに入ったブランドだったのです。単一ブランドの中でポートフォリオ化出来るレゴと、複数ポートフォリオで価値を高めたいバンダイナムコ・ハズブロ・マテルでは企業としての付加価値競争のやり方が根本から違います。
まとめ:玩具産業はブランドで成り立っている。魅力あるコンテンツの獲得で競争が生まれている。
玩具産業のこれまでとタイトルをつけてnoteを書きました。もし好評でしたら第二回の記事を書いてみたいと思います。さらに深ぼって、さかのぼって玩具の造形や歴史、日本における玩具産業の流れなど過去を振り返ってミクロに書いてみたいと思います。その後にはこれからの予測を、運営しているトイサブ!の観点も交えて書いてみたいなと思います。
玩具産業はこれからまだまだ革新を起こせる、とてもおもしろい産業だと思いますので、よろしければ弊社の採用ページも見てみてください。