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科学雑誌を素人が読む[421]

週刊科学雑誌『ネイチャー』2021-08-19号に掲載された論文のラインアップを眺める。全18本。掲載順序をシャッフルしたタイトルを並べる(日本語訳は『ネイチャー』 日本語ページから引用):

⑨ヒトの卵巣の老化を制御する生物学的機構に関する遺伝学的知見
⑥正味のカーボンネガティブ経済の実現を可能にする
②双極子量子気体における二次元超固体性
⑩H2A.Zの結合減少は子宮平滑筋腫の発生に関連する
複数の農薬が相乗的に相互作用してハナバチの死亡率を上昇させる
⑮がん遺伝子のin silicoでの飽和変異誘発
⑫ヒトにおけるBNT162b2 mRNAワクチンのシステムワクチン学
⑬SARS-CoV-2ワクチンBNT162b2に対する年齢に関連した免疫応答の不均一性
⑯BARD1はH2Aリシン15のユビキチン化を読み取って相同組換えを指示する
⑰BRCA1–BARD1のヌクレオソーム認識とユビキチン化の機構
⑭アカゲザルにおけるSARS-CoV-2 B.1.351に対するAd26.COV2.Sの防御効果
⑪局所的配列に従った嗅内皮質での三次元空間の神経表現
⑱血液脳関門脂質輸送体MFSD2Aの構造と輸送機構
④方向性結合を用いた正二十面体準結晶の設計方法
天文観測サイトとしてのチベット高原の冷湖
⑤高分子ガラスの最上層にゴム状表面をもたらす運動性勾配
⑦モントリオール議定書が陸域の炭素シンクを保護する
③バルク異方性結晶におけるゴースト双曲型表面ポラリトン

【ピックアップ】
✅花粉を運ぶハチをピンチに追いやっているいくつかの要因に関する考察。エントリ[420]で言及。➣⑧複数の農薬が相乗的に相互作用してハナバチの死亡率を上昇させる論文][解説記事

✅天文台をどこに立てるべきか? という問いをめぐる3ページ強の短い論文。候補地はチベット高原の「ロンフー(冷湖)」なる場所。こうした特定の場所に関する論文には、だいたい経緯度が記載されているはず……と探してみたらあった:38.6068° N, 93.8961° E。さっそくGoogleマップで調べてみたところ、周囲に何もなさそうな土地だなあという印象。まあだからこそ天体や宇宙線の観測に適しているのだろう。要旨から、新しい観測施設を作る際に考慮される条件をひろってみる:①乾燥していること、②空が昼夜問わず澄んでいること、③夜間の晴天日数が長いこと、④夜間の温度変化が小さいこと、⑤地表の大気が安定していること、⑥降水量が少ないことなど。3年間のモニタリングの結果らしい。公共性のあるテーマだからかオープン論文となっている(誰でも読める)。➣①天文観測サイトとしてのチベット高原の冷湖論文


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