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科学雑誌を素人が読む[499]

『サイエンス』2021-10-22号の冊子が手元に届く。「健康な喫煙という神話」(The myth of healthy smoking)と題する書評記事で2冊の本が紹介されている。1冊目のタイトルは『「クール」を推す』(Pushing Cool)というもので、1970年代にタバコ業界がメンソール・タバコを黒人をターゲットに売り込んだ歴史を紐解ひもといているようだ。「健康にいい」という欺瞞を背景に人種を標的としたマーケティングの歴史を扱った本のもよう。[出版社のサイト

2冊目は『悪魔の極秘資料』(The Devil’s Playbook)というタイトルで、電子タバコ/加熱式タバコのあるメーカーの盛衰せいすい――主にダークサイド?――をめぐるインタビューをまとめたビジネス書のようだ。[出版社のサイト

興味深い一文に遭遇そうぐうする:

JUULの創業者、ジェームズ・モンシーズとアダム・ボウウェンは、スタンフォード大学のプロダクトデザインプログラムでの卒業研究の一環として、最初にこのデバイスを考案した。*¹

電子タバコはシリコンバレーにルーツがあったのか。知らなかった。

国内でのタバコ・マーケティングというのはどのように展開されているのかということに興味が出てきた。例えば現在(1)タバコの広告がたくさん出稿されているのはどんな媒体(雑誌、新聞、TV番組)なのか? (2)どの代理店が制作を請け負っているのか? (3)関わっているクリエイターたちはどんな人たちなのか、といったことを調べてみるのもおもしろそうだ。たばこ産業がどんなロジックで消費者を動かそうとしているのか?、どのようなメタメッセージを使っているのか、といったところも知りたいところ。■


【追記】
✅*¹[原文]JUUL founders James Monsees and Adam Bowen first conceived of the device as part of their thesis project in the elite Stanford University product design program.

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