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あなたの知らないSDGs ー”これまで”のSDGs、”これから”のSDGsー


「この問題のリンケージとレバレッジポイントって分かる?」

「VUCA時代の現代に必要なのはCEへの移行ではないか」

「そろそろ弊社もCRMツールの導入を考えた方がいいかもしれないな」

「GPIFがPRIに署名する前と後じゃ、投資業界も随分変わったよね」


皆さんは、この人たちがなんの話をしているか分かりますか?小難しい単語が並んでいるように見えますが、実はこれ、全てSDGsの話をしているのです。

SDGsは、17の目標と169の指標、そして前身となったMDGsやESG投資「だけ」で構成されているとは思っていませんか?筆者も大学でSDGsを学ぶ以前は、同様に目標と指標のみでSDGsが構成されていると思っていました。しかし実際は、SDGsとは、ただ目標が掲げられているだけではなく、その目標を達成するためのミクロレベルでの活動が行われているのです。そしてそれらの活動は、人々や社会の生々しい努力に支えられているのです。

先ほどの会話も、SDGsを達成しようとする人々の努力が表れた内容であり、意識高い横文字やカタカナばかり使っているからと敬遠するのではなく、それらの言葉や概念を正しく学んで、SDGsの実態を直視してみませんか?本書は、SDGsの実態について紹介し、SDGsに対して新しい観点を加える手助けを目的として作成されています。


本書を読んで頂くと分かる事は、以下の通りとなっています。

・1歩踏み込んだSDGsの世界について

・SDGsと関連して使われる重要な用語と概念について

・実際にSDGsがどのように動いているのか

・ビジネスの場におけるSDGsとは

                         等々...

読了頂いた後に、あなたのSDGsに対する見方が少しでも変わっていれば幸いです。


本書は、筆者がSDGsに関する複数の本や資料を読んでまとめた結果、頻繁に登場した概念や用語を取り上げて説明する内容となっています。SDGsの17の目標や、SDGsの基本的な概念などの説明は省かせて頂きますので、ご了承ください。



5P

SDGsにおける5Pとは、Pepople(人間)、Prosperity(豊かさ)、Peace(平和)、Partnership(パートナーシップ)、Planet(地球)を表しています。

2015 年 9 月 25 日に開催された第 70 回国連総会で採択された『持続可能な開発のための 2030 アジェンダ』の冒頭部分において、この5Pが登場しました。まさに、 SDGsの根幹をなす要素であると言えます。

下図が見やすく参考になると思います。

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世界が一体となってこの5つの要素を掲げ、これらの要素を達成するための手段として、17の目標と169個の指標を作成したのです。

当然、この5Pの要素はSDGsの中にも色濃く反映されています。People(人間)は、SDG1からSDG6までに反映されています。SDG1からSDG6は、基本的に人間に直結する目標で占められています。これは、5Pの一つであるPeopleに基づき、人間が尊厳と平等を持って人間らしい生活を送るために設定された目標なのです。

同様に、SDG7~SDG11はProsperity(豊かさ)に、SDG12~SDG15はPlanet(地球)に、SDG16はPeace(平和)に、SDG17はPartnership(パートナーシップ)に、それぞれ基づいて目標が設定されています。重要なことは、5PにしてもSDGsにしても、いずれか一つが欠けてしまっては、真の意味での目標達成とはならないのです。

私は料理で5Pを例えるのが好きなのですが、第70回国連総会では、世界中が望む料理の完成形が5Pとして掲げられ、その料理を作るために必要な食材や調理器具を17の目標と169の指標で示したのです。SDGsは、5Pという最大の目標に到達するための材料を揃える段階であると言えるのです。


まとめとして、「なぜSDGsを達成する必要があるのか?」と問われたら、「5Pを達成するためである」と答えることができれば、5Pに対する理解は十分であると筆者は考えています。私たちは、SDGsの中の17の目標と169の指標といったミクロな方向にばかり目を向けるのではなく、5Pというマクロな視点を持ち、世界が何を目指しているのかを知る必要があります。食材や調理器具を集めることを目標にするのではなく、最終的に目指す料理の完成形をきちんと理解しましょう。



CE

CEとは、Circular Economy(循環経済)を表しており、日本語ではサーキュラーエコノミーと言われたりもします。CEに関しては、これだけで1冊本が書けるような分野ですので、今回はSDGs周辺に絞った内容に留めます。

CEは、その名の通り経済を循環によって回すことを目的としており、ゴミの廃棄量を押さえたり、シェアリングをしたり、リサイクルによる資源の再利用を促進したりすることを指した概念となっています。一見3R「Reduce(減らす)・Reuse(再利用する)・Recycle(リサイクル)」のようにも見えますが、製品を設計したり、材料を調達する段階から、既に資源の回収と再利用を前提としているという点で、3Rとは異なっています。特にEU諸地域ではCEに向けた取り組みが積極的に行われています。

下図は、2050年までに100%サーキュラーエコノミーを実現するという目標を掲げているオランダ政府によって作成された、従来の経済とECの違いを表した図です。「Linear Econony(直線型経済)」が、従来の「Take(資源を採掘して)」「Make(作って)」「Waste(捨てる)」という経済を表しており、「Reuse Economy(リユース経済)」が、上述の3R的な経済を表しています。

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では、CEはSDGsとどのような関りがあるのでしょうか。

CEには、トリプルボトムラインと呼ばれるPlanet・People・Profitの3つの要素があり、近年はPlanet・ProfitだけではなくPeopleの視点からも注目されるようになってきています。この頭文字に「P」が並ぶ光景は、SDGsの「5P」にも通じるものを感じます。

CEは、2015年12月に欧州委員会が「サーキュラーエコノミー・パッケージ」として政策を採択したことで注目されるようになりました。筆者の推測に過ぎませんが、同年9月に第 70 回国連総会で採択された『持続可能な開発のための 2030 アジェンダ』で5Pの概念が登場していたので、そうしたSDGsの側面にも適合した政策を欧州委員会が採択した可能性も十分にあり得ると思います。

また、SDG12(つくる責任つかう責任)はCEの目標とかなり被っている点がありますし、経済による発展を目指すSDG8(働きがいも経済成長も)や、環境保護の観点ではSDG13(気候変動に具体的な対策を),SDG14(海のユ豊かさを守ろう),SDG15(陸の豊かさも守ろう)などとも大きく関わっています。このように、CEの達成を目指すことは、SDGsの達成に非常に深く関わってくるのです。CEは、一経済モデルに過ぎませんが、その経済モデルによって様々な面でSDGsの達成に近づくことに繋がります。


まとめとして、CEが経済モデルの一つであり、CEを採用することでSDGsの達成に近づくと言うことを理解して頂ければ結構です。経済活動は、人間の生活に直接的に大きな影響のある分野ですし、経済活動の変化がSDGs全体に及ぼす影響も当然大きなものとなっています。今後私たちがSDGsを、そして5Pを達成するためには、どのような経済モデルを採用していくかを真剣に考えていく必要があります。


※余談ですが、戦略コンサルティングファームのアクセンチュア社は、2015年にCE型のビジネスモデルを、以下の5つに分類しています。

1.再生型サプライ:再生可能な原材料利用による調達コスト削減や安定調達の実現
2.回収とリサイクル:廃棄予定の設備や製品の再利用による生産・廃棄コストの削減
3.製品寿命の延長:修理やアップグレード、再販売による使用可能な製品を活用
4.シェアリング・プラットフォーム:不稼働資産となっている所有物の共有による需要への対応
5.サービスとしての製品:製品を所有せず利用に応じて料金を支払うビジネスモデル

アクセンチュアのような世界的企業が、循環型社会に注目しているというのが興味深い事実です。実務でSDGsを使ったり、組織に導入しようと考えている方は、ぜひ一度このCEについて調べてみてはいかがでしょうか。



CSR

CSRとは、Corporate Social Responsibility(企業の社会的責任)を表しています。「社会的責任」とは、「企業内にも企業外にも配慮した活動をしようね」ということを表しています。企業内だと、従業員の労働環境の整備や人権の確保を。企業外だと、地球環境に配慮した活動や、地域に貢献するような活動を指しています。組織経営を行なったり、学んだりしている方には馴染みのある言葉かもしれませんね。

CSRの内容的には、SDGsと似たようなものに感じるかもしれませんが、両者には明確な違いがあります。一つが年代の話です。SDGsは2015年以降に登場した概念で、それ以前はCSRが企業の中で、現在のSDGsのような役割を果たしていました。要は、2015年以前と2015年以後、といった感じです。CSR自体も、注目されるようになったのは1990年代の話であり、2000年代にCSRの概念が広まって、2010年代に多くの企業がCSRを採用するようになりました。そして、2015年にSDGsが企業に入ってくることになったのです。

二つ目が両者の目的の話です。CSRは、「ボランティアによって企業の信頼度を高める」ことが目的なのに対し、SDGsは「ビジネスで社会をより良くする」ことが、企業におけるSDGsの目的です。CSRが、「周囲から高い信頼を得るにはどうするか」という、外から内に対する視点を重視しているのに対し、SDGsは、「どうすれば周辺社会をより良くできるか」という、内から外への視点を重視しています。一方で両者とも、目的は違えど社会に対して何らかのアプローチをすることは変わりません。つまり、両者は異なる概念でありながら共存することが可能なのです。社会に対するアプローチが、社会をより良くし、自社の信頼を高めるのです。

重要なのは、それまでCSRが社会貢献というボランティア形式を採っていたのに対し、SDGsは社会貢献をビジネスという形式に持ち込んだと言う点です。「SDGsで金儲けをする」というのは、悪いイメージを持たれることもあるようですが、SDGsは自社の経営方針にSDGs的観点を組み込むのであって、本来その企業が行っている経済活動と何ら変わらないのです。むしろ、CSRを掲げながら金儲けを露骨に狙っている企業の方が、「CSRで金儲けをする」気持ちが押し出されていて良くないように感じます。


まとめとして、CSRは企業が持つ経営スタイルの一環であり、現在はSDGsとの共存が図られているということを理解して頂ければ結構です。歌の練習をするのは、誰かから評価を得るためなのか、それとも自分の歌で誰かを幸せな気分にし、お金を貰いたいからなのか、という話です。就活生の方などは、よく説明会やホームページなどで「弊社はSDG○○に取り組んでおり~」といった話を見たり聞いたりすると思います。そうした文句は、基本的に「ビジネスとしてどう儲けるか」を示しており、企業理念などとは直接的には異なることを知っておいてください。むしろCSRの方が、直接的にお金が動かないと言う点では企業理念に近いかもしれません。CSRとSDGsの違いをよく理解して企業研究などに臨んでみてください。



CSV

CSVとは、Creating Shared Value(共通価値の想像)を表しています。先述のCSRが、「本業以外の社会課題の解決」だとすると、CSVは「本業を生かした社会課題の解決」であると言えます。CSVの歴史としては、アメリカの経営学者マイケル・ポーターとマーク・クレーマーが、2011年に『ハーバード・ビジネス・レビュー』誌において、この概念を提唱したことで注目されるようになりました。

CSRとCSVの違いが分かり易く解説された図があったので、使用させて頂きました。CSRは、ボランティア的な側面が強く、企業の成長は度外視して、社会課題の解決に尽力するものです。一方CSVは、経済的に成功しながらも、社会的価値を創造することを目的としています。それまで両立は不可能だと考えられていた経済的成功と社会的価値の創造の両立を提唱したポーターとクレーマーのこのCSVの概念は、当時の人々に驚きを与えました。

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では、CSVとSDGsの違いは何なのでしょうか?これまでの説明だと、CSV=SDGsのようにも思えます。

明確な違いは、SDGsは枠組みであり、その枠組みに自社の本業を当てはめて実際に活動を行うのがCSVです。実際、SDGsが登場する以前から企業は、CSVの概念に則って「ビジネスで社会を良くする」活動を行っていました。2015年にSDGsが登場して以降は、この枠組みを用いることでより明確に、より人や環境に配慮した社会的価値の創造を行えるようになったのです。


まとめとして、CSVは企業の持つ手段であり、SDGsという枠組みにその手段を当てはめて社会的価値を創造していると認識して頂ければ結構です。もちろん、財務的余裕のあるような企業はCSRにも積極的に取り組んでいます。それどころか、ある調査では、2017年時点の話ではありますが、日本企業のおよそ8割が「自社の社会的責任の全体像を表す用語」として「CSR」を挙げています。欧州企業の多くが採用している「サステナビリティ」は1割に留まっています。SDGsの日本への浸透でこうした数値がどう変わっていくのかが、今後の日本のSDGsに対する取り組みを占うことになると言えます。



CRM

CRMとは、Customer Relationship Management (カスタマー リレーションシップ マネジメント)を表しており、日本語では「顧客関係管理」や「顧客関係性マネジメント」と訳されています。CRMも、それ一つで本になる内容ですので、今回もSDGs周辺分野のみ紹介していきます。

CRMの例としては、消費者の連絡先や購入履歴の確認、メールやSNS、メディアを通じた顧客とのやりとり、業務管理、商談状況のチェックなどを行うこと、などがあります。こうした様々な情報を企業が一元で管理することにより、顧客をより深く理解し、営業活動の向上のみならず、サービス、マーケティング、経営戦略などに活かしていくことができるのです。読んで頂いて分かる通り、CRMも、CSVやCSRと同様に企業やビジネスの場で頻繁に用いられる言葉となっています。

では、いかにもビジネスや企業でしか使われそうにないCRMという言葉は、SDGsとどのような関係性があるのでしょうか。

SDGsとCRMは、「持続可能性」という点で共通しています。SDGsが「持続可能な社会」を目指しているのと同様に、CRMは「持続発展性の高い成長」を目指しています。顧客との良好な関係性を長期に渡って築いていくことで、会社に取って持続的な発展を目指しているのがCRMです。SDGsの「持続可能性」は、自然環境的なイメージが先行していますが、実際SDG7からSDG12までは、全て人間の生産・消費活動に関する目標となっています。SDGsは、人間の社会活動に置いても持続可能性を追求しているのです。

CRMは、基本的に企業の業績を向上させ、顧客に持続的に自社の製品を使用してもらうための戦略の一つです。先述の通り、SDGsは枠組みであり、今回の場合だと、持続可能性の向上のためにCRMを当てはめることになります。「CRMを用いてSDGsを達成する」という構造は、企業のみならず私たちのSDGs達成に向けた活動にも生かせると思います。


まとめとして、CRMはSDGsの目標達成に必要なツールであり、企業がCRMに取り組むことで、SDGsの達成に近づくのです。CRMは、企業の規模に関わらず、取り組めば取り組んだ分だけ自社の成長とSDGsの達成に貢献することができます。企業の成長がSDGsの貢献に繋がると考えると、CRMとSDGsは「持続可能性」で結ばれたWin-Winの関係であると言えます。



VUCA

VUCAとは、Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとった造語で、「ブーカ」と読みます。次々と予測不能なことが起こる不安定な現代社会を表した言葉です。元々は、冷戦後の社会を指す軍事用語として用いられていました。

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VUCAのいずれも、SDGsに深く関わるテーマとなっています。気候変動や急激なグローバル化による弊害、情報の信憑性の下落などが、VUCAとSDGsの関連事項に該当しています。直近では、新型コロナウイルスの流行が、VUCAのまさに象徴的事象となっています。どの問題も、「VUCA化」した現代社会が引き起こしたものであり、そうした問題は、人間の健康や経済社会を脅かす危機的な課題になります。

一方で、VUCAを通して見える課題を細かく分析することで、様々な問題に対して柔軟に対応できる力を身に付けたり、企業や組織を作ることができるようになります。また、VUCA時代を読み解くことで、社会に求められる能力や人物像も見えてきます。VUCAそのものは、予測困難な現代社会を表す言葉ですが、逆に言えば、VUCAを知ることで、そうした予測困難な社会に対応できる力を発見しやすくなるとも言えます。


まとめとして、VUCAは、SDGsを達成する理由の一つと言えます。SDGsは、持続可能な開発を目指しており、不安定で予測不能な社会において、この「持続可能性」は非常に重要なポイントです。SDGsの達成は、個人や社会が持続可能になることであり、個人や社会が持続可能なものになった結果、レジリエンス(強靭性)獲得に繋がります。そして、VUCA時代に求められる能力こそ、個人や社会のレジリエンスなのです。VUCA時代にのまれないためにも、SDGsの達成は目指すべき指標として重要な役割を果たしているのです。



GPIFとPRI

GPIFとは、年金積立金管理運用独立行政法人(Government Pension Investment Fund)を表しており、PRIとは、国連責任投資原則(Principles for Responsible Investment)を表しています。東海東京証券によると、GPIFは、「日本の公的年金(厚生年金と国民年金)のうち、年金積立金の管理・運用を行う独立行政法人のこと」となっています。デロイトトーマツによると、PRIは、「国際連合が2005年に公表し、加盟する機関投資家等が投資ポートフォリオの基本課題への取り組みについて署名した一連の投資原則である」とされています。

ご覧頂いた通り、両者とも非常に難解な内容となっています。よって、今回もSDGs周辺の内容のみに限定して紹介していきます。

まずSDGs業界におけるPRIの役割として、ESG投資の世界的な基幹となっていることが挙げられます。SDGsとESG投資は合わせて語られることが多いですが、実はこの「ESG」という概念は、2006年にPRIが提唱したのが始まりでした。環境・社会・ガバナンスを考慮した投資を行うプラットフォームとして、SDGs誕生以前のMDGs時代から、国際社会における投資の重要な役割を担ってきました。

日本の独立行政法人であるGPIFは、資産規模がなんと130兆円以上となっており、世界最大のファンドとも言われています。そんな、日本の資産運用業界を牽引しているGPIFが、2015年の9月28日にPRIへの署名を行いました。この署名が意味するところは、今後GPIFがESG投資に対して積極的な姿勢を示す、ということでした。当時日本では、企業や投資業界においてESG投資はほとんど注目されておらず、当然ESG投資を実施している企業や投資家もほとんど存在しませんでした。ところが、GPIFがPRIに署名したことで、一気に日本の投資業界の中でESG投資に対する関心が高まりました。投資家の関心が高まるということは、企業も環境・社会・ガバナンスに対して敏感になることを示しています。結果、GPIFのPRI署名は、その後の日本のESG投資を一気に後押しすることになりました。直後の2016年にはSDGsもスタートし、投資家や企業がESG投資に対して積極的になる、という構図が完成したのです。

下にお借りした図が、現在のGPIFとPRIの関係性を非常に分かり易く示しているので、ぜひご覧ください。

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https://www.pinterest.jp/pin/364369426107380990/


まとめると、ESGの世界的プラットフォームであるPRIに、日本の投資ファンド最大手のGPIFが署名したことで、日本におけるESG投資が加速し、投資運用業界全体を揺るがすことになりました。それまでは、より多くのリターンが望める企業に投資家は投資し、企業もより多くの投資を求めて、とにかく利益を求める事業や経営を行っていました。しかし、GPIFのPRIへの署名以後、環境や人権を考慮しない企業は敬遠されるようになり、現在のSDGsの達成に向けた強い追い風となっています。GPIFとPRIの両者は、SDGs達成のために、投資業界からの貢献を行う、という風潮を作り上げた重要な存在であるのです。余談ではありますが、筆者もSDGs達成に最も大きな影響力を持っているのは、こうしたビジネスの持つ力であると考えており、GPIFとPRIの投資業界からのアプローチには大いに敬意を表しています。GPIFとPRIが、企業など巨大なアクターに対してアプローチを行ってくれたので、次は私たちのような個人が、どのようにビジネスの側面からSDGs達成に向けたアプローチを行っていくかを考える番だと思っています



D&I

D&Iとは、ダイバーシティ&インクルージョンの略称であり、ダイバーシティが多様性、インクルージョンが包摂性や統合性を表しています。主に企業の人材開発や組織開発の場面で登場することが多く、個人が能力を発揮して、組織全体の活力の向上を目指すものとなっています。

企業などの組織で用いられるダイバーシティとは、性別、年齢、国籍、出自、職歴、価値観など、個人が持つ特徴を最大限生かしてもらう環境を整備することを指してることが多いです。同様にインクルージョンは、こうした人材の多様性を受け入れ、彼らを組織として一体性を持って統合することを指しています。

そしてご存じの通り、SDGsにも多様性や働きがいを重視する項目がいくつか存在します。SDG4(質の高い教育をみんなに)、SDG5(ジェンダー平等を実現しよう)、SDG8(働きがいも経済成長も)、SDG10(人や国の不平等をなくそう)、SDG16(平和と公正をすべての人に)などは、こうしたD&Iによって達成される典型的な目標です。先述のESG投資が、ビジネスの側面からSDGs達成にアプローチしているとすると、D&Iは人材的側面からSDGs達成にアプローチしていることになります。お金が動くESG投資などに対して、D&Iは「多様性を受け入れる」という思考を持つことであり、前者に比べて手軽に行えるSDGs達成に向けての行動だと言えます。一方で、「人の思考を変える」と言う意味においては、お金を動かすことよりも困難であると言えるかもしれません。


まとめとして、「SDGsにおけるD&Iとは?」と問われた際、「SDGs達成に向けた手段である」と答えることができれば十分な理解であると言えます。再三になりますが、SDGsはあくまで枠組みであり、実際にそうした目標を達成するためには、具体的な施策が必要不可欠です。D&Iは、そんなSDGs達成に向けた一つの手段であると共に、D&I自体の中身を考え、実践していくのは、企業や私たち一人ひとりなのです。



リンケージとレバレッジポイント

リンケージとは、「連携思考・相互連関」という意味であり、レバレッジポイントは「てこの力点」という意味です。リンケージは、複数の問題の関連性を表しており、レバレッジポイントは、そうした複数の問題の中での重要な役割を果たす問題を表しています。

両者を簡易的に例えると、問題Aと問題Bと問題Cがあるとします。この3つの問題が持つ関連性のことをリンケージと言います。そして、問題Aが解決することで、問題Bと問題Cが解決するとします。この場合、問題Aは3つの問題におけるレバレッジポイントであると言えます。

実際に、こうしたリンケージとレバレッジポイントを活かして問題解決に臨んでいるのが、WFP(国連世界食糧計画)です。WEPは、発展途上国の村全体の状況を改善するために、「学校給食プログラム」を実施しています。給食がない村で給食を配ることで、子どもの飢餓や栄養失調を防ぎ、学校での学びの機会を増やし、給食に使う材料などを近隣の農家から購入することで地域経済の発展に寄与する、といった様々な結果が見込めます。この場合、レバレッジポイントとなる「給食がない」という問題Aを解決することで、問題のリンケージである「子供の飢餓や栄養失調」という問題B、「途上国の学力」という問題C、「地域経済の不活性」という問題Dを、一気に改善することができます。

リンケージの全体像を把握し、レバレッジポイントを見極めることによるメリットとして、問題解決に必要なコストの大幅な削減と、問題の一斉解決があります。問題Aから問題Cに対して一つ一つコミットし、問題解決に臨んでいると、当然問題3つ分の労力とコストがかかります。問題解決も遅くなったり、そもそも問題自体が解決しない可能性すらあります。各問題がどのように関連しているか見極めることで、連鎖的に解決する問題も見えてくるのです。一方で、リンケージの把握が甘かったり、レバレッジポイントを見誤ると、大きな損失を生むことに繋がる恐れもあります。そのため、両者はしっかりとした事実と根拠に基づいて行われる必要があります。

SDGsは、ある意味で17個の問題のリンケージであると言えます。そして、SDGsはいずれか1つの問題を解決すると、他の目標も連鎖的に解決するようになっています。あるSDGsの目標を起点に他の目標がドミノ倒しのように連鎖する様子を例えた「SDGドミノ」という言葉も存在します。また、そもそもSDGsは「環境・社会・経済」という3つの側面によって構成された目標であるとも言えます。これらのインターリンケージを強く認識することで、各所に存在するレバレッジポイントを発見することに繋がります。


まとめとして、SDGsは巨大なリンケージであり、それぞれの目標が他の目標に対するレバレッジポイントとなっているのです。VUCAの章でも述べましたが、現代は非常に複雑性(Complexity)の高い社会となっており、そうした複雑性の高さを感じる場面が、日常生活の中でいくつもあります。SDGsに関しても、私たちの行動一つ一つがリンケージの一部であると共に、その行動一つ一つがレバレッジポイントとなっていると考えることは、SDGs達成のためには重要なマインドセットであると言えます。



バックキャスティングとムーンショット

バックキャスティングとは、目標とする未来を先に描いた状態で、その未来から逆算して現在までを考える思考法です。一言でまとめると、逆算的思考法のことです。ムーンショットとは、未来社会を展望し、困難な、あるいは莫大な費用がかかるものの、実現すれば大きなインパクトをもたらす壮大な目標や挑戦を意味する言葉です。ムーンショットも、逆算的思考法を行い、その結果からどのような目標や挑戦がインパクトをもたらせるかを考えるものとなっています。

先述のリンケージとレバレッジポイントに関しても、このバックキャスティングが大いに活用されています。将来的にどのように問題を解決し、どのような状態に持って行きたいか、という未来を立てて、そこから逆算的に具体的な手段を考えていくのです。SDGsの達成には、このバックキャスティングを用いた思考が欠かせないのです。例えば、SDG1(貧困をなくそう)を達成した社会をイメージしてみてください。世界中の人が、飢餓や栄養失調に苦しむことなく、ひもじい思いをしていません。では、そうした状況を創り出すためには何が必要でしょうか?まず世界中の人のもとに十分な食料がいきわたる必要があります。それらの食料は、人が健康でいられるための栄養を十分確保できる物でなくてはいけません。ひもじい思いをしないために、安全な住居や温かい衣服も必要でしょう。では、世界中の人のもとに十分な食事を行き渡らせるためには...。と、このように逆算的に物事を考え、現在に近づくにつれてより具体的な手段を確立していくのです。

こうして逆算的に手段を立てる中で、目標に一気に近づく素晴らしいアイデアが浮かぶ可能性があります。しかし、そうしたアイデアの達成は簡単ではなく、莫大な費用がかかる可能性もあります。このように、成功することは難しいが、成功すれば大きなインパクトを持って目標の達成に近づくことができる手段のことを、ムーンショットと言います。元々は、「月に向かてロケットを打ち上げる」という意味があり、アメリカが行ったアポロ計画に起因しています。最近では、内閣府がAIロボットとの共生によって、誰もが多様な社会活動に参画できる社会を目指す、サイバネティック・アバター基盤という目標を確立して注目を浴びました。日本政府が超高齢化社会などの社会課題に対し、人々を魅了する野心的な目標を打ち出した、まさにムーンショット目標の代表例であると言えます。

実はSDGsは、2030年までのムーンショット、と言われることもあります。SDGsには、人類が2030年までに実現したいと考えているムーンショットが複数含まれているのです。一方で、「ムーンショット」と呼ばれることからも分かるように、SDGs自体が達成困難であると思われていることも事実です。17の目標の中に169の指標があり、それらを同時並行で達成しようと試みているのがSDGsです。当然、これまでのように過去の経験からの積み上げから物事を進めて(フォアキャスティング)いては、2030年までの目標達成は到底不可能です。これからは、2030年をバックキャスティングし、そこから逆算的に現在必要なイノベーションを考えていく必要があるのです。


まとめとして、バックキャスティングもムーンショットも、SDGsという概念を考える際に必要不可欠な思考法であり、それはまたSDGs達成のための一つのツールでもあるのです。これまで、「過去がこうだったから未来はこうなる」という思考法がごく普通に用いられ、そしてそれが実現してきました。しかし、VUCA時代には、そうした「過去→未来」の思考法は、極めて不確実で不安定なものになりました。重要なことは、バックキャスティングにしてもムーンショットにしても、そこに「あるべき未来の姿」を持つことです。そもそも確実な未来は誰にも分からないわけです。「この調子でいくと、こんな未来になる」という未来予測を立てるのではなく、「こんな未来にしたい」という明確な目標を持たなくてはいけません



アウトサイドインとインサイドアウト

アウトサイドインとは、社会問題などに対してどのようなアプローチが必要かを考える思考法です。インサイドアウトは、自分たちの持つ技術やリソースがどのような問題を解決するかを考える思考法です。この思考法も、先述のバックキャスティングとフォアキャスティングと非常に似通っており、本質的な部分では同様の思考法となっています。

アウトサイドインとインサイドアウトは、主にビジネス業界で用いられることの多い用語です。アウトサイドインの前身となるのが「マーケットイン」であり、インサイドアウトの前身となるのが「プロダクトアウト」です。人によっては、こちらの言葉の方が馴染みがあるかもしれませんね。マーケットインとプロダクトアウトが、企業と顧客を結んでいるのに対し、アウトサイドンとインサイドアウトは、企業が顧客を通して社会と結ばれている点が、両者の違いです。下図に示した通り、企業がどのような商品やサービスを顧客に提供すれば、どのような社会問題が解決されるかを考えるのがインサイドアウトで、社会問題に対して、顧客を通してどのようなアプローチをすれば、企業として問題解決に貢献できるかを考えるのがアウトサイドインです。

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近年では、各企業がSDGsに沿って社会問題を解決しようとするようになったことで、アウトサイドインの考え方がより一層注目されるようになりました。アウトサイドインは、バックキャスティングと類似しているため、やはり同様の思考法を行います。さらにSDGsに絡めると、先述のリンケージとレバレッジポイントも、企業と周辺環境を語る上で欠かせません。社会問題は、どのように他の社会問題や人々と関わり合っているのかを吟味し、どのようなアプローチを行なえば、より多くの問題を解決できるかを見極めることができる、というプロセスは、まさにリンケージとレバレッジポイントそのものです。同様に、SDGsを達成するためには、まずどの目標を達成したいか定め、その目標を達成するためにはどのような社会問題を解決する必要があり、その社会問題を解決するためには自社はどのようなことができるのか、と考えることこそ、アウトサイドインの重要な役割です。また、最近は社会問題に対して意識的になっている顧客も増えており、そうした社会と顧客の間にこそ、企業にとっての新たなビジネスチャンスがあるのです。社会問題を解決したい企業と、社会問題解決に寄与したい顧客と、解決されたい社会問題の、それぞれが得をするアイデアを持つ企業や個人が、新たなビジネスを確立することができるのです。

では、古い考え方であるインサイドアウトがダメなのかと言われると、全くそんなことはありません。『心が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる』。これは、アメリカの哲学者ウィリアム・ジェームズの言葉なのですが、インサイドアウトを端的に表した良い例となっています。この言葉が意図するところは、「運命を変えたくば、心を変えよ」ということであると思われます。そしてこの言葉を聞いた人は、自分の心を見つめ直すことになります。インサイドアウトの重要な点はここで、直面した問題に対して、自社がどのような改善策を講じれば良いかを考えることが、最終的にはより大きな問題の解決に繋がるのです。例えば企業が、自社製品の売れ行きが伸び悩んでいるとして、製品や販売手法を見直します。すると、製品の原材料の見直しが、余分な原材料の消費の廃止に繋がるかもしれませんし、無駄な紙を使った広告をやめて、新たにWeb広告に切り替えたりすることに繋がるかもしれません。また、顧客が本当に必要としている製品を作って喜んでもらうことは、SDG8(働きがいも経済成長も)にもSDG12(つくる責任つかう責任)にも通ずるのではないでしょうか?このように、インサイドアウトはアウトサイドインとは異なる観点からSDGs達成に貢献できると言う点では、欠かすことができない概念です。アウトサイドインだけではカバーできない部分をインサイドで補うことで、企業にとっても顧客にとっても社会にとっても良い影響があるのです。


まとめとして、アウトサイドインとインサイドアウトは、SDGsを達成するために必要な具体的な方法を考えるきっかけを与えてくれるものだということを理解して頂ければ結構です。どちらか一方が正しいとか、どちらか一方しか採用しないということではなく、どちらも使った事業戦略や経営を行うことが重要であるということです。また、アウトサイドインもインサイドアウトもビジネスと共に語られることが多いのですが、ビジネスの力はやはり強大なので、SDGs達成と言う目標のためには、こうしたビジネスの力も積極的に活用していくべきです。



SDGコンパス

SDGコンパスとは、企業向けのSDGsのガイドラインです。GRI(Global Reporting Initiative)と、国連グローバルコンパクトと、WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)の3団体によって開発・公開されたガイドラインとなっています。ガイドラインに記載された具体的なステップは、下記のようになっています。

1.SDGsを理解する
2.優先課題を決定する
3.目標を設定する
4.経営へ統合する
5.報告とコミュニケーションをする

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https://sdgcompass.org/

まず大前提として、SDGsを理解するところから始まります。17個のSDGを理解したところで、自社がどの目標に携わるか、どの目標に貢献できるかを考え、それぞれ優先順位を決定します。こうして優先的に貢献する目標を定めた後は、それらの目標から、自社が取り組む経営の目標を確立します。そして、その目標を経営に統合していきます。目標達成のための具体的な方法や手段を実践していくのです。最後に、こうして行った一連の経営の流れと結果を、ステークホルダーに報告をし、更なる改善を行うことで、また新たな経営スタイルの確立に繋がっていきます。このように、所謂バックキャスティング的な考えを用いて、企業が自社へSDGsを導入する手助けをするのが、このSDGコンパスの役割なのです。

このSDGコンパスを理解する上で大切な概念の一つに、「自分ごと化」という言葉があります。SDGsコンパスでなくとも、SDGsに触れたことがある方なら、「自分のこととして考える」という言葉は聞いたことがあるかもしれません。「自分ごと化」というのは、何も個人に限った話ではなく、このように企業も意識しなければならないのです。「自分ごと化」に関する非常に面白い見解を、石井雅章氏が論文として執筆されているので、そちらを参考にさせて頂きつつ、具体的な「自分ごと化」のステップについて説明していきます。この「自分ごと化」のステップは、SDGコンパスのように企業にのみ当てはまるわけではなく、私たちがどのようにしてSDGsを自分ごととして落とし込んでいくのか、という観点からも見ることができます。「自分ごと化」には、「認識・対象化・ステークホルダー・システム」の4段階があり、各ステップを辿ることで、SDGsを自分ごと化する流れが示されています。まずはSDGsの存在を知ってもらい、そこからSDGsを理解してもらうのが「認識」です。次に、自分や自社にSDGs達成のための行動を当てはめ、貢献のための工程を考える「対象化」を行います。次に、自分や自社がSDGs達成のための貢献活動を行うことで、ステークホルダー(利害関係者)にどのような影響があるのかを捉え直す「ステークホルダー」のステップに進みます。そして最後に、自分や自社の周辺環境から、自分や自社の採っている既存のシステムを見直し、それらのシステムの在り方を捉えなおします。ここまで到達できれば、立派にSDGsを自分ごととして捉えることができていると言えるのです。


まとめとして、SDGコンパスは企業がSDGsを経営に組み込んで、SDGsを達成するための経営を実践するためのガイドラインであるということを理解して頂ければ結構です。SDGコンパス自体は、企業向けに作成されたものではありますが、その内容には、私たちが個人に活かせるような概念や思考プロセスも多く含まれています。SDGsコンパスのリーフレットでは、最後の方に「SDGsはいわば、報告における共通言語である」と記されています。企業が自分たちの活動や存在証明としてSDGsを用いることで、その企業の価値を高め、SDGsの達成に大いに貢献することになるのです。そして私たちも、そうした企業の活動や価値を、SDGsという共通言語を通して理解し、正しい選択を行えるようになるのです。



終わりに

ここまで読了いただき、誠にありがとうございます。

今回は、SDGsを学ぶ上で重要な概念を、非常にかいつまんで説明・紹介してきました。これらの特徴として、ビジネス用語が頻繁に登場していたことが挙げられます。面白いのは、本屋などでSDGs関連の本を探す際に、こうしたSDGs関連の本が多く並べらているのが、「経営」や「経済」のコーナーなのです。近年は、SDGsが単なる国際的取り決めの枠組みを超えて、私たちの生活の中で、どのようにして実践していくかが求められているように感じました。「これまで」のSDGsは、こうした国際的枠組みとしての存在に過ぎず、近年ようやく大手企業などがこのSDGsの達成に向けて実践的に行動し始めたばかりです。「これから」のSDGsは、この枠組みや具体的行動が、さらに私たち個人に落とし込まれ、より効果的で実践的な取り組みができるようになる必要があります。忘れてはいけないのが、「誰一人取り残さない」のがSDGsであり、企業の実践だけでは、完全なる「誰一人取り残さない」は達成できないのです。私たち一人ひとりが、どれだけSDGsを「自分ごと化」できるかによって、これからの達成状況は大きく左右されると筆者は考えています。

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