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発見、珍場面。

 久しぶりに休題…というか、近影のようなお話。6月の警報級の大雨が全国区を襲来し、非常に大きな雨雲が天気予報にも映し出されていたある日。
 Twitterにて面白そうな列車がJRで運転されているのを確認して見に行く事にした。
 場面としては京都貨物駅に停車している様子しか撮影が出来なかったが、普段は関西地区では絶対に撮影できない電車を撮影する事に今回は成功…また、その場面も普段はあまり遭遇しない場面というものだった。
 その場面というのは、『横浜市交通局向けの新型車両輸送』である。今回は現在、横浜市営地下鉄のブルーラインに投入中の4000形とグリーンラインの増備中間車である10000形の甲種輸送が実施されていた。
 甲種輸送・甲種回送というのは車両を製造先で落成し、その落成した鉄道車両を発注した会社に営業線を活用して搬送する事業の事だ。今回は兵庫県・川崎車輛にて横浜市営地下鉄向けの車両を8両製造・発注する事業が行われたのでその車両輸送・発送が『兵庫県→神奈川県』にて実施された事になる。

 甲種輸送される鉄道車両…は扱い上、『貨物列車』の扱いを受け、その担当はJR貨物が引き受けている。電気機関車を保有する私鉄や第三セクター線の私鉄がその引継ぎをしている事例…も存在しているが、最近はかなり稀になった。
 その為、『長い鉄を繋げた荷物』という図体になっており、道中は様々な貨物駅に停車してその様子を確認したり『発注先への状態検査』などを行う。『電車』のように見えても、この段階では『納品される商品』として交通機関の走る線路を間借りしている状態になるのだ。
 今回の車両、横浜市営地下鉄4000形…というのは第三軌条方式で運転されている地下鉄車両となる。その為、車両は通常のJRの線路を走行する事が出来ない。なので、写真で判別できるように『仮台車』を履いて走行している。
 この仮台車を履いての走行はJR線の走行時のみであり、JRの貨物ターミナルから先は陸送で横浜市営地下鉄の車両基地に向かうようになっている。その際には台車と結合し、鉄道車両としての本来の姿が明かされるのだ。

【写真】©︎ ゆりかもめ@yurikamome_77 さん提供

 実際に輸送されている横浜市営地下鉄4000形の営業写真がコチラ。輸送が完了し、現地・神奈川県で晴れてデビューを果たすとこのような出立ちでの登場となる。
 車両は先程も記したように第三軌条での運転となっており、屋根にパンタグラフは搭載されておらず架線も張られないシンプルな状態だ。
 車両のプロフィール、としては令和4年5月に登場した、横浜市営地下鉄の新型車両。『海辺の先進的な都会感』をコンセプトにして車両は設計され、車両には凛とした佇まいとスピード感を持たせている。バリアフリー・防犯セキリュティにも配慮した電車であり、車内には防犯カメラが配置され安全性が向上した。また、新型コロナ渦真っ最中の登場との事もあり…として、車両には抗菌対策も施している。
 これからゆっくりと車両増備を行い、現在でも1編成、そして営業中の編成が在籍している新型の車両…だが、順次8編成の投入を予定しているという。

 その4000形の先にはある車両が連結されている。この車両も同じく横浜市営地下鉄の車両だ。
 この車両は、横浜市営地下鉄・グリーンラインの増備中間車であり将来のグリーンライン沿線人口増加、そして生活のスタイルが戻った事をキッカケに地下鉄の利用客増加を見込んで中間車増備を決定させたものだった。
 普段の甲種輸送…近年の甲種輸送に関しては、単独編成での輸送での実施というものがかなり多い傾向にあった。
 しかし、甲種輸送でもこうして発送会社が同じ、または発注会社と発注車両が同じ…などして、車両の輸送が重複しあり得ない併結がその時だけ成立してしまうケースも存在してしまう。
 甲種輸送の醍醐味、に多いものは『輸送中にその時ならではのご当地な並びの撮影』として、関西圏では207系普通電車や225系新快速…と写真での共演で楽しめる場合が多い。
 しかし、こうして『併結』で楽しめる甲種輸送というパターンは初見だった。何度か雑誌や先人での撮影記録で、「何故これが成立する?」という妙な併結での輸送や、「こんな組み合わせで運んだのか」などの記録を眺めた事はあっても、実物ははじめてだった。
 いつの時代であっても、社会的な事情でこうした特殊な輸送というのは発生してしまうのだと感じた次第である。

【写真】©︎ ゆりかもめ@yurikamome_77 さん提供

 こちら、横浜市営地下鉄10000形に関しても営業運転中の写真を見てみよう。
 横浜市営地下鉄10000形は、平成20年に開業したグリーンライン用の車両として導入された電車だ。しかし、4連×15編成では編成数が不足し、後に2次車の2本を導入した経歴を持っている。
 10000形が走行するグリーンラインでは、急勾配・急曲線が非常に多い。その為、車両は小断面積の車両を採用し、リニアモーター駆動で動かす方式を採用した。地下鉄用語で表記すると、『鉄輪式リニアモーター駆動』で車両は走行しているのである。
 車両に関してはバリアフリー化を実施し、横浜市交通局で初の車内LCDを搭載した電車となった。市民にも乗客にも優しい地下鉄車両として今日も走っているのである。
 そして、このグリーンライン好調の波は止まらず、乗客は増加傾向に。そして、生活が新しい様式を次々と終了し沿線人口の増加に伴って今回の『中間車増備』の甲種輸送が実施されたにいたるのだ。
 甲種輸送以外にも、横浜市交通局は令和3年頃から積極的にグリーンラインの6連化へ向けた工事、そして運動を次々に実施している。今後の飛躍が楽しみな状況を確認できた。

 おまけ。
 この日は帰宅時に警報級、災害級の大雨…という事で野洲以降?だったか米原以遠?が抑止扱いに。
 これに伴ってノーナンバーの普通列車が走行していた…のもレアな事象かもなんですが、なんと安土ゆき誕生でございます。
 しかも車両は225系。いやぁ、すげーですね。

 そして、眠気と頭痛が一気に飛びそうな手前…までな出会いだったDEC741の遭遇。
 噂によれば草津くらいまで飛んで行ったらしいが、何をしに?何人かの方、この不測の遭遇にも非常に驚かれている様子で。

 連載関係も頑張ります。旅のネタもついでに。
 そして最後になってしまいましたが、写真提供くださった方、今回は協力ありがとうございました。

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