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ニコラス・カルペパーの窓|DAY 3|

本記事はオンライン展覧会《ニコラス・カルペパーの窓》DAY 3の配信記録です。本記事をチェックすれば、DAY 3の配信を見落としなく確認できます。最終日10月19日夜までに、全出品作がここスクリプトリウム(note)霧とリボン オンラインショップに並びます。

DAY 3 配信ラインナップ

文|霧とリボン

 オンライン開催《ニコラス・カルペパーの窓》展も三日目を迎え、会期前半が終了致しました。今日までの配信記事は18本(まとめ記事含む)。お気に入りの記事はございましたでしょうか。
 明日10/16と10/17は【配信お休み日】です。お休みをはさんで会期後半、10/18と10/19の残り二日間もどうぞご期待下さい。

 本展がオマージュを捧げるハーバリスト・占星術師のニコラス・カルペパーは、一部の特権階級の人たちが独占していたハーブの知識を市井の人々の手に届けました。

Nicholas Culpeper
The English Physician(1652)

 カルペパーが生きた17世紀の英国。当時をイメージすることは難しいですが、初版以来、いまだ途切れず版を重ねているという『カルペパー ハーブ事典』を紐解く時、カルペパーの言葉が温度を持って迫ってきます。
 こうしていま、日常の中にハーブが息づいていることは決してあたり前ではなく、カルペパーはじめ礎を築いた過去の人たちの恩恵の先に私たちが立っていることを改めて思い知らされます。

そこで理性と経験をもとに、自然を探究することにした。そして理性と経験に助けられ、勤勉に研究に励んだ結果、ついに望みをかなえることができた。そしてこの時代にあっては珍しい正直さを発揮して、この本を世に送り出すことになった次第である。
                ——「読者への手紙」1653年9月5日より

『カルペパー ハーブ事典』ニコラス・カルペパー著/監修:木村正典/訳:戸坂藤子
(パンローリング・2015年)収録

 情熱を持って研究と啓蒙に生きたカルペパーから手渡されたハーブのひと束を胸に、地に根差し天を仰ぎながら、ささやかでも誠実にその遺産を繋いでゆく——本展に込めた強い想いです。

「(中略)ハーブが効果をもたらす理由を知るためには、占星術の知識をもって空高く星を見あげなければならない。」
                            ——同前より

同前収録

 『カルペパー ハーブ事典』は草舟あんとす号さま(小平)の連動選書フェアにて販売中です。支配星や当時の処方など興味深い内容満載ですので、ぜひご高覧下さいませ。

『カルペパー ハーブ事典』(右上)

 《カルペパーの世界に触れる選書フェア》も今日で三日目。連日ご来店の皆様に心より感謝申し上げます。今日は、本展参加アーティストの画家・金田アツ子さまが訪れたそう。

 店内では《小川未明作・松村真依子絵『野ばら』ミニ原画展》同時開催中です。

★明日10/16〜10/18まで【定休日】です★

 定休日明け、あんとす号さまのやさしい店内へどうぞお出かけ下さい。


 それでは、本日DAY 3の配信記録をお届け致します。
 毎日夜に更新される一日のまとめ記事(本記事)をご覧になれば、見落としなく配信内容をチェックできますので、ぜひご活用下さい。


 眩い色彩が出迎えてくれました。
 DAY 3の最初の扉はイラストレーター・松下さちこ様の生命力あふれる作品。処方箋ラベルとして昇華されたカルペパーへの頌歌をヴィクトリア朝文学研究者熊谷めぐみ様が桂冠詩人のエレガンスで吟じます。


 レースのカーテンを秋風が揺らす小部屋では、星を詠む人がカードを手に待っていてくれました。風合い豊かな一枚一枚を取り扱うやさしく美しい所作に、秋風もが魅入られ、その場に留まろうとしています。
 私たちのそばで希望の光を放つ薄き紙たちは、美術作家・tegamiya様の美意識と才気で漉かれているのです。


 刹那、秋風が闇色を伴って裳裾を翻してゆきました。そののち訪れた裂くような静寂の中、だんだんと近づいてくるのは小説家・歌人・文学研究者川野芽生さまのセイレーンに似た声——燦爛の技を伝える古典技法 KANESEI様が彫刻した海よりも深い虚空にいつまでも響いて。


 次に訪れた小部屋は書斎のようでした。
 手入れの行き届いたライティングビューローの上には、冬を待たずに届けられた薄闇色の小箱——そっと開封するとそこには三色の糸で織られた香りの贈り物が。色名は、詩人・翻訳家、高田怜央さま、ハーバリスト・アーティストShirakaba lab様、プライヴェート・ポプリブランドDu Vert au Violet


 先の織物の設計図をみつけるため書斎を歩いてみると、そこここに散らばって紙片がビス留めされている。重厚な革装丁の書物の中に、珈琲カップの縁に、広げられた地図の中に、活けられた菫色の花びらの先に。
 道なき道を照らし開拓してゆく詩人・翻訳家高田怜央さまの想像力と言葉の星図を、垣間見ることができました。


 DAY 3の5つの配信、お楽しみ頂けましたでしょうか。明日10/16と10/17は【配信お休み日】です。あんとす号さまも明日10/16〜10/18まで【定休日】になります。
 お休みをはさみ、10/18・10/19会期後半の本展10/19最終日となる連動選書フェア、最後までどうぞよろしくお願い致します。



【10月20日(日)21時~22日(火)21時】
BASE【15%OFFクーポン】利用可能
(*諸条件あり)
オンラインショップに順次新作掲載中

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