ニコラス・カルペパーの窓｜DAY1｜

2024年10月13日 20:23

本記事はオンライン展覧会《ニコラス・カルペパーの窓》DAY 1の配信記録です。本記事をチェックすれば、DAY 1の配信を見落としなく確認できます。最終日10月19日夜までに、全出品作がここスクリプトリウム（note）と霧とリボンオンラインショップに並びます。

DAY 1の配信ラインナップ

文｜霧とリボン

　長かった夏がようやく去り、だんだんと秋が深まってまいりました。遥けき空が心地よいこの頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

　本日、オンライン開催の霧とリボン企画展《植物と香りのネセセールvol.2〜ニコラス・カルペパーの窓》が開幕しました。アーティスト作品と執筆者のエッセイが作り上げるオンライン展覧会。お好きな時間、お好きな場所から配信をお楽しみ下さいました皆様に感謝申し上げます。

Nicholas Culpeper
The English Physician（1652）

　脈々と続いてきたハーブと占星術の水脈へ、現代のアーティスト達を導くように窓をあけた巻頭エッセイから本展がスタート。ヴィクトリア朝文学研究者・熊谷めぐみ様の植物のしなやかさ持つペン先が星々を追って空高く舞い上がります。

　本展メインヴィジュアルをエレガントに飾ったキャンドルブランド・CANDLE STUDIO MAGIERA様。その夜空色の妙なる幽玄世界へ、詩人・映像作家の維月楓さまが暗闇を共に歩く仕草でやさしく手招きします。

　足元の落ち葉に季節の移ろいを感じながら、次の小部屋へ——

　そこで出会ったのは、私たちの内なる深い記憶に語りかける風景。美術作家・tegamiya様の誠実な筆先が手繰り寄せたのは命の巡りであったことを、精神科医・元法医学教室助手・少女批評家の高柳カヨ子先生が筆先の軌跡を丁寧に追い、豊潤に伝えてくれます。

　ジュエリー＆アクセサリーブランド・marship様による珍かな装身具が陳列された小部屋には、自然物を讃える精巧な手仕事が息づいていました。小説家・歌人・文学研究者の川野芽生さまが幻想の扉をひらき、「装身具と私」が辿った稀有な物語を詳らかにします。

　薔薇の香りに誘われて最後に訪ったのは、ハーブ咲き乱れる場所。

　素敵な実験をしているコラージュ作家・合田ノブヨ様に出会いました。自然への畏敬を蒸留し、薔薇とハーブたちに調合、珠玉が次々生まれてゆきます。詩人・翻訳家の高田怜央さまがひらりとやってきて珠玉をそっと掬い上げ、私たちが忘れているお庭のことを思い出させてくれました。

　今日という日をネセセールに詰めて——
　オンライン展覧会を通して皆様のネセセールがいっそう充実し、日常が色づく端緒となりましたら嬉しいです。