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ニコラス・カルペパーの窓|松下さちこ|感性の処方箋

 ニコラス・カルペパーが広め、後の世に残したものを、松下さちこが柔らかな心で受け止め表現したのは、感性の処方箋。そこには、私たちひとりひとりを癒し、刺激し、想像させる素敵なラベルが塗布されていました。
 モーヴ街7番地「スクリプトリウム」では、植物と占星術が織りなす、新たな世界が私たちを優しく手招きします。

 色鮮やかなハーブがまわりを囲み、太陽と月が左右で絶妙なバランスを見せる中、鉱物はその関係性を支えるかのように存在感を示している。天と地の恵みを医学に用いることで革新的な道を開いたカルペパー、そんなカルペパーの大胆さと作家の大胆さが共鳴することで、カラフルでわくわくする刺激的な作品が生まれた。

 大きく花開いたローズをはじめとして、ハーブはひとつひとつの命を作品の中で示している。まるで、私たちはこんなにも生きていますよ、と告げるように。

 描かれたものがそれぞれ個性的なのに、一つの作品として完璧に調和しているのは、そのすべてに敬意を払う作家の真摯な姿勢が反映されているからだろうか。そして、見え隠れする作家の自由なあそび心が作品をより魅力的にする。

 今日、私に処方されたのは、ずっと昔から受け継がれてきたという天と地の恩恵を凝縮した薬。

 私はその不思議なラベルに釘付けになる。水瓶から溢れ出るように空高くとどろく水は、涙の雨を降らせる雲に到達しようとしている。土星の向こうに見えるコンフリーは水と両壁を成し、その中を通って雨は水瓶へと落ちていく。天と地のめぐりゆく命の流れ。私はなんどでもラベルを見つめる。

 自然の恩恵を大胆さと繊細さで表したラベルが塗布された、世界でただひとつの感性の処方箋。

松下さちこ|イラストレーター →Instagram
第187回ザ・チョイス入選(皆川明氏選)。主な仕事に百貨店クリスマスビジュアル、アパレル、音楽関連、パッケージ、挿絵~装画等。様々な技法で描くイラストレーションと手描き文字で活動する。

熊谷めぐみ|ヴィクトリア朝文学研究者 →Blog
子供の頃『名探偵コナン』からシャーロック・ホームズにたどり着き、大学でチャールズ・ディケンズの『互いの友』と運命の出会い。ヴィクトリア朝文学を中心としたイギリス文学の面白さに魅了される。会社員を経て大学院へ進み、現在はディケンズを研究する傍ら、その魅力を伝えるべく布教活動に励む。モーヴ街5番地、チャールズ・ディケンズ&ヴィクトリア朝文化研究室「サティス荘」の管理人の一人。
X|@lond_me



作品販売期間
【10月20日(日)21時~22日(火)21時】
BASE【15%OFFクーポン】利用可能
(*諸条件あり)

作家名|松下さちこ
作品名|星と地球の共鳴

手描き文字|Resonance between the stars and the earth
インク・色鉛筆・紙
作品サイズ|24cm×18cm
額込サイズ|28.8cm×22.8cm
制作年|2024年(新作)

作家名|松下さちこ
作品名|土星の処方箋

手描き文字|Benefit(恩恵)
インク・色鉛筆・紙
作品サイズ|9cm×7cm
額込サイズ|12.2cm×10.2cm
制作年|2024年(新作)

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