JONI JTS-『歌うかもめ』(pro.IRONSTONE)(歌詞) 5 梶本鐘広 2021年8月3日 14:51 (lyric)天に太陽がさす真下には果てのない海鳥がとびかう東の空に一匹のかもめが居ました『なあ、聞いたことあるか?歌うかもめの国が、この空のどこかにあるらしいぜ』『歌う…かもめの国…』『そこではたくさんの歌うかもめが歌を歌いながら暮らしてるそうだ。そこでは歌を歌うかもめは差別されないし、一緒に歌を歌ったり歌を研究したり…とにかく、とても楽しいそうだよ。いつか行ってみたいものだなあ…』『そんな場所、本当にあるのかい?』『分からない…あくまで噂さ。知り合いのかもめが離れた島に行った時に聞いたそうだ』『そうか…もし…もし本当に歌うかもめの国があるのなら、僕も、そこに行きたい…』 空を舞う、かもめの群れここは東の果て灰色の雛鳥、周りに、やはり、若いひなたち虫、を捕まえたり、エサをとる事を教わるかもめの学校では、先生が、世界の仕組みを伝えている『エサをとり、子を増やし、群れを受け継いでいくんだ君たちの親も、おじいちゃんおばあちゃんもそうして生きてきた。おじいちゃんのおじいちゃんも、そのまたおじいちゃんもだ。それが一番大事なのさ。いいか、エサをたくさんとれよな。分かったか』それはある日の事だった彼はひとりで海岸線をはばたいて巣に帰る最中でそれを耳にした遠くの方でかもめが鳴いてるだが何故その声不思議なもんでメロディーを奏でるそれは衝撃、眠い、気持ちも吹き飛ぶ突き刺す、胸の奥、始めてのエモーション何故だか聴くのがこわくてそれは何かが起きそうでだが耳は引き寄せられるかもめがこんな風、鳴けるなんて僕は知らなかった風の音がビュンビュンなる中でハーモニーになる声その時何故、心の奥で彼はこう思った『僕もあんな風に鳴き声で歌、歌ってみたい』って巣に帰った後彼はこっそり真似をしてみたりして歌の練習はそのまま毎日の日課に変わったんだ『ちょっと来なさい。話がある』『なんだい、父さん』『お前は最近、おかしな鳴き声を出してばかりじゃないか。エサをとる練習はどうなってるんだ』『それは…。僕は…。僕は歌を歌えるようになりたいんだ』『何を言ってるんだ!かもめはエサをとり冬を越える事だけ考えていればいいんだ。下らない事はすぐ辞めなさい』彼は歌う事を辞めなかった周りのかもめには気味が悪くて群れから追放された学校の友達も彼とは縁を切りひとりきり眺める天寂しさ悔しさ彼は抱えひとりで空を走る毎日、エサをやっとの思いでとってはまた歌って行き先は分からない孤独の中でたまに涙も流してだがある日の事だった他の群れも居ない空の果てで彼は何匹かのかもめに会った『君も歌うかもめかい?』『そうだけど…まさか君たちも?』『そうさ。僕らも歌うかもめさ。群れから追放されたんだ。君も僕達と歌の練習をしないか?ひとりよりずっといいぜ』彼等は気のいいかもめだった皆クセがあり、面白い鳥ひとりひとりの歌声を持ちメロディー奏でたり羽で踊ったり一緒に食事やエサをとりに夜になると歌を競い合いひとりの時間が長かった彼は楽しい日々を噛み締め過ごしたそんなある日、一匹がこう言った『なあ、聞いたことあるか?歌うかもめの国が、この空のどこかにあるらしいぜ』彼等はそれを探し始めたどこにあるか検討つかないが時に嵐に、時に雨風に、寒さに、飢えに、病に遇いながらだが鳴き声は確実に磨かれたそのうちそれぞれ空を飛ぶペース変化し一匹一匹のサイクル一匹は西へ一匹は東一匹は南一匹は北へとそれぞれ同じ思いを持ちながらその国がどこかにあるはずだから必ずその国で再会しようと形の無い約束は形が無いからこそ彼には重要だった歌うかもめの国を知っていますか?歌うかもめの国を知っていますか? #小説 #詩 #音楽 #配信 #ヒップホップ #日本語ラップ #詩の朗読 #シングル #朗読劇 #JAPANESE_Hip_Hop #JONIJTS #IRONSTONE 5 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート