Screenless Media Lab.

生活情報環境における、視覚と聴覚のバランスを、リデザインする。 音声メディアの可能性を…

Screenless Media Lab.

生活情報環境における、視覚と聴覚のバランスを、リデザインする。 音声メディアの可能性を探求し、その成果を広く社会に還元することを目的とした研究所です。

最近の記事

ゾウは互いを名前で呼び合っている――「ゾウの鳴き声」の最新研究

2024.10/18 TBSラジオ『Session』OA Screenless Media Lab.は、音声をコミュニケーションメディアとして捉え直すことを目的としています。今回は、ゾウの鳴き声からわかった驚きの最新研究をご紹介します。 ◾AI研究で進む動物の声 これまでご紹介してきたように、昨今のAIの発展によって、動物の生態の詳細がわかるようになってきました。音声領域では、様々な動物が声を利用してコミュニケーションを行っていることがわかっています。その代表がクジラで

    • 有名人の声はどこまでAIで利用すべきか――「声の権利」を考える

      2024.10/11 TBSラジオ『荻上チキ・Session』OA Screenless Media Lab.は、音声をコミュニケーションメディアとして捉え直すことを目的としています。今回は、有名人の声をAIが学習する場合の「権利」に関する最近の動きを紹介します。 ◾有名声優の声を利用した多言語化戦略 2024年10月7日、AIサービス会社「CoeFont社」と、声優専門のプロダクション「青二プロダクション」がパートナーシップ締結を発表しました。 CoeFontは以前

      • AIが行う電話対応に不満を抱く人々――「求められる声」を考える

        2024.10/04 TBSラジオ『荻上チキ・Session』OA Screenless Media Lab.は、音声をコミュニケーションメディアとして捉え直すことを目的としています。今回は、電話に対応するAIアシスタントが抱える問題から、AIに求められる声を考えたいと思います。 ◾電話対応するAIアシスタントに多くは不満を抱く 昨今は、ユーザーがカスタマーサポートセンター等電話をした際、AIアシスタントが対応するサービスがあります。例えば、米「Tenyx」という企業も

        • ChatGPTとの音声会話で、人間がAIに愛着を持つ?――「AI音声」の可能性と課題を考える

          2024.9/27 TBSラジオ『荻上チキ・Session』OA Screenless Media Lab.は、音声をコミュニケーションメディアとして捉え直すことを目的としています。今回は、ChatGPTの新機能から、AIとの音声会話の可能性と課題を考えたいと思います。 ◾ChatGPT「高度なボイスモード」 ChatGPTの運営元であるOpenAIは2024年7月から、一部のユーザーを対象に「高度なボイスモード」の提供を開始。9月24日には、有料ユーザー限定ではありま

        ゾウは互いを名前で呼び合っている――「ゾウの鳴き声」の最新研究

          音楽は人と生演奏を聞くとより効果的?――「音楽の感じ方」に関する最新研究紹介

          2024.9/20 TBSラジオ『荻上チキ・Session』OA Screenless Media Lab.は、音声をコミュニケーションメディアとして捉え直すことを目的としています。今回は、どのような状況で、どのような音が、どのような影響を人に与えるのかについて、いくつかの興味深い事例を紹介します。 ◾音楽は大人数で聞くと効果的 人と一緒にいることで元気が出た、という経験は誰にでもあるでしょう。実は音楽も、誰かと聞くと喜びが増大するという研究があります。これは仏リヨン大

          音楽は人と生演奏を聞くとより効果的?――「音楽の感じ方」に関する最新研究紹介

          論文やウェブサイトの内容を音声コンテンツ化して説明するAI――Google「NotebookLM」の新機能

          2024.9/13 TBSラジオ『荻上チキ・Session』OA Screenless Media Lab.は、音声をコミュニケーションメディアとして捉え直すことを目的としています。今回は、Googleが公開しているAIツールに搭載された、音声機能について紹介します。 ◾Googleの「NotebookLM」 Googleは「NotebookLM」というAIツールを公開しています(現在は無料で利用が可能です)。このツールは、論文等のPDFやウェブサイトのURLなどの「情

          論文やウェブサイトの内容を音声コンテンツ化して説明するAI――Google「NotebookLM」の新機能

          視覚に障害のある人に向けた、雨音を軽減する傘――「騒音対策技術」の最前線

          2024.9/06 TBSラジオ『荻上チキ・Session』OA Screenless Media Lab.は、音声をコミュニケーションメディアとして捉え直すことを目的としています。今回は、騒音対策として、雨音をカットする傘など、騒音対策に関する情報を紹介します。 ◾人々の健康を害する「騒音」 これまでも当ラボは、騒音に関する課題とその対処法について紹介してきました。騒音に関して、一般に通常の会話は約60デジベルで、自動車やトラックは約70~90デジベルで、人は通常45

          視覚に障害のある人に向けた、雨音を軽減する傘――「騒音対策技術」の最前線

          おいしいコーヒーは超音波でつくれる?――「超音波でつくるコールドブリューコーヒー」の紹介

          2024.8/30 TBSラジオ『荻上チキ・Session』OA Screenless Media Lab.は、音声をコミュニケーションメディアとして捉え直すことを目的としています。今回は、音を利用してコーヒーの抽出時間を短くする研究について紹介します。 ◾音で味が変わる「ソニックシーズニング」 音が味に影響を与えるという研究が存在します。その最たるものは、以前も紹介した「ソニックシーズニング」と呼ばれるものです。 私たちは五感を使って生きていますが、聴覚と味覚など、

          おいしいコーヒーは超音波でつくれる?――「超音波でつくるコールドブリューコーヒー」の紹介

          脳に埋め込んだ電極から言葉を読み取る――「ブレインテック」の最新研究紹介

          2024.8/23 TBSラジオ『荻上チキ・Session』OA Screenless Media Lab.は、音声をコミュニケーションメディアとして捉え直すことを目的としています。今回は脳波を読み取る「ブレインテック」の最新研究をご紹介します。 ◾これまでのブレインテック 昨今は、脳や脳神経とテクノロジーをかけ合わせた「ブレインテック」あるいは「ニューロテック」といった分野の研究が進んでいます。その名の通り、脳波や脳神経を解読して私たちの生活に役立てようというものです

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          深海調査にも音を利用――「海の中でも活躍する超音波」の紹介

          2024.8/16 TBSラジオ『荻上チキ・Session』OA Screenless Media Lab.は、音声をコミュニケーションメディアとして捉え直すことを目的としています。今回は海中の音に関する研究などをお伝えします。 ◾水中の音をデータベース化する 音は地上だけでなく、水中でも鳴り響きます。また、空気中の音の速度は秒速340メートルですが、水中では秒速1500メートルと、地上に比べておよそ4倍の速さで伝わります。 以前も紹介したように、水中の「音」の収集と

          深海調査にも音を利用――「海の中でも活躍する超音波」の紹介

          クラシック音楽がもたらす意外な効果――様々な「音の効果」紹介

          2024.8/09 TBSラジオ『荻上チキ・Session』OA Screenless Media Lab.は、音声をコミュニケーションメディアとして捉え直すことを目的としています。今回は人に影響を与える音に関する情報を、これまで紹介してきたものを含め、まとめてお伝えします。 ◾不快な音に関する様々な研究 音は様々な効果をもたらしますが、当然のことながら、人間にとって不快な音もあります。例えば以前も紹介したように、不快な音には音程が関係しているという2012年の研究があ

          クラシック音楽がもたらす意外な効果――様々な「音の効果」紹介

          自分の声の変化と向き合う――「加齢性音声障害」との付き合いかた

          2024.8/02 TBSラジオ『荻上チキ・Session』OA Screenless Media Lab.は、音声をコミュニケーションメディアとして捉え直すことを目的としています。今回は、加齢に伴う自分の声との付き合い方について、様々な研究結果も踏まえて紹介します。 ◾加齢性音声障害とは 人間は年齢と共に筋力等が衰えていきますが、「声」についても例外ではありません。「ナショナル・ジオグラフィック」誌では、年齢と声について、様々な研究等を紹介しています。 (「声の老化は

          自分の声の変化と向き合う――「加齢性音声障害」との付き合いかた

          電話の声のトーンを穏やかにする最新カスハラ対策――「感情キャンセリング技術」とは何か

          2024.7/26 TBSラジオ『荻上チキ・Session』OA Screenless Media Lab.は、音声をコミュニケーションメディアとして捉え直すことを目的としています。今回は、AIを利用した最新カスハラ対策の「感情キャンセリング技術」について紹介します。 ◾対策が進むカスタマーハラスメント対応 昨今は、「カスタマーハラスメント(カスハラ)」が大きな社会問題になっています。政府が6月に発表した「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」にも、「カスタマーハ

          電話の声のトーンを穏やかにする最新カスハラ対策――「感情キャンセリング技術」とは何か

          猫の音には人間を引き付ける効果がある?――「猫の音」研究の紹介

          2024.7/19 TBSラジオ『荻上チキ・Session』OA Screenless Media Lab.は、音声をコミュニケーションメディアとして捉え直すことを目的としています。今回は、当ラボでも度々取り上げている、猫の音に関する情報をお伝えします。 ◾猫と音の関係 猫と音については、当ラボで何度も言及してきました。 猫は飼い主と知らない人の声を区別できたり、人間の声と表情と一致させることもできます。また猫のゴロゴロ音に含まれる微細な振動が、人の骨の骨密度を上げる

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          レコード会社公認の音楽生成AIツールは登場するか――「YouTubeと生成AI」の最新情報

          2024.7/12 TBSラジオ『荻上チキ・Session』OA Screenless Media Lab.は、音声をコミュニケーションメディアとして捉え直すことを目的としています。今回は前回に引き続き、最新生成AIと音に関するニュースをお伝えします。 ◾生成AIと会話する 前回は生成AIと音声に関するニュースをご紹介しました。例えばMetaは、クリエイターが自身のAIチャットボットを作成して音声でも返答するサービスの開発を行っています。 AIとの音声による会話は、す

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          自分のAIチャットボットがユーザーと会話する――「生成AIと音」の最新情報

          2024.7/05 TBSラジオ『荻上チキ・Session』OA Screenless Media Lab.は、音声をコミュニケーションメディアとして捉え直すことを目的としています。今回は、最新生成AIと音に関するニュースをお伝えします。 ◾インフルエンサーのAIチャットボットがユーザーと会話する Metaは去年の段階で、クリエイターや企業が自分の人格を再現するチャットボットを作成するプログラム(「Meta AI Studio」)の開発を進めていると発表しています。

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