新型コロナワクチン接種回数と感染率と層別分析を疑うこと
新型コロナワクチンの接種回数と感染率について「未接種よりも2回接種の方が感染率が高い」という事実が話題になりました。この事実、層別分析を疑うと考察が変わります。
ある集団の(身体的な)男性と女性の平均身長、どちらが高いでしょうか。一般的には男性が高いと言われます。ただし男性は全員1歳、女性は全員20歳なら女性の方が高いです。
これは平均身長を性で層別分析したとき、性よりも影響の大きな年齢を見落とした例です。年齢あるいは年齢&性で層別分析した方が適切だった例とも言えます。
「未接種よりも2回接種の方が感染率が高い」に戻ってみます。これは感染率を接種回数で層別分析した結果の一部です。ここである仮定をときます。感染リスクの高い医療従事者は2回接種していて、2回接種した人は安心やワクチンパスポートで感染リスクが上がったとします。接種回数という層は感染リスクよりも適切でしょうか?
上記の仮定は適当です。実際には一般人よりも知識や設備装備の優れた医療従事者の感染リスクが高いか、2回接種で感染リスクが上がるかは不明です。
それでも接種回数という層は無数の層の中の一つでしかないことは覚えておきたいです。隠れた影響の大きな層を見つけたり、相関と因果を間違えないために。