【混ざる】
【混ざる】
大好きな先生のアトリエで
私がアルコールインクで好きだったのが
インクとインクが混ざるときに作られる
その時、その瞬間にしか出せない色を見ている時だった
無心で作り出すその時の色は私を夢中にさせ心地いい状態にしていた
そう
いつもそうだった
宝物の時間
たくさん自分でも道具を集めていったけれど
大好きな先生のアトリエはなくなって
自分で「やりたい」と思って買い込んだ道具たちはそのまま埃を被り
宝物だったその時間は日々の何かに追われ
ゆっくりと作ることはできなくなっていった
最近友たちが教えてくれた事
「対話ってすごいんだよ」と
お友達が対話の機会を
たくさん作ってくれた
友達から発せられる
「楽しいんだよ!」というエネルギーに
ただただ体の中の私の細胞たちは反応し
とにかく参加してみたくなった
私は苦手と感じる事は
たくさんある
私は大勢の中で発言することは嫌いだったし
堅苦しい話は頭に入ってこないし
自分の見え方や見せ方にまだまだ囚われているし
でも友達は「あんた面白い。あんたサイコーだよ」と言い続けた
そう
そのままでよかったことを思い出させてくれた
そしたらただ参加したいという気持ちがあるだけになった
理由なんかそれ以外特にない
ただ楽しそう
その気持ちに身を任せていたら
脱力で対話に参加する私は
それぞれの色
が混ざっていった
ゆっくりとゆっくりと
そうだ
すると
あの時間を思い出す
ゆっくりと
アルコールインクで色同士が混ざっていく時間
それを眺めて味わい一緒にいる人たちと共有する時間
私はこの時間がたまらなく好きだった
対話の中で
「あなたは今何色ですか?」
という質問にわたしは
水色
と答えた
水色の自分は色々な人と混ざっていく
そこには壁がなく新たに生まれた色に
ただ感動している自分がいる
「対話も同じだった」
それぞれの色が混ざって心地いい何かが生まれ
ときにこれは心地いい色なのかどうかわからないものが生まれる時が
あるけれど
アルコールインクで好きじゃない色が生まれた時のことを思い出した
先生が
「あ、失敗と思ってもね、その上に白を塗ってくの。そうすると
その時の色がなんとも言えない良さを作っていくんだよ」
白というその時のゼロ地点を混ぜることで
また生まれる色は美しさをさらに重ねていく
すっきりしない何かも大切な自分のプロセスだ
対話の時間の中に湧き上がった「何か感じたこと」
ゆっくりと今は小さいものだけど
温めて行こうと思う