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なぜ #かん味処 をやるのか
1,#かん味処 とは何か
Twitterでなにかちらちら見るこの #かん味処 というタグ。これは、私が始めた自主的な勉強会。きっかけは、奈良でお米やクッキーを作って販売されている農家の大野 @shuoono さんの声がきっかけでした
Kanさんのこのツイートにピン!ときたので、講座受けたいですとツイートしたら
— 奈良おおの農園|大野收一郎 (@shuoono) February 23, 2021
早速ご快諾いただきました
ECだけでなく、道の駅直売書小売店でのPOPの表現奥が深そう
せっかくなんでみんなで集まって、いろんな事例で勉強しましょう(^_^)/ https://t.co/kl1vSmAlj5
一次産業で生産者でありながら、産直として加工も販売もする。言うのは簡単ですが、そんなオールマイティーな人間はそうそういません。でも、一生懸命な方が多く、情報やノウハウが少ない業界でもあり、マーケティングの前線で働く自分でも役に立てるのではないか、と思ったのです。
私自身は日頃は商品開発を支援する仕事をしており、それもみなさんが日本で、世界で知っているメーカーさんを相手に、新商品や改良のお手伝いをする(守秘義務ばかりであまり話せませんが…)を仕事にしています。
だから、商品が発売されて、店頭に並んで、誰かが買ってくれる風景を店頭でみたり、ネットで話題にされていたりするのを見ながら、普段、ニヤニヤが止まらないお仕事なのです。
でも、世の中に出る前に断念した商品や、棚から消えていった商品、開発にこぎつけるのに大変な苦労をした商品など、陽の目を見ないモノやコトが、たくさんあることも心底経験してきています。だから…
理想だけでは商品化は難しい
アイデアが浮かぶ。そのことは実に素晴らしい。でも、それを形にし、実行できなければ意味がない。イノベーションが求められる時代に、大切なことは、「企画」よりも「実行」です。
2、デザイナーに食いつぶされる地方企業や生産者
商品開発をしていると、もちろん地方でも仕事をすることになります。社会人大学院のマーケティングの講座を受け持ったり、地銀から事業再生の相談を受けたり、自治体から地域商社の立ち上げや、地方創生戦略の計画策定のしごとも…そうして浮かび上がる地方の会社の惨状は、「専門家に食い荒らされた絶望感」がたくさんあったのです。
特に、中小企業向けに、政府や自治体が、販路開拓という名のもとに、
☑パッケージ制作
☑展示会、商談会支援
☑ホームページ制作支援
などに補助金をつけていたことから、印刷会社やデザイナーがこれらを受託し、全国にかっこいいパッケージやオシャレなホームページが増えました。
さて、肝心の「販路開拓」は成果に結びついたのでしょうか?
「きれいですね」と言われることは増えたと思いますが、実際の商談フェーズでどれほど具体的な取引件数や売上、粗利増加に貢献したのでしょうか?
デザインをよくする
だけでは、もちろん成果に結びつきません。
これって、人間的中身を変えずに、身なりだけきれいな服を着れば、婚活もバッチリ決まる!みたいな話だと思いませんか?第一印象をあげたところで、中身に失望や残念な想いをさせたら、交際が続くわけありません。
3、商品開発をするということ
商品をつくるとはいったいどういうことでしょうか。「商品」と書いて「商いをする品」です。つまり、作り、売れて、満足いただける「商い」ができなければ、それは商品ではなく、単なる「品」です。
「洗練されたデザイン」「きれいなパッケージ」「メディアに話題になる見た目」…それらは一瞬、人々の目に止まり、注目されることにはなりますが、商いは「続けていく」もの。一時のブームで終わった後、そのデザイン費や、大量に積み上げられた在庫のパッケージやダンボールは、果たしてすべて費やすほどの成果につながっているのでしょうか。
商品で大切なことは何か。それは「中身」であり、「役に立つ」「身になる」「使われる」ことです。だから、ちょっと立ち止まって、もう一度「商品開発」とは何かを考え直してほしかったのです。
自分たちが精魂込めてつくる農作物。それを消費者は、どこを見て評価し、何を実感して、再び買ってくれるのかと。一期一会は「消耗するため」にやっているのですか?
だから、ものづくりや経営における本質的課題をもう一度シンプルに考える機会を持って欲しいと思い、#かん味処 を始めようと思ったのです。
4、正直者が報われる世界を
不器用だけど真っ直ぐな人がいる。外面はいいが適当な人がいる。あなたはどちらの人と「長く」付きあいたいと思うでしょうか。
「商い」とは「長く続く関係性」によって成り立つものです。短期的に魅力があるように見せかけ、魅了し、陶酔させて物を売る。そんな誠実さに欠くような商売をしたいと思って、ものを作ったり売ったりしているのでしょうか。
当たり前ですが、人間は何かを隠せば、それはいつか明らかになります。嘘をつけば、また嘘が必要になる。隠せば、更に隠すものが増える。そうやって装飾だらけの商売と生き方をつづけることが、あなたの理想でしょうか。
ブランディング
ストーリー
それは「意図して」作るものでしょうか。商品を一生懸命つくることだけを考えてきた私には、脚色にしか見えません。もっと言えば、欺瞞や義憤という大義名分を立てながら、積み重ねの足らない若い時期に”ブランド”という実力も品位もなしに十二単を着て称賛を浴びたいと願うような生き方にしか見えません。
ブランドとは「長きにわたる活動や取組」が結果として印象づけるものですし、意図した物語など、白々しくて泣きも笑いもできないドラマと一緒です。
それが理想だというなら否定はしません。でも、せっかくこの世に生を受け、社会という器に助けられ、育てられ、やがて社会人として何か関わりをもてる人間になった以上、社会や後世に恩返しできる生き方をして、人生を全うしたいと思いませんか?
それならば、「意図」などやめて「意志」を持つこと。図るなんていう人間の驕りとはサヨナラし、志をもった生き方をすること。それが最後に報わないで終わるかもしれませんが、貫き通した結果があれば、人生本望じゃないですか。
正直者が最後は報われる世界。一生懸命なその人が報われるために、いきていくこと、ものを作っていくこと、だれかに伝えていくこと、経営を続けていくこと。そうした事業を行うすべての本質的なことを学ぶ場として、 #かん味処 があるのです。
かん+みどころ =視点を考える場
甘味+処 =人生のいっときのほっとできる場
それが #かん味処 です。この場に来ると、3日後に頭痛がくるらしいですが、それでも必ず、あなたの知の領域を広げ、深く掘り下げるきっかけとなり、やがて、進むべきチョット先を照らしてくれることでしょう。
襟を正して、もう一度「考える」ことに向き合ってみたい。そんな正直なあなたをいつでもお待ちしています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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