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アゼルバイジャン/ジョージア国境を歩いて越えた話
8月、夏休みに夫とアゼルバイジャン→ジョージア→アルメニアの旅に出掛けた。この国はコーカサス山脈とカスピ海に囲まれたヨーロッパとアジアの間にあるユニークな文化圏で、私の住むアブダビよりは遥かに涼しく夏に訪れるには理想的である。しかし、まずはこの3国を簡単に行けると考えたあたりから、今思えば無知であった。なぜかというと、この3国はそれぞれ余り仲が良くない。旧ソ連の領土であり、アゼルバイジャンとアルメニアは紛争が絶えず、ジョージアは外国人移住者が長期で住めるビザを発行したのでどんどん入れている事情から、コロナ以降、アゼルバイジャンは国境を閉鎖し、コロナウイルスをシャットアウトしたらしい。ジョージアは日本人にも人気があり、コロナでリモートワークが流行った頃から移住者も多い。自由に誰でも住め、物価が安い(当時は)という結果、外国人が大量に入国、滞在している。保守的なアゼルバイジャンは当然国境を閉鎖したのだろう。
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バクーからシャキまで小型バスの旅
「国境を渡れない、もしくは可能でも歩いて行くしかない」という事実を知ったのが、なんとアゼルバイジャンに入ってからである。ネット情報では鉄道やバスがあると書いてあった。なのでそこまで深刻だとは思わなかった。我々は歳も取ってるし、夫にそれを伝えたら飛行機にしようかとの返事。飛行機代が5万円かかるのと、イージーな手段にちょっと反発し、歩いて行けるなら歩いてみたい。それに、そんな国境を歩いて渡る経験なぞまずない。たとえ、国境まで行き、閉鎖していました…はい、また丸一日掛けてタクシーや乗り合いバスに揺られて帰ろうね、となっても、それで良しと覚悟して夫と相談して、国境まで行くことにした。
さて、アゼルバイジャンの #Baku バクーから国境まで行くには、まず #Shaki シャキという町(村?)へ向かわなければならない。此処はバクーとは違って長閑な町なので少し楽しみではあった。朝イチでバスターミナルへ行き、小型バスに乗り込んだ。実は10時頃のつもりが、ターミナルに早く着きすぎて、まさかこれに乗るの?みたいなぎゅうぎゅうに押し込まれた小型バスに乗ることになり(多分、切符を買ったらすぐ乗らないといけないんだろうな、バスを選んでる暇などない)、結構これが地獄であった(ようだ、夫に言わせると)。5時間トイレ休憩2回のみ。しかし私は日頃寝不足なため、バスの振動でよく眠れた。
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シャキの町
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旧ソ連の車ラダ車はめっちゃかわいい!
シャキに着いたが殆ど何もなく荒涼としていた。しかし大好きなソ連製の車ラダLadaがあちこちにあり、めっちゃかわいい!色といい形といい、1970年以降変わってないレトロな味のある車だ。ものすごく可愛くて、停まっているラダ車を片っ端から撮った。
シャキは田舎だが本当に大好きで居心地の良い町だった
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15分くらい歩いたら、眼の前に現れたのがおおおお!と驚く程美しく豪華な庭園のあるホステル。 #museumguesthouse 現金が残り3000円くらいしかなく、この地では現金を持っているべきだったのに…。Booking.comで予約したが、こちらのホステルもカードは使えないらしい。その旨伝えたら、英語の喋れる息子さんが出てきて、車で銀行まで連れて行ってくれた。そこでキャッシングし無事払い終える。二人で一泊約5000円。なんかめちゃくちゃホッとし嬉しすぎて、チップを渡したが、明らかにこの村では大金持ち風のその一家に余計なチップを渡すのは変だったかもしれない。(そのホステルのすぐ隣が警視庁?で、60歳くらいの筋骨隆々のお父様は名誉市民で、そのまたお祖父様はフランスで活躍された警官だったと壁に写真がたくさん飾ってあった)。さて、そちらで休んでいたら、息子さんとその仲間たちが、私がドハマリしているバックギャモンを中庭でプレイしていたので、一緒に混ぜてもらった。しかしルールが違っており、私の知っているギャモンで相手をヒットしまくったら、虐めてるみたいな空気になり、途中でやめた。笑いながらあなたはヒットするのが好きだね〜とか言われたが、彼らはあくまで平和なゲームをしていた(ヒットしないバックギャモンの何が面白いのかわからんが)。しかし、優しいホステルの皆さんには心から感謝した!
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キャラバンサライに行き、ラクダに乗った商人たちに思いを馳せる
シルクロードで行き来する商人たちが骨休めする宿の跡地などを観光した。町を歩いていると子供たちが「チナ!」(中国人)と言ってすごく笑ってたり、微笑ましい。勿論、「ヤポン」と返事して訂正したけど、その後必ずナルトとかドラゴンボールとか漫画の話になる笑 日本のアニメは超人気で嬉しい。
牛がのんびり歩く
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翌朝、交渉していたタクシーの運転手さんに国境まで行ってもらうため、約束の場所に行ったら、ちょっと値段がつり上がっている?へ?その上、その親父さん、めちゃ上機嫌で、タクシー運転手仲間さんに自慢しべらべら喋る。一緒にタクシーまで歩いて行ったら、バスの停留所に中国人のカップルが座っていた。彼らも国境に行くらしいので、一緒にタクシーに乗りませんか?と誘ってみた。4人で40マナト(約3200円)にと交渉した。さてその後が凄まじい運転。一車線を対向車が来る隙間に左車線に入り秒で右車線に戻るという荒業の運転で最初はかなり怖かった。
ここでラッキーだったのは、同行した中国人夫婦の素晴らしいことよ!この男性秒速に頭の回転と行動力ある人で、投資家のようだった。同じくアブダビに住んでいると言ってたが、名前さえ訊いていない。お互いに聞くべきではないと思ったのだ。しかし彼がナビをしたり、大事な部分を抑えてくれていたので私達にとって気が楽だった。ありがとう!(名前を知らないが)
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国境までの数時間田舎町を超スピードで飛ばしたが、牛くんたちが放牧というか放置され、そのへんを勝手気ままに歩いたり草を食べたりうろついている。時間が来たら人が牛舎まで連れて行くのかな、なんせ長閑で良かった。
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着いた〜!!!国境が開いていた!!!!
嬉しすぎて、アホな写真を撮ってしまった。お気楽で馬鹿な日本人代表をやってしまい他の日本人の方々すみません。国境とはいつ閉まるかわからない。こんな記念写真を撮る場所ではなかった。しかもコーヒーブレークまでしてしまった。運転手さんたちが笑っていたような。
国境を歩いて渡る
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ジョージアに到着!
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日本人だからパスポート審査はすぐに終わった。ちゃんとした国でありがとう!日本!しかし夫がビザをちゃんとパスポートに挟んでおらず一瞬凍りついたが、なんとか見つかりセーフ。
さっきの超キレ者中国人夫妻と再び乗り合いタクシーで
なんとさっき、私がアホな写真を撮ってる間にさっと静かに一足早く国境を渡った中国人夫妻は当然とっくに他の人と乗り合いで先に進んでいるものと思っていたら、向こうからタクシーの運転手さんと話しながらこちらに向かって歩いてきたので笑ってしまった。乗り合いの相手がいた方が良いのは私達も同じ。ジョージア国境にはやはり沢山のタクシーが待機していた。
今までとは違うキリスト教の風景
私たちは町まで行くつもりだったが取り敢えず彼らの行く、#signagi まで一緒に向かう。シグナギは一変してキリスト教の村だった。山の上で景色が良く、地上が35℃くらいの中25℃くらいで涼しかった。
このようにして、アゼルバイジャンから約2日かけて、ジョージアまで旅をした。
国境を歩いて越える挑戦をして良かった!
その後ジョージアからアルメニアに入るため山をいくつも越えたのだが、それが史上もっともハードな死のデスロードだった。死んでもおかしくないレベルの過酷なドライビングだったが、アゼルバイジャンの運転手さんの話も含め、また後で彼らアルメニアのおじさん達について少し書こうと思う。
不登校の人、生きづらい人、一度アルメニア(またはアゼルバイジャン)のおじさんの運転する車に乗って山を越えたらいい。人生観変わるよ
きっと今日本で不登校や社会不適合で悩んでる方々は、この運転手さんの車に乗る、会話する、観察するだけで人生観が変わると思う。生きるために運転する。その神業技術が身につく、金をもらう、皆と仲良く笑い合う。これが生きるってことだなと、少々話は大きくなったが彼らと触れ合うことで人生観変わるのは間違いないと思った。
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