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知財検定3級の試験を受けてきた。さて次は

先日、知的財産管理技能検定(知財検定)3級の試験を受けてきた。さほど知名度は高くないかもしれないが国家資格のひとつだ。

https://www.kentei-info-ip-edu.org/about/

特に必要に迫られていたわけでもなくこの資格を取ろうと思ったのは、興味があったのと、中小企業診断士の1次試験で学んだことを生かせるからだ。これを取れば自分も「知的」になれるような気がするから、という筋違いの期待も否定はしないが、第一の理由ではない。

中小企業診断士に限らず、士業資格の勉強をしている方のnoteの記事などを読むと、メインの試験が終わってすぐに次の資格勉強に取り組む人が少なからずいる。どうしてだろう、試験が終わったらゆっくり好きなことすればいいのにと感じていたが、最近その気持ちがわかるようになった。

結構な負荷がかかる資格試験の勉強を続けると、勉強が習慣化して「学びの体力」がつくのだ。第一目標としていた試験が終わると、せっかく身につけたその習慣と体力を手放してしまうのがもったいなく感じられるようになる。そして、次は何を学びの目標にしようかと考え始める。

私は資格コレクターになるつもりは全くない。しかし、7科目ある中小企業診断士の1次試験を受けてみて、1次に合格はしたが色々な分野で自分の理解が狭くて浅いことを痛感した。そこで、もう少し各方面の知識を深めたいと考えている。

経済学など、本を読むことがそのための方策となる分野もある。一方で、手頃そうな資格が存在するものは、それを目指すのがいい目標になる。

今回の知財検定3級は、11月中旬という時期と基礎レベルという難易度がちょうどよかった。この分野は中小企業診断士の2次試験には出てこないから1次の後3ヶ月ほどブランクがあったが、それでもゼロから学び始めるよりはずっと進んだ場所から始められる。

11月に入ってから勉強期間2週間、時間にして15〜20時間ほどで受験し、自分の感触では合格ラインをクリアできただろうと思う。特許権が関わるのは技術面が多いだろうが、商標権や著作権は広くビジネスパーソンに関わることだ。なかなか面白い分野だと感じる。

使用したのは中小企業診断士の1次試験対策で使った経営法務のテキスト(その中の知的財産関連の部分)と、この問題集2冊だ。細かな法律の改正などがあるようだから、中古で過去年度分を買うのとあまり値段が変わらないようなら、最新版がよいのではないかと思う。

知財検定3級は学科と実技の2つの試験にともに合格する必要がある。実技というのは、実際にビジネス上で知的財産が絡む状況が問題文に書かれていて、そのときに適切な対応はどれかといった設問に選択肢から答えるというものだ。出題スタイルが中小企業診断士の1次試験とは違うから、問題集で慣れておけたのはよかった。

学科と実技各70点以上というのが合格ラインだ。それを越えることだけを考えるなら、今月の勉強時間はもっと少なく済んだように思う。しかし今後2級まで取りたいと思っているので、それも意識して内容を頭に入れることにした。

次回は3月9日に試験がある。最初から勉強すると大体50時間ぐらいかかるらしい。興味がある人は、今から始めて1日に1時間、正月近辺にちょっと休みを挟むぐらいでちょうど3月の時間を目指せるのではないだろうか。

さて、私は知財検定の試験が終わり、この先は何を学ぶか。候補は幾つかある。知財検定の学びを深めて2級を目指すとか、中小企業診断士の1次試験で学んだ他の分野を深めるとか。具体的にはICT関連で基本情報技術者、法律関連でビジネス実務法務検定、AIの基礎知識ならG検定、といった具合だ。どれも学びたい分野である。

しかし自分の状況を考えると、日商簿記の2級を目指すのが最優先だろう。簿記は本当に苦手分野で、3級の試験もギリギリで受かっている。本音を言えばもうオサラバしたい相手だ。

ただ、中小企業診断士の2次試験に受かったならば、専門家として簿記2級ぐらいのことを知っている診断士になりたい。また、もし2次試験に落ちていたら来年また受験することになるが、そのときは「財務・会計」の科目がキーになるはずだ。この意味でも簿記や経営分析の知識を深めておきたい。

中小企業診断士の2次試験を来年再受験する場合は、4月頃から準備をするつもりだ。苦手意識しかない簿記を学ぶことに気乗りはしないが、3月までの合格を目指してやるしかないかと思っている。YouTubeやCPAラーニングなどの無料解説動画と、紙のテキスト、問題集を組み合わせて勉強するつもりだ。やはり、「みんほし」がいちばんわかりやすいだろうか。

さて、ここまで散々資格勉強を続けることを書いてきたが、最後に、盲目的に資格だけを目指していくのはちょっと危険でもあるよなとも感じていることを書き添えておく。

ビジネスやキャリアに多少なりとも役立ちそうな知識を学び、資格を目指していくことは、仕事後や休日に漫然ダラダラと過ごすよりはずっと有意義なことだろう。しかし、これだけ各種資格の対策本などが出回っている中、狭い視野で資格を目指すのは、下手をすると「既存の問題集に沿った勉強はしているけれど、自分の本当に進みたい方向性については思考停止してしまっている」ということにもつながりかねない気がする。もちろん、そうでない人も大勢いるだろう。私もそんな風にはならないようにしようと、自戒を込めて書いておく。

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