中小企業診断士2次試験 当日使った「勝負文房具」
中小企業診断士の2次試験について、記録として書いておきたいことが色々ある。時間が経つと実感が薄れていくから、早めにまとめておきたい。でも、勉強法などは自分が合格しないと何の説得力もない。
そこで、今回は2次試験の当日に使った「勝負文房具」について書くことにした。道具についての話なら、受験を目指す人にとって参考になるところもあるだろう。
扉の写真は、私が試験で実際に使った文具の一部だ。筆記試験の2次は、選択式の1次よりも「使いやすい文房具」の重要性が高まる。私もいくらかの試行錯誤経て、これにしようという組み合わせに落ち着いた。
事例I〜事例III
最初の3科目は、ひたすら解答を手書きしなければならない。書きやすい鉛筆もしくはシャーペンと、消しやすい消しゴムは必須だ。あと、学びの際のノート。
〈ノート〉
勉強は過去問を解くことが中心となるだろう。設問では80字以内とか100字以内で解答せよと文字数指定があるから、マス目付きで文字数が数えやすいノートが便利だ。私はこの5冊セットを使った。
1問に1ページ使う。15mmの方眼はかなり大きい。1マスに2文字書くと1行に20文字書けてわかりやすい。マス目が大きいから、「ふぞろいな合格答案」などの解答例と見比べて書き込みを加えたりもできる。
上の方に自分の解答を書き、必要な部分に注記やコメントを加える。下には参考書の解答例などを参考にして自分なりの模範解答を書く。これでちょうど1ページだ。
1冊に30枚入っているから60ページ。1科目あたりの設問はだいたい5題ほどなので、文章題の3科目を1年分解くと5 x 3 = 15ページ使う。大体過去4年分(事例1〜3)でノートを1冊使い終わることになる。計算メインの事例IVには、このノートは使っていない。
〈筆記用具〉
私は、机が使えるときはなるべくノートに筆記して過去問を解くようにしていた。本番環境に近づけ、使いたい漢字が手書きでちゃんと書けるようにするためだ。もう長年、普段は文字を手書きすることのない暮らしをしている中、あっという間に右手首が腱鞘炎になった。そこでドクターグリップのシャーペンを使うことにした。これでいくらか負荷が少なくなった気がする。事前の勉強も本番も、これを使った。
模試を受けたとき、解答用紙がA4サイズなのに実際の解答のマス目がずいぶん小さいことに気づいた。多分フォーマットは大体本番に倣っているはずだ。模試の使っていない予備解答用紙でマス目を測ってみたら1マス7ミリ弱だった。
この大きさだと、解答を途中で直したくなったときに狙ったマス目だけきれいに消すのが大変だ。消しゴムの尖った角を使えるよう、当日は新しいものを2つ持参した。消しているうちに角が丸まってくるから、当日は2つとも使用した。
〈与件文と設問のマーキング〉
限られた時間で与件文のポイントを設問ごとに把握し、制約条件も漏らさないようにするためには、色付けによるマーキングが重要だ。事例企業の強みと弱みが書かれた箇所をマークするのか、設問ごとに使えそうな箇所をマークするか。使うのは蛍光ペンかボールペンか。やり方は様々だ。私は、幾つかの方法を試した末に無印良品の六角6色ボールペンをメインにする形に落ち着いた。これはなかなかの優れものだ。
マークするのは、与件文で各設問に関連していそうな場所。大体1科目の設問が5題程度だから、黒以外の5色をちょうど割り当てられる。足りなければ黒も使う。
このペンのいいところは、なんといっても1本だけで持ち変えることなく一気に全設問の関連箇所をマークできることだ。クリップの部分の隣から左回りに使っていくとか決めておけば、どの設問が何色か覚えていなくてもいい、というところも気に入った。
私が読んだ2次対策の参考書には、設問ごとに色を変えて5色か6色の蛍光ペンを準備すると指南している本もあった。私には、それは場所を取りすぎるし、いちいち持ち変えの手間がかかるから向かないと思った。そこで、蛍光ペン1本で重要そうな単語やフレーズを塗り、各設問に関わりそうな部分はボールペンでマークすることにした。
この6色ボールペンは、事前の学習で1本使いつぶして2本めに入り、当日は新しいものを本番と予備の2本持っていった。ちょっとしたことだが、ピンクと赤は使い始めの1, 2秒ほど色が出てこないことが多く、当日は朝、家で試し書きをして、インクが出やすいようにしてから会場に向かった。
事例IV
〈電卓〉
事例IVの財務・会計は計算がメインだ。ここでは電卓が必須になる。私はカシオのものを使った。
家には簿記3級の試験で使った700円程度の電卓もあった。でもそれで中小企業診断士2次試験の計算を解こうとすると、数字とかのキーの反応が遅くて私の入力速度と合っていないことに気づいた。電卓に合わせて問題を解くスピードを遅らせる訳にはいかない。そこで別に購入することにした。
他の機種は試していないから比較はできない。でも私にはこれで十分だった。普通の計算以外の機能は、ごく初歩のメモリー機能とグランドトータルだけ使いこなせるようにした。
電卓は、万一本番で故障したりすると致命的だ。予備として、前から家にあった、胸ポケットにも入るぐらいの小さなポケット電卓も持参した。
その他
全科目を通して使ったのが、30センチの定規だ。これは線を引くためでなく、試験開始直後に問題冊子を真ん中で破って与件文と設問を切り離すために使う。切り離すと、両方同時に見ながら解答を考えられるようになる。中小企業診断士の2次試験は、各科目の開始後に会場のあちこちから紙を破くビリビリ音が響いてくる。
Amazonでは、紙がきれいに切れる定規なんてものも売られている。
私はそこまでは必要ないだろうと思い、家の定規を持参した。そうしたら、事例IVでページの下三分の一ほどが中心からずれた場所で破れてしまった。紙を切りやすい定規を準備しておいた方がよかったかもしれない。
もうひとつ持参したのがこれだ。
フィルムカメラに使う、135mmフィルムの空きケース。前から家にあったものだ。
模試を受けた際、科目ごとに出る消しゴムのカスをどうしたものかと思った。ババっと知らん顔して床に撒き散らすのも気が引ける。それで本番のときはこれを持っていき、ひとつ科目が終わるごとに机上の消しカスをこのケースに入れることにした。最後は家に持ち帰り中身をゴミ箱に捨てた。これで気持ち的には大分とスッキリできた。小さなジップロックの袋とかでも代用できるだろう。
以上が、私が中小企業診断士の2次時間で使った「勝負文房具」である。使いやすいこと、安心して使えること、そして必要以上の場所を取らないこと。試しながら徐々に絞り込まれていった、選ばれしものたちだ。