「冗長的」の”的”は冗長か
中小企業診断士2次試験に向けた学びは、①与件文(問題のテーマとなる、企業の状況や取り組み、課題などを記した資料)の意図がしっかりつかめない、②説問の意図が読み取れない、③設問に沿った思考ができない、④制限文字数に解答がまとまらない、という多重苦の状態に陥っている。それを自覚できるようになったことが、最近の多少の成長かもしれない。
2次試験に向けては、過去問やStudyingに加えて、YouTubeの解説動画や各種ウェブサイトの情報を参考にしている。こういう視点で考えるのか、こんなキーワードが有用なのかと思う点がいくつもある。
インプットした知識を選択肢から選ぶ1次試験から、2次試験はアウトプット型の記述式へと様相がガラリと変わる。唯一の正答はなく、高得点を得るためのアプローチもひとつではない。だから、色々な考え方や切り口が出ているYouTube動画などの有効性が、1次試験よりも高いように思える。
ただ、関連動画やウェブサイトを見ていくうちに、気になるようになった表現がひとつある。それは、「冗長的」という言葉だ。
2次試験は各設問に答える制限文字数が60文字とか100文字と指定される。与件文と設問がちゃんと読み取れて解答の方向性が定まっても、指定文字数に納めて簡潔にわかりやすく記述する必要がある。ダラダラと長い答えを書くと、内容が薄れ、入れるべき要素の一部しか含められない。
だから、YouTube動画や2次試験の解説をするウェブサイトなどで語られる留意点として、複数の場所で「冗長的な文章にならない」「冗長的な解答を避ける」という助言がされている。Studyingの2次試験講義でも、過去問の解説で何度もこの表現が出てきた。
その趣旨は、とてもよくわかる。自分で解答を作るとダラダラと中身の薄いものしか書けなくてがっかりする。簡潔に密度の高い文章を解答にすべしという方向性は非常に納得できる。
しかし、「冗長的」というのはどういうことなのだろう。”的”を抜いて「冗長にならない」でいいんじゃないだろうか。
冗長とは、「文章・話などが、むだが多くて長いこと。」とコトバンクに出ている。
ITの分野で「冗長性」とか「冗長化」という言葉を目にすることはあるが、冗長的というのはこれまで目にしたことがなかった。
あえて「的」を付けるのは、それこそ冗長なのではないかと私には感じられる。自分の解答の不甲斐なさとか出来の悪さを棚に上げて、そんな突っ込みを心の中で入れながら動画を視聴している。
それとも、これはコンサルタントや中小企業診断士業界で使われるワードなのだろうか。「的」を入れることで完全な言い切りを避けつつ、強くその雰囲気を匂わせるテクニックとして使われているとか。
私が2次試験にも合格して研修を終え、無事に中小企業診断士になることができれば、答えがわかるかもしれない。