いい家に必要な明るさと暗さ
先日 お子さんが建てる家の事で相談もらいました。
2階の大きくはないリビングにトップライト(天窓)を二つつける事が不安で意見を聞きたい、という事でした。
周囲の家との距離が近いらしく「窓から入る光が少なく明るさが不安」という事でトップライトを付けるのだそうです。
・自分の家と隣の家が近ければ「薄暗い」ようなイメージ。
・トップライトつければ陰にならず日が差し込んで「明るい部屋」になるイメージ。
気持ちはわかります。
でもそれは、ぜんぜん違うんです。
隣の家と近いとは言っても、超密集地でなければ、双方の外壁に光は反射し室内を明るくします。
1階ならその量は減るけれど、2階なら結構明るいです。
2階の北側の部屋なんて、北のお隣の外壁に反射した光はかなり強いので、こちらの部屋はずいぶんと明るくなります。
小さな部屋なら、2面にそれなりの大きさの窓があれば、十分に明るくなります。
それでも不安なら一番小さいトップライトで十分です。
トップライトは、明るさと同時に紫外線(熱)が入ります。
その面積が大きくなると、かなりの明るさと、かなりの熱が、室内に入ります。
使うガラスは熱線を反射するものを使いますしスクリーンをつけて日差しを遮る対策はしますが、それでも、面積の大きさに比例して室内に入ってきますから、冷房能力は高く必要です。
遮光スクリーンをすれば違いますが、それでは「明るくしたい」という思いとは逆の効果に。。
屋根は、夜になると天空に向かって放射冷却します。トップライトからももちろん。
屋根より断熱性が劣りますから部屋の中の温度をどんどん放出してしまいます。面積が大きければなおさら。
その結果、室内の空気の対流が起こり冷たい風が室内に向かって降りてきます。
建売のリフォームをやった時、トップライトがある場合に、
「これ いらない」とみなさん 言います。
明るさはうれしいけれど、寒さは勘弁してほしいのです。
*
若いうちは、明るさを求めます。求めるというのもあるけれど、明るい事にそれほど感覚的に問題を感じないのです。
でも・・・
年齢を重ねるうちに「明るすぎる」くらいの明るさは辛くなってきます。
むしろ少し暗いくらいで丁度よくなるし、落ち着きます。
歳だから・・と言われてしまうとそれまでなのですが
生物としての人間にとって本来、紫外線は避けたいものです。
命に関わりますから。
物は日焼けすると劣化しますよね。人間の身体も同じです。細胞が入れ替わる人間と物を同じ!というわけではないですが。
サンサンと明るい状態は 健康的なイメージです。
では真夏の砂浜で、何も日除けなしで浜に居て気持ちいいでしょうか?
パラソルの下、建物の屋根の下、のほうが快適ですよね。
陰、、つまり 暗さ は、必要なものなのです。
家は、
明るさも必要だけど、暗さも必要です。
何事も「過ぎる」事は、よくありません。
「昼間 照明を付けずに暮らしたい」という話しはよく聞きますが、
たとえ部分的に薄暗い場所があっても照明つけてまかなえるなら、それでいいと私は考えます。
「昼間つけたくない照明」とは・・
天井につける大型のシーリングの事だと思います。
それ一つで部屋全体を照らす照明です。
薄暗さ=それをつけなければいけないくらい暗い
というイメージだと思うのですが、隣の家との間の反射光を考慮したり、階段を通おして上からの光を取り込んだり、いろいろ方法はありますし、薄暗くても間接照明で落ちついた明るさを作る事ができますから
薄暗さ=悪
ではないのです。
設計する段階で考えておくべき事ではあるんですが、そうではない家だとしても「照明を楽しむ」と考える事ができれば「嫌」にはならないと思います。
LED照明がある今、電気料もあまり掛からないですしね。白熱等でも 10W 15W 25W くらいの小さな電球の照明を複数つかえばあまり電気料も増えないし、むしろ小さな照明がたくさんあるほうが雰囲気よくなります。
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