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「最も影響力ある世界の女性100人」
米国誌フォーブスが発表した「最も影響力ある世界の女性100人」によると、第73位はサントリーのCEO、小野真紀子さんだ。
「BOSS」「なっちゃん!」「伊右衛門」――。数々の有名飲料を世に送り出すサントリーグループの時価総額は1兆円超。そんなメガ国内企業で、女性初となる社長に就任した。
小野さんは東京外国語大学卒業後、サントリーに入社。当時は、女性がお茶くみをしていた時代だ。そこからめきめきと頭角を現し、フランスのワイン事業に関わるなど重要なポジションをこなしてきた。
フォーブスの記事によると:
小野真紀子氏は、2023年3月に「ジムビーム」や「ザ・マッカラン」などのウイスキーを手掛ける日本の財閥であるサントリーグループ傘下の清涼飲料会社、サントリー食品インターナショナルのCEOに就任しました。同氏は同社初の女性CEOであり、東京証券取引所に上場する企業の1%未満に女性CEOがいる日本では珍しい女性リーダー。
大学を卒業したばかりの1982年にサントリーで働き始め、フランスのワイナリーを買収するのを手伝ってすぐに頭角を現した。
小野氏は、自分の地位を利用して、より多くの女性が権力の座に就くのを助けることにコミットしていると言う。サントリーでは、2030年までに全管理職の30%を女性にすることを目標にしている(現在は12%)。
独身で、結婚して子供がいたらリーダーシップに上り詰められなかったかもしれないと報道陣に語った。彼女はまた、改善された企業条件が彼女を助け、他の人を助けることができるとも述べている。
フォーブスのリスト
#73 パワーウーマン(2024)
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以下、同誌において、いくつかの分野で注目される女性たちを紹介する。
・米プロバスケットボール(WNBA)
ケイトリン・クラーク(100位)/22歳のクラークは、さまざまな面でNBAを超える記録を打ち立て、影響力が及ぶ範囲を広げている。
・宇宙航空関連
スペースXのプレジデント兼COO、グウィン・ショットウェル(25位)/スペースXを宇宙分野に携わり、NASAや米軍からも信頼される2100億ドル(約32兆円)規模の企業に成長させた。
・音楽産業
テイラー・スウィフト(23位)/世界各地を巡った『THE ERAS TOUR』で興行収入の記録を打ち立てただけでなく、経済面においても業界を変えようとしている。米司法省がチケット販売大手、チケットマスターを反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いで調査するきっかけを作ったのは、テイラーだ。
・ストリーミングサービス業界
ネットフリックスの最高コンテンツ責任者(COO)のベラ・バジャリア(62位)とAmazon MGMスタジオの責任者、ジェニファー・サルケ(65位)/世界の数十億人が視聴するものを決定づけるアルゴリズムとデータだけでなく、世界文化を形作る声や物語もコントロールしている。
・金融市場インフラ
ナスダックの会長兼CEO、アディナ・フリードマン(46位)とニューヨーク証券取引所(NYSE)の社長、リン・マーティン(47位)、香港証券取引所のCEO、ボニー・チャン(61位)/ますますデジタル化する経済において、資本フローの再考を促している。
・経済政策
英財務相のレイチェル・リーブス(39位)、インド財務相のニルマラ・シタラマン(28位)、オーストラリア準備銀行(中央銀行)の総裁、ミシェル・ブロック(45位)、インドネシア財務大臣、スリ・ムルヤニ・インドラワティ(49位)/急速に変革を進める強力なグループ。
・金融業界
米政府系住宅金融機関、連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)のトップであるプリシラ・アルモドヴァール(38位)は、S&P500構成銘柄に含まれる企業を率いるただ1人のラテン系のCEO。また、企業が技術や規制の変化を乗り超えていく上で欠かせない力となっているコンサルティング会社の大手EYでは、ジャネット・トランケール(44位)が初の女性CEOに就任した。
シンガポールの大手銀行OCBC(オーバーシー・チャイニーズ銀行)では、ヘレン・ウォン副社長(ランク外)が女性として初のCEOに就任している。
このランキングの選び方の基準は曖昧だけれど、小野真紀子氏の功績は注目に値する。繰り返しの記述になるが、サントリーでは、現在の女性管理職は12%。2030年までに全管理職の30%を女性にすることを目標にしている。
小野さんはそのインタビューで、自分には家庭や子供がない。もし独身でなかったら、ここまでできなかっただろう、と述べている。
男だったら、まったく違った状況だろう。いち早く女性が男性と同様あるいはそれ以上に能力を出していける、そんな社会に向かっていけるように願うばかりだ。
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