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映画とその感想はもっとパーソナルなもの

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最近の記事

超大作の続編、全ての穴を塞ぎ、一般層に文句を言わせないレベルになってない時点で負け 「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」

<これだけの大作の続編、全ての作劇上の問題を塞ぎ、一般層に有無(文句)を言わせないレベルになってない時点で負け。> そもそも続編をやっていること自体や、細かいツッコミをし出したらキリがない(というかキャラクター達の間違いや愚かな行動が無いと物語にならないし…)けど、個人的にはさすがジェームズキャメロン監督という圧倒的な海中シーンの映像美と、新鮮なガジェットやビーグルのアイデアなど、様々なセンスオブワンダーを見せてもらった。ヤドカリみたいなモチーフの乗り物や、手錠とか無線機と

    • <”トンデモ日本”映画の歴史に残る>「ブレット・トレイン」

      ギラギラのネオンサインに、変なゆるキャラ、変な日本語。徹頭徹尾、外国人から見た間違った日本、トンデモ日本描写のセオリー通りで期待を裏切らず、「トンデモ日本映画」の歴史に残るような一作でしたね。 日本人の小説のハリウッド映画化と特殊な背景の映画で、そういった場合チープになりがちですが、アメコミ映画も撮った有名監督に、ブラッドピットが主演していたり、CGや美術もしっかりしていて、映画としてのクオリティーは申し分なかったです。 伊坂幸太郎原作のストーリーは、冒頭で一気に説明され

      • <ミスキャストでは?>映画「マイ・ブロークン・マリコ」

        原作に詳しいわけじゃないけど、友人をダチと言って足を開いてタバコを吸う女性を演じるのが、永野芽郁ではミスマッチだったと思う。演技力や表現力でカバーという感じでもなかったし。好きな俳優さんではあるんだけど、残念。重めな女を演じた、奈緒さんの演技は変わらずキレキレでしたね。 男女でどうこう言うのは良くないけど、女性原作者、メイン二人が女性なのにロードムービー的、ハードボイルド的なこの内容なら、女性監督ではなく、あえて男性監督でハードかつタイトに撮ってもらったほうが良かったのでは

        • <大絶賛されるほどか?> 映画「さかなのこ」

          のんこと能年玲奈さん主演で描く「さかなクン」の自伝的映画。 予告などのイメージでテンポよくすすむドタバタコメディ劇かと思いきや、意外と「オフビートなシュールな笑い」でミニシアター系邦画的に淡々と進む感じ。いかにも本人存命中の伝記映画を粛々と原作通りに描いているという感じで正直、退屈する場面もあった。絶賛の評判からハードルを上げすぎない方がいいです。 「魚が好きというのを貫いたからこそー」っていうよく言われるストーリーの肝や、その志の美しさは理解できるんだけど、終始、淡々と

        • 超大作の続編、全ての穴を塞ぎ、一般層に文句を言わせないレベルになってない時点で負け 「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」

        • <”トンデモ日本”映画の歴史に残る>「ブレット・トレイン」

        • <ミスキャストでは?>映画「マイ・ブロークン・マリコ」

        • <大絶賛されるほどか?> 映画「さかなのこ」

          フルプライス(定価)で再見の価値はあるか?<アバター3Dリマスター上映>

          続編公開にあわせてのリマスター上映。エンドロール中に続編の短い特別映像あり。 IMAX 3Dで観る13年前の映像のリマスターは凄かったし、13年後の新作の特別映像はもっともっと凄かった! 特に新作の特別映像の方は、水の表現などが格段にアップしており大スクリーンで観ると「巨大海洋生物が、本当にそこにいる」感じだったわ!観る前は今さらアバター続編?と鼻白んでいたけど、とても楽しみになった。これが一番大きい。 ただ、たぶん公開当時劇場で観てないし、ソフトが出た頃に観たきり話を

          フルプライス(定価)で再見の価値はあるか?<アバター3Dリマスター上映>

          <政治モノ映画好きじゃないと物足りない>「キングメーカー 大統領を作った男」

          国会議員になるまで4度落選した金大中元大統領がモデルと言われる作品。冒頭、鶏の話から選挙参謀になる人物の有能っぷりを端的に描写するなどストーリーテリングは上手い監督なんだと思う。 ただ、韓国映画でおなじみのアクションやバイオレンスありの「サスペンス」ではなく、どこまでいっても「政治劇」なので、相当、観客が退屈にならないように、エモーションが得られるように練らないとパンチが弱いな、実際、弱かったなと。 メインである選挙参謀の工作エピソードがいまいち、物足りない。「味方の一票

          <政治モノ映画好きじゃないと物足りない>「キングメーカー 大統領を作った男」

          <ハードル上げすぎ> 映画「NOPE」感想

          冒頭の猿のシーンのドキドキを越えるものが無かったのが残念。絶賛の前評判からハードルが上がりすぎていた。 初期映画や映画作りへのリスペクト、兄弟愛、中盤までのホラー感、全体像の見えなさなど個別のエピソードや要素は良いけれど、それらがぶつ切りで絡み合っていなかったように感じた。 IMAX撮影のゴーサインが出たように、製作・配給・観客はエンタメ性のある「活劇」や「スケール感」を期待しただろうに、監督はそれがド下手だったようだ。結局、主人公たちの「目的がアレ」ってのはどうなのって

          <ハードル上げすぎ> 映画「NOPE」感想

          <2020年上半期最高の邦画>映画「ハケンアニメ!」

          <今期、最高の邦画!> 最高。東映が実写映画でアニメ制作を描くという不可能を現実にしました(意外にも同じ共同作業の芸術なので親和性が高い!)。監督、プロデューサー、アニメーター、声優の全てに血の滲むような人間ドラマが描かれていて、これを観るとアニメがもっと観たくなる。今期最高の邦画です。 個人的には中村倫也演じる監督のモデルが、少女革命ウテナの幾原監督というのが「わかってるなぁ」とツボ。敵陣営のカリスマ監督の苦悩も描かれているのもよかった。どんなに天才や魔法使いのように言

          <2020年上半期最高の邦画>映画「ハケンアニメ!」

          <観客の観たいものを見せる心意気>映画「トップガン マーヴェリック」

          <「トップガン」が好きな人は、ネタバレする前に速やかに観に行って> 最高。トムクルーズ(とその制作一味)は本当にヤバいと、何回か椅子から転げ落ちそうになります。「トップガンの良いシーンは今回もだいたいある(意味深)」バカ映画すぎるが最高である。あと上映遅刻厳禁です(例のオープニングシークエンス終わってからという、笑っちゃうようなタイミングで入ってきたおっちゃんがいました…。) ただし、トムクルーズ演じるマーヴェリックが、まだ現役ということなど、(最近のイーストウッド映画の

          <観客の観たいものを見せる心意気>映画「トップガン マーヴェリック」

          <シン・ゴジラの上位互換ではない。>映画「シン・ウルトラマン」

          エヴァはかなり好きだった。シンゴジラはまあまあ、シンエヴァ微妙、初代ウルトラマンはまあ知ってる、な人の感想です。 開始0分から明るく軽妙に、お話の前段の部分を蹴っ飛ばしてエンタメに寄っていたのはよかったです。敵キャラもポンポン出てきてスピーディー、シリアスばかりじゃなくて、こういうのもできるのねと。 ただ、ポスターにも書かれていてお話の主軸である、「ウルトラマンと人類の”友情”」の描き方が決定的に弱くて、全体的にノっていけない。そんなんで後半唐突に「そんなに人間を好きにな

          <シン・ゴジラの上位互換ではない。>映画「シン・ウルトラマン」

          Netflix「UNTOLD 架空の恋人」<またまたネトフリ傑作ドキュメンタリーがきた>

          <火遊びは線引きを決めて> ドキュメンタリーに定評のあるNetflixにまたすごい作品がきた!大学フットボールのスーパースター マンタイ・テオは、最後のシーズンを恋人と祖母の死を乗り越えて大活躍、最高の美談としてもてはやされた。しかし、その恋人は存在しなかったことが暴露された。 「みんなの息子」と言われる、愛され系の男がなぜ!?マジで訳がわからないあらすじだが、開始数分で、予告で観たのとはさらに180度違う要素がぶち込まれ、一気に引き込まれた。 信仰に厚く性格もよい主人

          Netflix「UNTOLD 架空の恋人」<またまたネトフリ傑作ドキュメンタリーがきた>

          <SF映画好きの大人にこそハマる>映画「バズライトイヤー」

          <宇宙SF映画好きは、ぜひ観に行ってくれ!> 思ったより全然アリだった。「トイストーリー」との関連性はちょっと気になるところはあるけど、数々の名作宇宙SF映画へのオマージュ、近未来の生活、武器、ガジェットへのアイデア、ワンダーが詰まっていてとても楽しくて良かった。 例えば、いわゆるただビームが伸びる、ライトセイバータイプの剣は実現不可能らしいけど、ああいうベース部分があるブレードタイプだったら実現可能なのかな?とちゃんと考証してるのかなとか、宇宙探索系で銃ではなく剣が出て

          <SF映画好きの大人にこそハマる>映画「バズライトイヤー」

          <日韓協力作ゆえにどうしても物足りない>映画「ベイビー・ブローカー」

          <良くも悪くも"日韓ハイブリッド"> 「万引き家族」や「そして父になる」の是枝監督”印”の作品として見れば、しっとりしていてアリかもしれない。ただし、なんでもバイオレンスあり、アクションありで観客を遠くに連れて行く「韓国サスペンス映画」として見ると物足りないかも。でもオール韓国人俳優・韓国ロケ・韓国人撮影監督なので、どうしても後者の「味」を体が期待してしまうので、消化不良でモヤモヤ。 ロードムービー的でありながらけっこう立ち止まってお話が停滞しているし、追う側の警察とヤク

          <日韓協力作ゆえにどうしても物足りない>映画「ベイビー・ブローカー」

          <このシリーズで、子どもが喜ばないような内容は、ダメ>映画「ジュラシック・ワールド 新たなる支配者」

          8割くらいが、あってもなくてもいい人間パートで、「観客や子どもが”観たいもの”」はほとんど無かった。これを観るくらいなら、テキトーに旧作を家で観た方がはるかにいいという感想。 執拗なイナゴの登場は聖書からのメタファーなのかな。聖書風味も他にないし、それでも恐竜映画であれだけ出す意味がわからないが。(監督いわく古植物学者のエリー博士にスポットを当てるためらしいですね。恐竜時代から生きている生物、昆虫イナゴを中心にしたと。苦しいが。) 無駄に尺が長い。「映画が2時間(120分

          <このシリーズで、子どもが喜ばないような内容は、ダメ>映画「ジュラシック・ワールド 新たなる支配者」

          映画「マリグナント 狂暴な悪夢」 <SAWの監督が大作を経て超進化>

          「SAW」の監督で低予算ホラーサスペンス映画の名手ジェームズワンに、アメコミのアクション大作「アクアマン」を経験させたら、「低予算風だけどリッチな、伏線回収もバシバシ決まる、アクションもありの、マジで怖いホラー映画」が出来る監督が「悪魔合成」されてしまった感じ。 久々にジェットコースターのように振り回され、怒涛の展開にワクワクした映画。

          映画「マリグナント 狂暴な悪夢」 <SAWの監督が大作を経て超進化>

          映画「偶然と想像」 <話題の濱口竜介監督作品、あっちよりこっちの方が断然面白い!>

          「ドライブ・マイ・カー」で話題の濱口竜介監督で、こちらはベルリン国際映画祭銀熊賞受賞の、短編集映画「偶然と想像」めちゃ面白かった!こっちの方が多くの人にわかりやすく楽しめると思う。 小説っぽい台詞回しだけど、よくありがちな「不自然な感じ」がしないのは、日本人らしく徹底して平坦に喋らせる、濱口監督の高い演出や編集の「センス」からか。一幕目出演の玄里さんによると、結構「アドリブ」が入ってるのかと思ったらそうじゃなくて「すべて脚本通り」らしい。本当に良い意味でセンスでしかない。

          映画「偶然と想像」 <話題の濱口竜介監督作品、あっちよりこっちの方が断然面白い!>