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ヨーロッパ文化教養講座(2007年イタリアTV映画「カラヴァッジョ 天才画家の光と影」)

2023/03/27
個人的採点は、★★★
(★★★は、再び観たいとは思わないが、退屈せず、観ていた時間は楽しめた作品)
Filmarks: 3.5 (40レビュー)


WOWWOWで2007年のイタリア映画「カラヴァッジョ 天才画家の光と影」を観た。イタリア映画なのに原語は英語だった。

カラバッジョ(1571年-1610年)の人生を彼が描いた絵画を中心にたどっていく物語だが、カラバッジョ役の俳優を含め特に演技らしい演技をするわけではなく、背景として使われただけだったので、映画全体が冗長に感じた。
普通にドキュメンタリーにした方が良かったと思った。

カラバッジョの絵を初めて見たのは、ローマのボルゲーゼ美術館だった。

旧約聖書のダビデがゴリアテを打ち倒し、首を取ってぶら下げている、生々しい絵で、今でも目に焼き付いている。
『ゴリアテの首を持つダビデ』
ゴリアテの首はカラバッジョ自身の顔だそうだ。

カラバッジョは、美術史ではたいへん貴重な人物で、ミケランジェロ、ラファエロなどで絶頂を極めたルネサンス絵画が、次第にマンネリ化する時代に登場し、革命的な明暗の表現、写実的な表現でバロック時代の先駆けとなった人物だということだ。

画家としては、天才だったが、度が過ぎたやんちゃな人物で、たびたび刃傷沙汰を起こしたらしい。

ミラノで友人を殺して、ナポリへ逃亡、その後、マルタ騎士団に呼ばれてマルタへ、そこでも問題を起こしてシチリアへ逃げ、ナポリへ帰還。

自分の反省を伝えるため自分の首を描いたゴリアテの絵を土産にローマへ帰ろうとした途中で、熱病にかかって、39才で死亡する。

その後、忘れられていたが、20世紀に再評価された。

今では、フェルメール、レンブラントの絵もカラバッジョがいなかったら、存在しなかった。と言われるほどだとのこと。

現存は、80点くらいしかないそうで、また見られる機会があればいいなと思う。

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