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ヨーロッパ文化教養講座(2001年 イタリア映画 「マレーナ」鑑賞記)
2024/01/31
2023年公開「モリコーネ 映画が恋した音楽家」の関連作品としてWOWWOWで放送された「マレーナ」。
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
音楽:エンニオ・モリコーネ
1940年、第二次大戦下のイタリア。12歳の少年レナートは、村で一番美しい女マレーナに一目惚れする。
結婚したばかりの夫を徴兵された彼女は、海岸沿いの家に1人で住んでいた。
戦地にいる夫を想い、目の見えぬ父親の世話をする彼女を影のように追うレナート。やがて、敗戦とともにマレーナの夫の戦死が伝えられ、彼女にとっての悲劇が幕を開ける。
長ズボンをはくようになったレナートは、そのすべてを胸張り裂ける想いで見つめ続けていた。
2000年製作/92分/イタリア・アメリカ合作
原題:Malena
配給:ギャガ・ヒューマックス共同
劇場公開日:2001年6月9日
コメントと感想:
1.男の子目線の作品。
全体に、「ニュー・シネマ・パラダイス」の雰囲気が漂う。
2.マレーナ(演 モニカ・ベルッチ)の不自然とも言えるほどの色っぽさに、青年レナートは完全に魅了される。
レナート(演 ジュゼッペ・スルファーロ)は、ストーカーの様にマレーナを追い続け、時々マレーナと接触する妄想を見るが、実際のマレーナがレナートに視線を合わせるのは最後のシーンだけである。
マレーナを見つめるレナートを観ていると自分の青年時代を思い出して、本当に気恥ずかしい気持ちになる。
3.一見単純な映画だが、マレーナが娼婦になったのも突き詰めるとファシズム政権の罪なので、トルナトーレ監督の戦争批判の気持ちも込められていると思う。
4.「ニュー・シネマ・パラダイス」と比べると、劇的なシーンが少ないため、モリコーネ・マエストロも腕が振るいにくかったと思った。
5.それにしても、これほどまで美しいモニカ・ベルッチだが、あまり出演作に恵まれていない感じがするが、何故だろう。