ヨーロッパ文化教養講座(「コシ・ファン・トゥッテ K.588 」 シナリオ読破プロジェクト35 第2幕 第26曲)
2024/03/26
フェルランドとグリエルモは自分たちの求愛行動の状況を、互いに報告しあう。
主要登場人物:
①(Fiordiligi) フィオルディリージ(ソプラノ)貴族(金持ち)の*姉
②(Dorabella)ドラベッラ(メゾ・ソプラノ)貴族(金持ち)の*妹
③(Despina)デスピーナ (ソプラノ)①②の使用人
④(Guglielmo)グリエルモ (バリトン)①の婚約者
⑤(Ferrando) フェルランド(テノール)②の婚約者
⑥(Don Alfonso) ドン・アルフォンソ (バス)老哲学者
注:①、②のどちらが姉かは台本上は不明。台本上に先に配役として①が書いてあるので、便宜上①を「姉」とする。
SCENA VII 第8景 フェルランドとグリエルモのレチタティーヴォ
とグリエルモのアリア
フェルランドはグリエルモに、フィオルディリージはとても貞淑な女性だと褒め称える。
一方、グリエルモはフェルランドに、ドラベッラが自分にペンダントを渡してしまうほど1日で惹かれたことを「自慢」する。
フェルランドは絶望する。
No.26 Aria 第26曲 アリア
グリエルモ:
Donne mie, la fate a tanti,
Che se il ver vi deggio dir,
Se si lagnano gli amanti
Li comincio a compatir.
私たちのお嬢様、多くの男たちに致す、
本当のことを言わせてもらえるなら、
もし恋人たちに文句を言うのなら
私は彼らに同情する。
Io vo'bene al sesso vostro,
Lo sapete, ognun lo sa;
Ogni giorno ve lo mostro,
Vi do segno d'amista'.
私は貴女たちの性を好んでいる、
そのことは、みんなが知っている。
Ma quel farla a tanti a tanti
M'avvilisce in verita'.
でも、多くの男たちに致すのは
実際失望する。
Mille volte il brando presi
Per salvar il vostro onor.
Mille volte vi difesi
Colla bocca e piu' col cor.
私は1000回も剣をとって
貴女たちの名誉を守ろうとした。
私は1000回mの貴女たちを守った
口と心で。
Ma quel farla a tanti a tanti
E' un vizietto seccator.
でも、多くの男たちに致すのは
少し厄介な悪い癖だ。
Siete vaghe, siete amabili,
Piu' tesori il ciel vi die',
E le grazie vi circondano
Dalla testa fino ai pie'.
貴女たちは雅やかで愛らしい、
天が貴女たちに宝物を与えた、
その歓びが貴女たちを取り囲んでいる
頭から足まで。
Ma la fate a tanti a tanti,
Che credibile non e'.
Che se gridano gli amanti
Hanno certo un gran perche'.
(Parte.)
でも、多くの男たちに致すのは、
信頼を失わせる。
恋人たちがわめくのは
確かに理由があることだ。
(退場)