ヨーロッパ文化教養講座 (「楽園のキャンバス」)
2022年8月30日 65歳の誕生日を迎え、今後個人事業主を続けられなくなったとき、少しでも社会に接触を持ち続けたいと思って、このノートを始めることにしたい。
「ヨーロッパ文化教養講座」と大仰なタイトルをつけたが、単なる日記の代わりではつまらないので、38歳でイタリアに初めて行って以来、興味を持ち続けた、ヨーロッパの文化を語りたいと思う。
ヨーロッパには、かつてイギリスの植民地だった国々も含む。ということは、西洋全体の話となる。
今、「楽園のキャンバス」を読んでいる。アンリ・ルソーの研究者2人が、パリの豪邸に呼ばれる。この豪邸には、伝説のコレクターが住んでいる。このコレクターが、呼んだ二人に、秘蔵のアンリ・ルソーの「夢」ならぬ、「夢を見た」という絵画を鑑定させるという物語である。
コレクターの内、1人は、若い美しい日本人女性の研究家 オリエ・ハヤカワ、もう1人は、MOMAで、アシスタントキュレーターをしている、TIM BROWN。オリエ・ハヤカワは、間違いなく本人が呼ばれたようだが、TIM BROWNは、彼のボスの著名なTOM BROWNと人違いで呼ばれたと思っている。でも、TIMは、アンリ・ルソーの研究家であり、今度MOMAでアンリ・ルソーの企画展を開催し、それを成功させて出世したいという願望があったので、わざとMr. Brown としてコレクターの招きに応じた。
二人の研究者が、初めてこの絵を見たときの第一印象は、TIMが「本物」、オリエが「贋作」であった。TIMは、絵の筆使いや、ルソーのサインなどから、本物と言い、オリエは、ルソーの生活状況から考慮して、同時に2枚の絵く材料費が捻出できるはずもなく、もし、この絵が本物から、MONAに置いてある、アンリ・ルソー「夢」が贋作だということになる、という理屈だ。
TIMは、オリエの鋭い指摘にタジタジであるが、さて、どちらが正しいのであろうか?
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