ヨーロッパ文化教養講座(2007年日本映画「オリヲン座からの招待状」鑑賞記)
2024/06/24
日本映画ではあるが、題名が「W座からの招待状」と酷似していること、設定が大好きな「ニュー・シネマ・パラダイス」に似ていることから鑑賞。
「ぽっぽや」の浅田次郎氏らしい心を動かされる物語。
映画館はテレビが登場するまでは、庶民の娯楽の王様だった。
それを提供する映画館の経営者は、観衆に生きがいを与える映画を放映するという大きな喜びが金銭的成功よりもっとあったのだろう。
だた、温泉地の老舗旅館と違い(海外マネーも来ず)、どんなに経営努力をしても、需要が減り続ける産業は無くなるしかないのが、資本主義社会のルール。
ルールに従って良きものが無くなっていくが、周りの人たちのサポートも得てそのルールに抗おうとする宮沢りえ、加瀬亮の美しきカップルの奮闘。
結局は社会に貢献するために自己を犠牲にするのが美しいという、日本の伝統的価値観が反映されている映画だなと思った。