ヨーロッパ文化教養講座(2003年アメリカ映画 「コールドマウンテン」鑑賞記)
2024/03/16
2003年にアカデミー賞助演女優賞(レニー・ゼルヴィガー)を受賞した作品。WOWWOWにて初めて鑑賞。
主役はインマン(演 ジュード・ロウ)とエイダ(演 ニコール・キッドマン)
前年にスターウォーズ・エピソード2でアミダラ女王を演じた、ナタリー・ポートマンも端役で出演。
コメントと感想:
1.アンソニー・ミンゲラ監督にジュード・ロウといえば、「リプリー」を想い出す。「リプリー」でのジュード・ロウは、金持ちのボンボンでリプリーから殺される役だった。
今回は、南軍戦士役インマン。
牧師の美しい令嬢エイダをニコール・キッドマンが演じ、典型的なイケメン・美女のラブロマンスであれば、陳腐な映画になったであろう。
2.この映画は、この2人が最後に再会するまでの苦難の出来事を描いたことで、最後がハッピーエンドでなくても、観客に満足感を与えた理由だと思った。
エイダは、村娘ルビー(演 レニー・ゼルヴィガー)の助けを得て、亡き牧師の父の後の農場経営を図る。
インマンは、北軍や義勇軍からの執拗な追跡をかわしながらエイダの住む、コールドマウンテンを目指す。
3.南北戦争は、最終的には勝利し「奴隷解放を成し遂げた偉大なリンカーン大統領」という捉え方しかしてこなかったが、その勝利の裏には同じ国民同士でこのような悲惨な殺し合いをしたのかと驚くシーンが続いた。
南軍と北軍は戦争しているのだから、殺し合うのは仕方がないと思うが、
戦争にも参加せず、地元に残って義勇軍として味方の脱走兵を殺害する人たちの行動原理は最後まで理解できなかった。
4.今は殺し合いはしないが、共和党と民主党の支持基盤が、南北戦争の時代と全く入れ替わっているのを知った。(リンカーンは奴隷解放を訴えた共和党)