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ヨーロッパ文化教養講座(2023年8月2日  キリシマ祝祭管弦楽団公演 鑑賞記)

2023/08/03

夏休みに入るとほぼ同時に、レジェンドのチェリスト、堤剛氏が立ち上げた、霧島国際音楽祭が主会場を、霧島の温泉地リゾート地にある「みやまコンセール」として行われている。

「みやまコンセール」は素晴らしいホールなのだが、何せリゾート地にあるため、鹿児島市からは、車がないと行けない場所にある。また、収容人数も少ないため、オーケストラの公演には難がある。

そこで、毎年1回、鹿児島市の中心部、西郷隆盛の銅像前の宝山ホールで、オーケストラの公演が行われている。

小生は、昨年初めていったが、オーケストラメンバーが豪華で、本物のプロオケのサウンドが聴けることを発見し、今年は、発売と同時に前から5列目のほぼ中央という絶好の場所で聴いた。

日時:2023年8月2日(水) 開場:18時15分 開演:19時
会場:宝山ホール(鹿児島市)
出演:
デイヴィッド・レイランド(指揮)
セルゲイ・クリーロフ(ヴァイオリン)
キリシマ祝祭管弦楽団

プログラム:
0)マエストロによるプレトーク
1)ビゼー:カルメン組曲
終曲(闘牛士)
前奏曲~アラゴネーズ
セギディーリァ
間奏曲
アルカラの竜騎兵
ハバネラ
密輸入者の行進
衛兵の交代
ジプシーの踊り
2)サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン Op.20
3)ソリストアンコール:
パガニーニ:奇想曲(カプリース)
休憩
4)ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 Op.73
5)アンコール:
ブラームス:ハンガリー舞曲 第6番

コメントと感想:
1.0)のプレトークで、マエストロと通訳の女性が登場。
「私は、ベルギーから来ました。チョコレートで有名です。」フランス語ではなく、流暢な英語で話し始めた。
「前半は、ジプシーの音楽です。カルメン組曲は、第1と第2組曲があり、その中から自分でオペラの順を意識して選曲しました。」
「後半のブラームス2番は、20年掛かった1番と違って、短い時間で完成しました。3楽章は、メンデルスゾーンへ捧げる曲。4楽章は、モーツァルト的なスタートで最後は「火」のように終わります。」
と簡潔でわかりやすい、説明があった。

2.オーケストラメンバーが登場。コンサートマスターの長原氏を始め、テレビ番組や生演奏で観た記憶のあるお顔が並んでいる。本当に豪華なメンバーだなと思った。

今回は、第2ヴァイオリンの首席の席で弾いていた、会田莉凡(リボン)さんの表情がとても豊かで楽しそうで、時々、コンマスの長原さんと視線を交わしながら、丁寧に音を合わせている姿が目に焼き付いた。

3.2)3)とも、ヴァイオリンの難曲中の難曲で知られているが、まさにジプシーの様な姿で現れた、セルゲイ・クリーロフ氏は、2曲とも軽々と(と見えた)弾きこなし、場内から久しぶりの「ブラボー」の歓声が出た。
オケのヴァイオリン奏者の皆さんも「凄いな!」というような目でクリーロフ氏の演奏を聴いていたのが印象的だった。

4.一転4)のブラームスは、やはり難しい曲だということが、近くで観たので良くわかった。先日、エンター・ザ・ミュージックで、中村洋乃理さんが、「ブラームスは演奏は難しいのに、派手でないので、観客が難しさを解ってくれないのでは」というような事を言っていたことを思いだした。
リズムや強弱が頻繁に変わり、マエストロの腕が解る曲だと思った。

今回は、急ごしらえのメンバーなので、一糸乱れぬというところまでは、行かなかったと思うが、何せ、個々の楽器の音が良いので、非常に迫力のある演奏だった。

唯一、残念なのは、出だしのホルンの音が裏返ったことで、やはり金管楽器が日本のオケの弱点だと思った。

5.5)のアンコールは、ジプシーにちなんで、ハンガリー舞曲第6番。
出だしから、場内は乗りに乗って、再び「ブラボー」で、大団円となった。

当日の出演者リスト


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