ヨーロッパ文化教養講座(「DOCあすへのカルテ」S1 E15 鑑賞記)
2023/02/15
NHK海外ドラマシリーズ「DOCあすへのカルテ」シーズン1 オーラス前のエピソード15の鑑賞記
今回は、久しぶりに、アンドレア+アニェーゼの娘カロリーナ、アルバの母外科医長ファブリッツィアが顔を出し、エピソード1 フィナーレの序章となった。
内科医長マルコの妻、イレーネ(の製薬会社)から多額の金銭と引き換えに、アンドレア・ファンティに追い出されて恨みを持つ、元研修医ダリオ・コローラは、「アンドレアに命令されて新薬サトナールの治験データを書き換えた」と偽りの告発をした。
アンドレアは、アニェーゼやジュリアに自分はそんなことをする人間だったのかと聞いてまわるほど、自分自身に対して疑心暗鬼になる。
ロレンツォは、アンドレアに命じられて、ダリオ・コローラと共に、治験データを管理する役目を負っていたが、治験データにアクセスするためのパスワードをダリオ・コローラと自分だけでなく、アンドレアも知っていたことを思い出す。
治験データを書き換えるような危険なことを、アンドレアはパスワードを知っていたのだから自分で行うはずで、部下に頼むわけがないとロレンツォは、内科医長マルコへ話す。すると、マルコは、このことをばらしたら、ロレンツォが精神薬を使っていたことを公表し病院から追い出すと脅迫する。
このことで、ロレンツォは、マルコが治験データ改ざんに関わっていたことを察したようだ。
1.患者が内科病棟に運ばれ最初は原因不明だが、最終的に原因が判明するパターンについて
今回は患者は、2人。
1)ロレンツォの元カノから再カノ(?)になりつつある、キアラ。
前回、アンドレア・ファンティの「神の手」によりウィルソン病と診断されたが、既に肝硬変となり、肝臓移植しか手がない。
肝臓移植患者の優先順位を決める医長会議では、外科医長ファブリッツィア、精神科医長エンリコ・サンドリ、医院長アニェーゼは薬物依存のキアラへの移植に反対する。
告白者ダリオ・コローラが髄膜炎菌感染症で急死したことで、彼の肝臓の移植を同病院内の他の移植待ち患者に移植できることとなり、肝臓移植の医長会議が再度開かれることになった。
何とかキアラを救いたいロレンツォは、自分のことはどうなってもいいので、マルコに治験データ改ざんの件をばらされたくなかったら、キアラへ肝臓移植するように脅し返す。
規律を重んじる外科医長ファブリッツィアは、あくまでも反対するが、書記として出席していた娘アルバが、ダリオ・コローラの肝臓は、キアラ以外の患者には適合しないことを突き止め、キアラへ肝臓移植が決まる。
そのことをファブリッツィアは高く評価し、8時間の肝臓移植手術にキアラを立ち会わせる。キアラも外科の道へ進みたいと思うようになる。
キアラは、命を救われ、ロレンツォとの将来が見えてくる。
2)アフリカのガーナの診療所(世界中のパソコンの廃棄場になっているゴミ箱から取った銅などの金属を売って数千人が暮らしている)で献身的に医療に従事している有名な医師が父親の相続財産の件で、妹(もしくは姉)ともめているときに、意識不明になり、救急搬送される。
この医師は、アフリカの医療利権に関する組織か、父親の遺産を狙う妹が毒を盛ったと主張する。
妹は、亡き父の経営していた病院の再建のために遺産を使いたいが、兄は、アフリカの医療に使いたいと思っている。
兄は、生死の境をさまようが、アンドレアは、この兄とアフリカ人の妻が2人とも不妊であることや、この兄の症状、パソコンの破棄所となっているアフリカの兄の診療場所の環境から、原因は、毒ではなく、放射線によるものだということを発見する。
兄を助けるには、妹から骨髄移植を受けるしかない。
妹は、兄が相続放棄をすることを条件に、骨髄移植に応じる。
2.アンドレア・ファンティに少しずつ記憶が戻ってきて、元妻アニェーゼと喪失前の恋人ジュリアの三角関係が変化してくることについて
今回は特にアニェーゼが病院長という立場からも、アンドレアが人間的にデータ改ざんするはずがないことを確信しているということからも、ダリオ・コローラに直接話をするという危険を冒す。
ダリオ・コローラは、自分はクローン病で金のために改ざんしたが、人が死んだだので告発したと、アニェーゼに言い放つが、ダリオは、髄膜炎菌感染症で急死する。
アニェーゼは、歯周病が原因といって抗生剤を飲むが体調が悪くなるばかりで、ついに、アンドレアとの会話中に意識不明となってしまう。
3.その他
1)マルコとイレーネの陰謀については、今回のエピソードの中心主題となった。
2人は、ダリオ・コローラの急死は、製薬会社本社が絡んでいて、自分達も消されるかもしれないと怯えているので、最終話では、2人で逃げ出すのではないかと思った。
2)アルバとリッカルドに関しては、リッカルドの引っ越し先で二人きりになり、ついに結ばれるかと思いきや、リッカルドが右脚のことで我に返り、アルバも冷めてしまう。
さらに、アルバが母の外科医長ファブリッツィアの手術に立ち会い感銘して、外科に転向したということをリッカルドに話し、リッカルドがそのことをなじったことから、二人は言い合いになってしまう。本当にお二人とも、強情でややこしい。(から、お似合いなのか)
3)エリーザとガブリエル
エリーザは、ガブリエルを自分の家に泊めることになり、ルンルン気分。
一方、ガブリエルは、アフリカの医療に捧げている患者の姿を見て、自分がエチオピアを見放し、エリーザと付き合っていくことが果たして正しい道なのかと悩み始める。
コメントと感想(というより、最終回の予想):
1.次回はシーズン1の最終回だが、撮影時には、たぶん、シーズン2へ続くことは決定していたと考えると、積み残し(伏線未回収?)も出すと思う。
2.原因不明の入院患者は誰か?
最終回は、患者は、アニェーゼ1人(+他に主要登場人物の関係者くらいか? となると、エンリコ・サンドリの関係者もしくは、ガブリエルのエチオピア人の支援者?)
3.マルコとエレーナ
最終的には、サトナールの治験データ改ざんと、そのサトナールを投与すべきでない患者に投与して死亡させたのが、マルコ+エレーナの二人の責任であることにして、病院を去ってもらうのが自然か。
そうなるとロレンツォは、薬物使用の件が明るみにでるので、退場となるはずだが、シーズン2のためにも、ロレンツォは、残したいところ。
マルコ夫妻がいなくなると、シーズン2は、悪役がいなくなるので、エレーナは残す?
4.アンドレアとアニェーゼ、ジュリア
意識不明のアニェーゼは、アンドレアではなく、ジュリアが原因を発見して救うことになれば、面白い。
アニェーゼは、死の淵をさまよったことで、自分の気持ちに正直に生きようと決意し、ダビデと別れ、本当の三角関係になって、シーズン2へ向かう?
5.アルバとリッカルド
アルバは、外科へ行き、母の外科医長ファブリッツィアの元で働くことになるだろう。一方、リッカルドは、自分の義足の事を皆に公表することができるが、アルバとはまだ、結ばれないままで、シーズン2へ積み残す?
6.エリーザとガブリエル
エリーザには、気の毒だが、ガブリエルは、エチオピアへ帰る決心をするのではないだろうか?
そうすると、もう一人の患者は、エチオピア人の支援者かも知れない。