ヨーロッパ文化教養講座(「クラシック倶楽部 故メナヘム・プレスラー ピアノ・リサイタル録画鑑賞記)
2023年5月6日に、メナヘム・プレスラー氏が99歳で亡くなった。
93歳の2017年にサントリーホールで来日コンサートを開いたことは知らなかった。
映像を見ると、杖をつき、介助を受けながら、スタインウェイのピアノにやっとたどり着くほど、体力は衰えていたと思うが、2時間の演奏会を最後まで手を抜かずに、丁寧な優しい音で弾き終えた。
プレスラー氏に限らす、コンサート・ピアニストの演奏を見て良く思うのだが、肩から手先までロボットの様にしっかりとした腕を皆持っていて、演奏のときだけ装着するのではないかと思うほどだ。
長年の鍛錬の結果がこの腕なのだろうと思った。
小生は残念ながら、プレスラー氏を知ったのは、同じクラシック倶楽部で、庄司紗矢香と共演した、2014年の素晴らしいブラームスのヴァイオリンソナタ第1番「雨の歌」を演奏したときだ。つまり、プレスラー氏は既に90歳だったことになる。
このライブはCDも発売されたので、小生の愛聴盤の一つになっているが、ピアノの伴奏はヴァイオリンを邪魔せず、しかも優しくしっかりとした音で鳴らしている。孫の年代の庄司紗矢香と息がピッタリ合って、今のところ「雨の歌」のパーソナルベストCDである。
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