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ヨーロッパ文化教養講座(2023年3月4日 神尾真由子+飯森範親マエルトロ コンサート鑑賞記)

2023/03/08
神尾真由子の生演奏を一度是非聴きたいと思っていたので、日本初演という曲をおっかなびっくりで聴きに行った。

プログラム:
パシフィックフィルハーモニア東京 第155回定期演奏会
日時:2023/3/4(土) 開場:13:00 開演:14:00
会場:東京芸術劇場 コンサートホール
オーケストラ:パシフィックフィルハーモニア東京
指揮:飯森範親
ヴァイオリン:神尾真由子

前半
1.イェルク・ヴィトマン:ヴァイオリン協奏曲第1番(日本初演)
2.ソリストアンコール
パガニーニ:24のカプリースp.1 より 第5番 イ短調

休憩 20分
後半
3.ブルックナー/交響曲第4番 変ホ長調 「ロマンティック」(ノヴァーク版 1878/80)
4.オーケストラアンコールは無し。その代わり、芸術監督 飯森マエルトロより挨拶

コメントと感想:
1.の現代曲(というより前衛曲?)は、冒頭から30分間不協和音しか流れず、小生の脳みそのキャパを遙かに超えていた。
 それでも、神尾真由子の演奏技術は素晴らしかったのだろう、感覚としては、その音の群れに抗って「逃げ出す」というのではなく、観念して脳みそを音の群れに「差し出す」という感じだった。
 つまり、感情は揺すぶられるが、それは、自分の心から出た熱い能動的な感情ではなく、「差し出した」脳みそが音の群れに翻弄されて揺すぶられ、終わると残響が脳みその中で残るという受動的な感情なのではないだろうか。

 能動的感情ではないので、たぶん、今後この曲を何回聴いても、何の曲かは、わからないだろう。

2.神尾真由子の演奏技術の高さは、2のパガニーニでハッキリと証明された。今度は、もっと、音の少なく唄うようなヴァイオリン曲を聴きたいと思った。

3.ブルックナーは、今の小生の好みではないが、この「ロマンチック」の一楽章だけは、耳なじみがしていた。
 ただ、ブルックナーにしても、ワーグナーにしても、金管楽器の実力が曲の出来不出来を左右するといっても過言でないくらい、金管特にホルン、トランペットが活躍するので、残念ながら、今回の演奏では100点満点とはいかなかったようだ。
 ブルックナーの曲は、各楽章が波のようにフォルテになったり、ピアノになったり音の強弱は頻繁に変わる。
 リズムやメロディよりも、オーケストラ全体のダイナミックレンジで勝負している感じがするので、その点が小生の好みではないのだろうと考えながら聴いていた。

4.音楽監督の飯森範親マエルトロは、今、古典曲を録音して聞き返して弱点を見つけながら、このオーケストラを育てているというような話だった。
情熱的で藤岡幸夫マエルトロとタイプが似ていると思った。

東京のオーケストラは数が多くて、経営的にも大変だと思うが、逆に、いつでも良質なオーケストラの演奏が聴ける都会の人達は羨ましいと思う。


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