ヨーロッパ文化教養講座(クラシック倶楽部 「歴史的楽器が奏でるショパンの調べ 1 」)
2024/04/20
2024年3月13日にアクロス福岡で聴いた「リアルショパン」コンサートの2日前の東京オペラシティの同一プログラムのコンサートが、NHKクラシック倶楽部で放送された。
生演奏と録音の違いがハッキリわかって、とても興味深かった。
放送プログラム:
1)ポーランド民謡による幻想曲 作品13
川口 成彦(フォルテピアノ) 、18世紀オーケストラ(管弦楽)
2)演奏会用ロンド 「クラコヴィアク」 ヘ長調 作品14
トマシュ・リッテル(フォルテピアノ) 、18世紀オーケストラ(管弦楽)
3)交響曲 第40番 ト短調 K.550から 第1、第3、第4楽章
18世紀オーケストラ(管弦楽)
生演奏のプログラム:
3)
1)
2)
・トマシュ・リッテルのソリストアンコール
休憩
4)ショパンピアノ協奏曲第1番 ユリアンナ・アヴデーエワ
放送のサブタイトルが、「歴史的楽器が奏でるショパンの調べ 1 」となっているので、後日、アヴテーエワの協奏曲第1番は、「歴史的楽器が奏でるショパンの調べ 2」として放送されるのだろう。
コメントと感想:
1.生演奏と違って、放送ではフォルテピアノや18世紀オーケストラの音が非常にクリアに聞こえる。
マイクの位置やミキシングなど、NHKの長年培った音響技術の技なのだろう。
一方、あまりにもクリアなので、生演奏のときに感じた、古楽器独特の「枯れた」感じが薄れているようだ。
これも、同じ演奏者で、同じプログラムを会場は違うと言っても、生と録音の両方を聞き比べられる幸運のおかげだと思った。
2.1)と2)の作品13,14は、1928年に作られ、ピアノ協奏曲第1番が1930年、ピアノ協奏曲第2番が1929年の作品なので、この3年間のみに、ピアノとオーケストラのための曲をショパンは作ったことになる。
しばしばオーケストレーションの稚拙さを指摘されているが、若いときに、自分でも限界を感じたのかも知れない。
しかしながら、1)も2)もとても良い曲なので、合わせて誰かが編曲して、ピアノ協奏曲第0番として、発表しても面白いと思った。
3.第2ヴァイオリン首席の位置にいた、山縣さゆりさんが、「今回のコンサートマスターは、ゲストですが、モーツァルトの交響曲は立って弾きましょう」と提案があったそうだ。
立って弾くことにより、よりダイナミックに音が出ると山縣さんは言っていた。
これも、新しい発見だった。