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ヨーロッパ文化教養講座(1997年オーストラリア映画「シャイン」鑑賞記)

2024/03/20
「イングリッシュ・ペイシェント」がアカデミー賞作品賞を取った年に、ジェフリー・ラッシュが主演男優賞を取った作品を初めて観た。

実在の天才ピアニスト、デイビッド・ヘルフゴットの半生を映画化し、主演のジェフリー・ラッシュが第69回アカデミー賞主演男優賞など数々の賞に輝いた伝記ドラマ。

オーストラリア、メルボルンで暮らすデイビッドは、音楽家の夢に破れた父に幼少時からピアノを厳しく教え込まれ、その才能を開花させる。しかし留学の話が出ると、父は彼が家族から離れることを暴力的に拒否。

結局デイビッドは父の許しを得ないまま、英国王立音楽院に留学するためロンドンへ渡る。父にいつか弾きこなすよう言われていたラフマニノフのピアノ協奏曲第3番をコンクールの演奏曲に選んだデイビッドは、猛特訓の末に見事に演奏するが、過度のストレスによって精神を病んでしまう。

劇中のピアノ演奏はヘルフゴット本人によるもの。

1995年製作/105分/オーストラリア
原題:Shine
配給:KUZUIエンタープライズ
劇場公開日:1997年3月22日

映画.com

コメントと感想:

1.デイビッド・ヘルフゴット氏が実在して、今でもリサイタルを開いているピアニストだということは知らなかった。
Youtube に2023年7月のコンサートの映像が残っている。

2.実物の本人を見ると、いかにジェフリー・ラッシュの演技が凄いかがわかる。オスカーを取る演技だと思った。

3.公開後親族から実話と違うというクレームが入ったそうだ。
映像化によって真実が間違って伝わるということは今も昔も日常茶飯事のようだ。
これほどの演奏者ならドキュメンタリー映画でも良かったのではないだろうかと思った。

4.ドラマとしては、父親が何故あれほど頑なに留学に反対したのかという理由が最後まで理解できなかった。(ユダヤ人の社会独特の価値観があるのだろうとは思ったが。)
また、主人公が占い師と結婚したいきさつは、もう少し詳しく描いても良かったのではないかと思う。

5.この映画では最も演奏が難しいピアノ協奏曲の代表のラフマニノフ3番の演奏シーンが一番感動した。


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